調和系工学研究室の学生が卒業・修了いたしました

2024年3月25日(月)に北海道大学で学位記授与式が行われ、調和系工学研究室の学部2名、修士3名、博士1名が卒業・修了いたしました。
それぞれの道に進まれる皆さんの新しい門出を心よりお祝い申し上げるとともに、4月からの新しいステージでの活躍を期待しています。
卒業論文・修士論文発表会での発表スライドを本研究室のHP( http://harmo-lab.jp/?page_id=12485 )で公開しておりますのでぜひご覧ください。

研究内容にご興味がありましたら、下記フォームからお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ : http://harmo-lab.jp/contact

2023年度卒業・修了式



[ 調和系工学研究室卒業生・修了生の言葉 ]
本研究室で取り組んだ研究内容や、後輩へのメッセージ、今後の抱負についてのそれぞれの思いをご紹介いたします。

◆ 上前 諒輔(学部4年)
― 取り組んだ研究内容
大規模言語モデルを使用して、与えられた文章をマニュアルに適した可読性の高い表現に修正する研究をしました。

― 研究室で学んだことや、研究する上で大変だったこと
課題解決のために何をすべきかを深く考えることが研究の中で特に大変であったと思います。

― 研究室の仲間との思い出や、印象に残っていること
先生や先輩方には、卒業論文の執筆やスライド作成などで大変お世話になりました。
ありがとうございます。


◆ 古田 悠華(学部4年)
― 取り組んだ研究内容
研究では、印象を表す言葉を元に衣服画像を作成する、対話型の衣服画像生成システムの開発を行い、衣服の想像の支援や個人の好みを反映した衣服のデザイン画を専門家以外が作成する場合の支援に取り組みました。

― 研究室で学んだこと
研究室では、先生方から、研究内容だけではなく、言葉の使い方やスライドの構成などの研究を他者に説明する方法についても教えていただきました。
また、研究や開発の経験がなかったため、目覚ましい勢いで進化する画像生成AIの技術に対応しながら研究を進めるのは大変でした。

― 今後の抱負
近年の生成AIの発展は著しく、最新の技術を追い続けることは難しいですが、専門分野として研究を行う以上、能動的に情報を収集し、学ぶ必要があると思っています。
学部での経験を生かして、多くのことを吸収しながら修士での研究に取り組んでいこうと思います。


◆ 大倉 博貴(修士2年)
― 取り組んだ研究内容
北海道の除雪業務における課題の解決に取り組みました。
株式会社堀口組の協力のもとで実社会に必要な研究として、やりがいを感じながら取り組むことができました。

― 研究室で学んだこと
共同研究を通して大学外のコミュニティの方とつながりを持てたことが大きな学びになりました。
研究に限らず問題解決に必要なプロセスや資金の流れを学ぶことができました。

― 研究室の仲間との思い出
普段のゼミがオンラインと対面のハイブリッド形式で開催されていたため、イベントごとで大人数の学生が集まる際はとても楽しかったです。
特に夏のニセコ合宿ではレクやバーベキューを通してより仲を深めることができました。
また同期は、就職活動や修士論文発表の際に協力し乗り越えることができたため、とても思い出に残っております。


◆ 清水 雅之(修士2年)
― 取り組んだ研究内容
私は主に配送計画問題への適用を想定して、高速にかつ多様なドライバーの経路選択時の選好を反映した経路探索を実現できる階層化ネットワークの開発に取り組みました。

― 研究室で学んだことや、研究する上で大変だったこと
私の研究は、研究室内では全く新しい研究であったため、研究の方針決めや論文調査、学会参加にあたる論文執筆やスライド作成に至るまで一から考えなければならなかったことはとても大変であり、研究が辛いと感じることもありましたが、研究室のメンバーや先生方からの献身的なサポートのおかげで無事に修士課程を修了することが出来ました。

― 後輩たちに伝えたいこと
研究は自分一人で行うものではなく、周りの人と助け合いながら進めていくことがとても大切であると思うので、困ったことがあったら一人で抱え込まずに積極的に周りの人を頼ってください。


◆ 千坂 知也(修士2年)
― 取り組んだ研究内容
シフト勤務制の職場を対象として、欠勤者が発生した際における代わりの出勤者の選定方法に関する研究を行っていました。
具体的には各従業員への代替出勤依頼の依頼順に着目し、従業員のパラメータや過去の勤務履歴などから算出される数値をもとに従業員への依頼順決定方法の構築を目指す研究を行っていました。

