調和系工学研究室の学生が卒業・修了いたしました

2025年3月25日(火)に北海道大学で学位記授与式が行われ、調和系工学研究室の学部4名、修士5名、博士1名が卒業・修了いたしました。
それぞれの道に進まれる皆さんの新しい門出を心よりお祝い申し上げるとともに、4月からの新しいステージでの活躍を期待しています。
卒業論文・修士論文発表会での発表スライドを本研究室のHP( http://harmo-lab.jp/?page_id=12485 )で公開しておりますのでぜひご覧ください。
研究内容にご興味がありましたら、下記フォームからお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ : http://harmo-lab.jp/contact



[ 調和系工学研究室卒業生・修了生の言葉 ]
本研究室で取り組んだ研究内容や、後輩へのメッセージ、今後の抱負についてのそれぞれの思いをご紹介いたします。

◆ 櫻 井 舜(学部4年)
― 取り組んだ研究内容
深層学習によるログ異常検知モデルを用いたサイバー攻撃検知に関する研究を行い,エンドポイントセキュリティのための過検知の少ないログ攻撃検知手法を作成しました.

― 研究室の仲間との思い出や、印象に残っていること
卒業論文の執筆や発表では,先生から多くのお力添えをいただきました.
ありがとうございます.
今回の経験を活かして,今後の研究活動に取り組みたいと思います.


◆ 帆井 健悟(学部4年)
― 取り組んだ研究内容
ステレオカメラを入力センサとして用いて、自車の加速度を出力とする自動運転のエンドツーエンドモデルの開発に取り組みました。

― 研究室で学んだことや、研究する上で大変だったこと
研究室では、先生や他のメンバーに自分の研究を説明する際に、「その説明の意義は何か」「説明の根拠は何か」を深く考える必要がありました。この経験は研究だけでなく、将来の人生においても重要なことだと感じ、非常に貴重な学びとなりました。また、研究発表においては、限られた時間で要点を絞った説明やスライド作成が特に難しかったです。

― 研究室の仲間との思い出や、印象に残っていること
卒論発表前には、研究室の方々にはスライド作成や研究の相談など、大変お世話になりました。ありがとうございました。


◆ 堀 駿也(学部4年)
― 取り組んだ研究内容
大規模言語モデルから生成したエージェントを複数体作成し、議論を行わせることである問題に対する推論制度を向上させるための研究を行っていました

― 研究する上で大変だったこと
研究テーマを決定することが最も大変でした。自分が興味のある分野と調和系でできそうなことを紐付け、どうやって実現するかということまで考えなくてはならなかったためです。

― 今後の抱負
今後はAIや情報系の技術と異なる分野で社会に出ることとなりますが、その場でも大学生活で培った知識や経験を活かして活躍していきたいです。


◆ 前嶋 瞭佑(学部4年)
― 取り組んだ研究内容
私は、俳句に関する自然言語処理についての研究を行いました。

― 研究室の仲間との思い出や、印象に残っていること
専門的な知見が不足している私を同じ研究テーマの先輩や同期にたくさんの助力を受け無事やり遂げることができました。研究には確かに必要な知識を身につけることも重要ですが、他者との関わりの中で得られるものの重要性もまた忘れてはならないと感じました。


◆ 阿部 晃平(修士2年)
― 取り組んだ研究内容
消費者が商品を比較する際に役立つ情報を提供することを目的として、衣服画像ペアを基にした比較文章の自動生成に関する研究に取り組みました。修士課程では、近年急速に発展している大規模視覚言語モデルを活用し、効果的な手法を開発しました。

― 研究室で学んだことや、研究する上で大変だったこと
学部から修士にかけて、論理的思考を徹底的に鍛えられたと感じています。本研究室では研究の意義が最も重視されており、「今取り組んでいることが何の役に立つのか」「その根拠は何か」といった問いを常に意識しながら研究を進める必要がありました。この考え方は、今後の社会人生活や日常生活においても大いに役立つと確信しています。

― 後輩たちに伝えたいこと
研究を進める中で、思うように進まなかったり、原稿や発表資料に対して先生から多くの指摘を受けて落ち込んだり、学会での質疑応答がうまくいかず悔しい思いをしたりすることがあると思います。しかし、周りには同じ思いや悩みを持つ仲間がたくさんいます。お互いに相談したり、励まし合いながら、ぜひ挑戦を続けてください。大変なことも多いですが、その分必ず得るものがあるはずです。


◆ 阿部 拓真(修士2年)
― 研究室で学んだことや、研究する上で大変だったこと
社会課題の本質を見極める部分を大切にする研究室なので、研究題材の選定にはかなり苦労しました。大変だった一方で、そこは社会に出てからも求められる要素です。それをこの研究室で鍛えることができたのは大きな経験でした。これから先社会に出てからも引き続き磨いていきます。今後の活躍にご期待ください。

