山下先生の論文が “Intelligent Transport Systems for Everyone’s Mobility”に掲載されました

本研究室の山下先生の論文 “Increase of Traffic Efficiency by Mutual Concessions of Autonomous Driving Cars Using Deep Q-Network”が、2019年7月にSpringer から出版された “Intelligent Transport Systems for Everyone’s Mobility”に掲載されました。

本論文は調和系工学研究室とKDDI総研との共同研究の結果をまとめたものです。

著者
北海道大学大学院情報科学研究科 山下 倫央、小川 一太郎、横山 想一郎、川村 秀憲
KDDI総合研究所 酒徳 哲、柳原 正、大岸 智彦、田中 英明

要旨
近年、さまざまな研究機関や企業で自動運転技術が盛んに開発されており、自動運転車が安全に運転できるかどうかを確認するために公道で多くの実験が行われている。
しかし、自動運転車両の群制御に関する研究は少ない。
本研究では、 自動運転車両の群制御に向けて、Deep Q-Network(DQN)を用いた自動運転車の「ゆずりあい」を提案する。
ゆずりあいは、ある車両が他の車両に道を譲る場合もあれば、他の車両に道を譲られる場合もある。
ゆずりあいが交通効率に与える影響を検証するために、電動ラジオコントロールカー(RCカー)を用いた実験環境を構築した。
この実験環境は、赤外線LEDマーカーとRaspberryPi3 を搭載したRCカー、各RCカーの赤外線LEDマーカーを撮影する位置推定用の赤外線カメラ、Wi-Fiを介してRCカーを制御用のPC、ラウンドアバウトを含む 6 m四方の走行路で構成される。
DQNは、他の車の状態に基づいてロータリーの速度を決定する意思決定メカニズムに適用された。 実験環境における検証の結果、DQNを用いてラウンドアバウトでのゆずりあいが獲得されること、ゆずりあいにより交通効率が向上することが確認されて、ゆずりあいの有用性を示した。

[Springer Link]
https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-981-13-7434-0_20