― 研究室で学んだこと
研究室で学んだことは、研究への取り組み方と課題を分析することの重要性、自身の研究内容を発表資料などを用いて伝える能力です。特に、学会等の発表内容をスライドにおこし、まとめる能力に関しては、まだまだ成長していかなければならない部分はあるものの、飛躍的に向上したと感じています。
どのような分野にいくにせよ、必要に迫られることのある能力だと思うので、学ぶことができとても良かったです。

― 研究室の仲間との思い出、印象に残っていること
コロナによる外出制限などが緩和された修士2年でのイベントがやはり印象に残っています。
特に8月のニセコ合宿はラフティング、バーベキュー、温泉など、いくつもの楽しいイベントがあったため、思い出深いです。
また、北大は道外出身の学生が多く、今まで聞いたこともないような人生を歩んできている学生たちと話せたことが思い出に残っています。

― 後輩たちに伝えたいこと
どうしても自分の反省点と被ってしまうのですが、やはり「自身の研究の社会的影響力の大きさ」を綿密に考えるべきだと思いました。
おそらく学生の身空だと世の中にどのような課題があるのか、どのようなニーズがあるのか、最初は考えたことがない人がほとんどだと思います。
しかしながら、研究そのものの価値を図る指標としては、限られた時間のなかでどれだけ多くの人の役に立つものを作り出せているかが第一になるのだと思います。
だからこそ課題そのものの分析と、その解決に対するコンピュータサイエンスを用いた適切なアプローチについて考えていくべきです。
これらのことを考えていく場合、時間の使い方と疑問点の解決法という部分が大事になってくるかと思います。
修士課程の場合、やはり2年という時間は短いです。ましてや就活など別のイベントもあります。
時間の使い方に関して、経験豊富な諸先生方、先輩方の意見を参考にしつつ考えてみてください。
また、疑問点を解消するために能動的に動くということも重要です。
調和系工学研究室には本当に頼りになる先輩方と先生方がいらっしゃいます。
普段のゼミのみならず、chatwork、slackなど様々な媒体を用いて、疑問点の解決や自分なりの考えを臆せず伝えられるようになるべきだと思います。
最後に研究のみならず、人生観や趣味、AI技術が発展し続けている情報社会をどうとらえているかなどを先生方や研究室の学生たちと共有することも大事だと思います。
多種多様な価値観を共有し、学ぶことで人間としての幅が広がるような気がしています。

― 今後の抱負
私は実際に経験し、得た知識のみしか自分の能力にはならないと思っています。
就活の時には色々なことを考えて会社を選ぶかと思いますが、結局のところ入ってみなければ具体的な仕事内容のことも分からないと思っています。
だからこそ能動的に動き、少しでも多くの経験を増やしていくことを目標に頑張っていきたいと思います。
この研究室で経験したことは本当に自分自身にとって大きな糧となりました。自分自身の幸福も考えつつ、少しでも周りに自身の経験を還元できるような影響力のある人間になることを目指して行きたいと思います。


◆ 吉田 拓海(博士3年)
― 取り組んだ研究内容
私はユーザの意思決定における有用なテキスト情報の生成に関する研究に取り組みました。
具体的には、公営競技の一つである競輪を対象として、機械学習によるレース展開の予測と予測に基づくテキスト情報の生成、個人化されたテキスト情報の有効性の検証を行いました
本研究は株式会社チャリ・ロト様との共同研究であり、研究成果の一部は「AI競輪 (https://ai.chariloto.com/)」として実運用されています。

― 研究室で学んだことや、研究する上で大変だったこと
説得力の重要性。
研究は課題設定や課題解決の手法など様々な選択によって構成され、これらの全ての選択に対して説得力のある説明が求められます。

― 研究室の仲間との思い出や、印象に残っていること
もう5,6年ほど前の話になりますが、学部・修士のころの同期と参加した学会や、同期と取り組んだプロジェクトなどが印象に残ってます。

― 後輩たちに伝えたいこと
研究室での生活を楽しんでください。

― 今後の抱負

博士号の取得をゴールにはせず、今後も研鑽を積んでいきます。