― 後輩たちに伝えたいこと
少し話は変わりますが、近年入ってきている後輩たちは面白いことをやっている人が多くなってきています。その面白さが研究と掛け合わさって良い方向に爆発することを期待しています。今後の調和系工学研究室も皆さま何卒よろしくお願いいたします。


◆ 北野 勇太(修士2年)
― 取り組んだ研究内容
私は帝国議会の会議録をテキスト化するプロジェクトに関わったり、帝国議会や国会の会議録を利用して、可能の意味を持つ可能表現の使い方がどのように変化してきたかを分析する研究を行ったりしていました。

― 研究室で学んだこと
先輩方や先生方には研究内容や方針についてのアドバイスをいただいただけでなく、行った実験やそこから導き出される結論など、その場で説明するべきことをどのように説明するかということをご指導いただきました。
さらに情報系以外の分野での学会発表を経験し、聞き手に応じた説明の粒度を考える機会になりました。

― 今後の抱負
今年で学生生活には一区切りつきましたが、これからは社会人としての新たなスタートを迎えます。
今後も学び続ける姿勢を大切にしていきたいと思います。


◆ 後藤 健之介(修士2年)
― 取り組んだ研究内容
競輪における注目レースの選定と、LLMを用いたレース紹介記事の自動生成に関する研究に取り組みました。
株式会社チャリ・ロトの協力のもと、競輪ファンの意思決定を支援する実践的な研究に挑戦し、とても貴重な経験となりました。

― 研究室で学んだこと
研究を進める中で、協力の大切さを実感しました。
悩んで手が止まってしまうこともありましたが、研究室のメンバーと議論することで新たな視点が得られ、前進できることが何度もありました。
こうした経験を通じて、技術力だけでなく、チームで協力して課題を解決する力の重要性を学びました。

― 研究室の仲間との思い出
研究室では飲み会やイベントを通じて仲間との交流を深める機会がありました。最初は外部出身ということもあり、内部進学のメンバーと打ち解けるのに時間がかかりましたが、後半にはすっかり仲良くなり、楽しい時間を過ごすことができました。
特に、研究の合間に交わす雑談や、飲み会での何気ない会話が、いつの間にか貴重な思い出になっていました。もっと早くから積極的に話していれば良かったと後悔するほど、最後にはとても良い関係を築くことができたと思います。

― 今後の抱負
研究室での2年間を通じた経験を糧に、今後も成長できるよう頑張ります。


◆ 冨澤 峻己(修士2年)
― 取り組んだ研究内容
大規模言語モデル(LLM)を用いた俳句の評価・推敲と批評文の生成に取り組みました.

― 研究室で学んだこと
技術面では先生方や学生のサポートもあり,多くのことを学ぶことができました.また,対外発表の経験を通して,相手に自分の研究内容を適切に伝える方法についても学びました.

― 後輩たちに伝えたいこと
困ったら周りの学生や優秀な先生方に頼りましょう.

― 今後の抱負
本研究室を卒業した自覚をもって,これからも精進します.


◆ 森 雄斗(博士3年)
― 取り組んだ研究内容
私は介護者・被介護者のための自律走行機能を持つ歩行器に関する研究に取り組みました。日本の高齢化は年々進んでおり、新たな介護のあり方を検討する必要があります。そこで画像処理やロボット技術を活用して、新たな歩行補助具の提案を行いました。

― 研究室で学んだことや、研究する上で大変だったこと
達成したい課題やその背景情報を正確に伝える能力を鍛えることができました。特に公開論文説明会では、課題設定や課題解決の手法について、論理的でありつつ聞き手に納得感を与える必要がありました。これらは研究だけでなく、社会に出ても必要なスキルです。学生の立場でこのスキルを伸ばすことができたので、研究成果以外にも大きな価値があったと考えています。

― 後輩たちに伝えたいこと
調和系工学研究室は、学ぶチャンスが十分に用意されていますが、受動的な姿勢ではそのチャンスを掴むことができない場だと思います。能動的に取り組めば研究スタッフからも強力な支援を受けることができます。ぜひ学ぶチャンスを無駄にせず積極的に行動し、多くのことを吸収することで、より意義のある学生生活を送ってください。

― 今後の抱負
博士号の取得を通して多くのことを学びました。アカデミアから一度離れますが、この経験は研究以外の場面でも有意義なものだと考えています。社会人生活が始まっても、研究室で得た経験を活かして挑戦し続けていきます。