2025年3月17日~3月19日に京都大学 百周年時計台記念館にて開催された「第75回エンタテインメントコンピューティング研究発表会 (2025)」にて学生が研究発表を行いました。
[第75回エンタテインメントコンピューティング研究発表会 (2025)]◆ 冨澤 峻己, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲: LLMを用いた俳句の批評文生成とその評価
本論文では, 日本の伝統文芸である俳句に焦点を当て, 句会や俳句募集企画などに提出された作品に対して作成される作品の長所や出来栄えを評価する批評文の生成手法について述べる.
まず, 複数の俳句募集企画において最も優秀な作品に対して俳人が作成した批評文を分析した. 分析の結果, 俳句を適切に批評するための 8 つの要素が含まれることと, 同一企画における批評文の表現方法に多様性があることを確認した.
提案手法では, プロンプトベースの LLM を用いて, 俳句を入力として各要素の選択や構成順序の決定といったプロセスを段階的に踏むことで批評文を生成する.
生成文について俳人へのアンケート調査を行った結果, 俳句の長所や出来栄えを批評する文として適切であることが示された.
◆ 前嶋 瞭佑, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : LLMを用いたエージェントの俳句相互評価による句会構築
近年,大規模言語モデル(LLM)の発展に伴って芸術作品の自動生成・評価の研究が盛んに行われており,俳句においても,深層学習を用いた形式的・意味的特徴の再現やLLMによる評価・批評の試みがなされている.
これまでの研究では,俳句の生成や評価といった個別のプロセスに焦点が当てられてきたが,句会という場における創作者間の相互作用や社会的な創作活動の側面については十分な検討がなされていない.
本研究では,専門家の知見や実際の句会参加経験を活用し,マルチエージェントシステムによって句会を模擬的に実現するエージェント間の俳句相互評価を開発する.
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