第24回情報科学技術フォーラム(FIT2025)にて学生が発表しました

2025年9月3日~9月5日に北海道科学大学にて開催された「第24回情報科学技術フォーラム(FIT2025)」に本研究室より、上前 諒輔さん(修士2年)、早貸 虎之介さん(修士2年)、前嶋 瞭佑さん(修士1年)が参加し、研究発表を行いました。

[第24回情報科学技術フォーラム(FIT2025)]


◆ 上前 諒輔, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲, 永田 功:大規模言語モデルを活用したマニュアルの見出し作成支援手法の提案

マニュアル利用者が迅速に目的の情報に到達するには,利用者視点で体系化された目次が必要である.その設計にはドメイン特有の専門知識と多大な工数を要し,既存マニュアルの修正でも短時間での再編成は困難である.本研究では大規模言語モデル(LLM)とプロンプトエンジニアリングを用い,未体系化マニュアル原稿から高い情報探索効率を有する目次の生成手法を提案する.提案手法はマニュアル作成の専門家が採用する情報分類基準をプロンプトに反映し,LLMの文脈理解能力を活用して利用者中心の構造を構築する.製品マニュアルを対象とした評価の結果,生成された目次は専門家作成の目次と同等の構造的妥当性と情報到達の容易性を示す.

◆ 早貸虎之介,横山想一郎,山下倫央,川村秀憲:大規模言語モデルを用いた競輪記事生成におけるレース紹介記事の特徴選択手法の提案

大規模言語モデルを用いて、競輪のレース・選手紹介記事を自動生成するシステムを構築する


◆ 前嶋瞭佑,横山想一郎, 山下倫央, 川村秀憲:LLM ベースのマルチエージェント句会
シミュレーションによる俳句評価基準の変遷

近年、LLMの発展により俳句の自動生成・評価研究が活発化し、形式的制約を満たす俳句生成や専門家の評価基準の自動化が実現されつつある。句会は参加者の相互作用を通じて集団的な美的価値観が形成される重要な場であるが、既存研究では句会プロセスの再現に主眼が置かれ、集団構成の違いが価値観形成に与える影響、特に初期参加者構成比が長期的な属性分布の収束パターンに与える影響については十分に検討されていない。
本研究では、LLMベースのマルチエージェントシステムを用いて句会における相互作用を再現し、初期エージェント構成比が最終的な属性分布に与える影響と収束メカニズムを定量的に解明することを目的とする。具体的には、俳句の時代性(古風/現代風)に着目し、複数ラウンドの句会モデルを実行し、異なる初期構成比におけるエージェントの投句・選句した俳句の属性収束の変遷を観察・分析した。
本研究の貢献は、異なる初期構成比における収束パターンの体系的分析による句会モデルの相互作用の定量化、初期構成比と投句および選句された俳句の属性収束傾向の関係性の実証的解明、マルチエージェント創作システムにおける多様性維持のためのプロンプト設計手法の提示である。これらは芸術的創作における集団ダイナミクスの理解とAI創作システムにおける多様性保持の設計指針に寄与する。


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