情報処理学会 第84回全国大会にて発表を行いました

3月3日(木)~5日(土)にハイブリットで開催された情報処理学会 第84回全国大会にて、本研究室から2名の学生が発表を行いました。

平田 航大, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : 深層学習による自己回帰モデルを用いた俳句生成器の評価, 情報処理学会第84回全国大会, 4W-05, ハイブリット (2022)

花野 愛里咲, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : マスク化言語モデル RoBERTa を用いた俳句の評価, 情報処理学会第84回全国大会, 7ZM-05, ハイブリット (2022)

発表を行った花野さんには、学会に参加して気づいた問題点と最近の動向についてレポートしてもらいました。

今回参加した学会はハイブリッド開催でした。現地からの発表の残り時間を知らせる音が聞こえづらいという問題が生じ、急遽zoom のチャットで時間経過を知らせるという方式をとっていましたが、発表時に一度目線をずらす必要があるためやはり従来のベル方式がよいと感じました。

私が聴講した中ではエンターテインメント分野でのAI の活用が印象に残りました。ウミガメのスープというクイズの作問を行う研究や、オンライン上のスタンプラリーなど様々なところでAI の活用が図られていると感じました。オンライン上のスタンプラリーの研究のようにオンラインイベントへのAI の活用は新型コロナウイルスの流行もあり、今後も需要が高まるのではないかと思いました。

2 名の研究を紹介させていただきます。

芝浦工業大学の大塚嵩柾さんの「深層学習を用いた「かわいいキャラ」分類モデルの構築と評価」という研究は、近年「かわいい」という感性が様々な目的のために用いられている中で「かわいいキャラ」が公共事業などのPR に用いられているものの、PR の対象となる相手の感性に合ったキャラでなければ効果的なPR をすることはできないという課題に対し、対象者に合わせた「かわいいキャラ」を分類する深層学習モデルを提案したという内容でした。

感性は人によって異なり、全ての人が共通してかわいいと感じるキャラを選ぶことは難しいため同じ属性の人々に対象を絞るという考えは、自分が行っている俳句の自動評価の研究にも応用できるのではないかと思いました。

芝浦工業大学の陳蕾思さんの「単語分散表現における女性標示語のステレオタイプの定量化」は、「女子大生」のように女性であることを強調する単語である女性標示語について、性別的に中立な単語(「大学生」など)よりもネガティブな文脈で使われる傾向が強いことを明らかにした研究です。

使われている手法自体はword2vecによる単語のベクトル化、コサイン類似度による類似度計算というシンプルなものですが、しっかりと目的に合った手法を選択して分析されている点が印象に残りました。

近年は深層学習を用いた研究が取り上げられることが多いですが、しっかりと目的に立ち返ったうえで手法を選択することが重要であると再認識しました。(学部4年 花野 愛里咲)

研究内容にご興味がありましたら、下記フォームからお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ:http://harmo-lab.jp/contact