修士論文発表会が行われました

2月10日(金)に修士2年生 7名の修士論文発表会が行われました。
皆さんお疲れさまでした。

◆ 赤坂 駿斗
競輪におけるレーティングシステムを用いた予想記事生成に関する研究
A Study on the Generation of Prediction Articles Using a Rating System in Bicycle Racing

概要:本研究では,競輪のレース結果予測の初心者が車券を購入する際の意思決定を補助することを目的として,レース結果を予測して,予測結果を用いた選手紹介文を生成するシステムを構築する.選手の戦績から的確に反映する特徴量を算出する手法として,多数人の同時対戦を考慮した拡張イロレーティングシステムを提案して,競輪のレース結果予測に適用する.実際の競輪のレース結果を用いた検証実験において,既存のレース結果予測手法に比べて,拡張イロレーティングシステムを用いることで予測精度を向上可能であることを確認した.さらに,拡張イロレーティングシステムを紹介文生成に用いることで,既存の手法に比べて,初心者の車券購入により有用な文章を生成可能であることを示す.

― 発表を終えて
私は修士からお世話になり、初めは研究室生活を送る上で学部のものと雰囲気の違い等を感じていました。その上で本発表ができたことは、先生方や先輩方の指導や研究室メンバーのサポートのおかげであり、感謝しています。これからは調和系工学研究室で学んだことを活かして社会に貢献します。

◆ 西 佑希
マルチエージェント深層強化学習による自動運転車両の追越行動の獲得に関する研究
A Study on Acquisition of Overtaking Behavior of Automated Vehicles by Multi-Agent Deep Reinforcement Learning

概要:マルチエージェント深層強化学習を用いて、自動運転車の追越行動の獲得をしました。片側1車線の道路で低速走行車、追越車、対向車が存在する状況において、シングルエージェントの学習では困難な協調的な走行を学習させました。学習後の走行とルールベースの走行をシミュレータを用いて比較し、走行効率性と安全性を検証しました。

― 発表を終えて
大変なことが多かったですが、先生や先輩後輩の皆さんに支えていただいて発表を終えることができました。研究を通して学んだことは社会人になっても活かしていきたいです。

◆ 平田 航大
深層自己回帰モデルを用いた俳句の生成と評価に関する研究
A Study on Haiku Generation and Evaluation Using a Deep Autoregressive Model

概要:本論文では、人工知能による創作の第一歩として俳句、その中でも特に一般的な有季定型句を対象とし、深層学習モデルを用いた生成と評価を行う。既存の俳句や日本語テキストを用いてモデルを学習し、俳句生成器を構築する。また、作成したモデルの俳句生成器としての性能を評価するために、俳人による評価済みの俳句からなる評価用データセットを作成して、有季定型句の生成における各モデルの性能を比較する。
評価用データセットの作成においてはまず、有季定型句の評価項目として句会における評価方式と俳句内の句節のつながりに着目し、これらを段階的評価の階層構造として定義した。定義した階層構造に基づくラベル付けを複数の俳人に依頼し、モデル間の性能評価に用いる。また、各モデルが生成した文字列に対するアンケート調査を行い、現状のモデルの到達点を明らかにする。

― 発表を終えて
研究を見ていただいた先生方や先輩方、いろいろなお手伝いをしていただいた研究室のメンバーにはとても感謝しています。修士課程での経験をもとに、これからも精進していきます。

◆ 三浦 颯太
灯油タンク内の液面高計測を用いた灯油残量推定システムに関する研究
Research on Kerosene Residual Volume Estimation System Using Liquid Level Height Measurement in Kerosene Tanks

概要:近年,家庭への灯油配送においてリモートセンシング化が進んでおり,灯油タンク内の残量計測が可能な通信型レーザセンサの開発が進んでいる.しかし,屋外にある灯油タンクにセンサを設置するため計測環境が不安定で,コスト面から導入可能なデバイスの性能にも制約があるため,センサの故障や異常値の計測が多く発生する.このような背景を踏まえて,本論文では,センサを管理・運用するための運用手法の確立を目的として,2つの異常検知手法と1つの残量推定手法を提案し,実データを用いた有効性の検証を行う.

― 発表を終えて
無事に修論発表を終えられたのは,共同研究先の企業の方や先生方,研究室のメンバーによるサポートのおかげだと思ってます.修論課程では苦しい場面が何回もありましたが,最終的に自分が納得できる修士論文を完成できてよかったです.

◆ 右田 幹
衣服印象推定に基づく衣服推薦情報提示システムに関する研究
A Study on Clothing Recommendation Information Presentation System Based on Clothing Impression Estimation

概要:衣服の選択において,他人に与える印象を考慮してトップスとボトムスをどのように組み合せるか決めることは重要である.一方で,場面ごとに衣服が適切な印象を与えるかを判断することは簡単ではない.さらに,適切でない場合の代替案の決定も困難である.本稿では,着衣人物画像に対して衣服の印象評価と推薦を通じて衣服の組み合わせを提案する衣服推薦情報提示システムを開発した.カメラによりユーザーの全身画像を撮影し,衣服領域を抽出する.抽出画像に対し推定された印象をユーザーに提示する.さらに,上下のコーディネートが適切であるか考慮した上で推薦する組み合わせを決定する.ユーザーに対するアンケート調査を実施して,本システムの有効性を確認した.

― 発表を終えて
修士課程の中で、苦難ばかりで自分の未熟さを思い知らされることが多々ありました。このような状況で最後の発表までやりきれたのは、先生方や毎週研究の様子を見てくださった先輩をはじめ、研究室の仲間がいたからこそだと思います。また、勉強になったこともたくさんありました。それらをこれからの人生に役立て、今までお世話になった方々やこれから出会う方々に恩返しできるように精進していきます。

◆ 鐘 支俊
深層学習を用いたバス乗客画像の属性推定に関する研究
A Study on Attribute Estimation of Bus Passenger Images Using Deep Learning

概要:A method for attribute estimation utilizing multiple images of the same passenger is proposed in this paper. Passenger attributes such as age group and gender are inferred by the Swin- Transformer-based algorithm. To evaluate the performance of the proposed approach, a bus passenger dataset is collected from cameras installed at bus entrances and exits. Experimental results on the collected dataset indicate that our proposed algorithm achieves high accuracy in most attribute categories and proves its effectiveness.

― 発表を終えて
先生方、先輩方のご指導のおかげで修論発表を終えることができました。この2年間の留学で学んだことを生かして、これからも日々精進し、成長して行きたいと思います。

◆ 劉 兆邦
灯油配送計画の最適化における世帯消費量推定に関する研究
A Study on Estimation of Household Kerosene Consumption for Optimization of Delivery Plan

概要:Kerosene is a very important source for heating in many areas. In cold regions of Japan, delivery companies regularly visit household oil tanks to replenish them so that they do not run out of fuel. However, it is hard to make a good delivery plan, since the delivery companies do not know how much kerosene is left in the kerosene tank. And most of the existing methods about energy consumption estimation are focused on one target. Little work has been done in kerosene consumption with many users. We present Deep learning based model to estimate the consumption and mean consumption of one time span. The model includes time series augmentation to extract more information from the time span and attention mechanism to extract inner connection between each time step. The experimental results indicate that our proposed approaches have MAE around 50L for refuel recordings and MAE around 4L for daily consumption. In order to evaluate our model in a realistic way, the estimation result is applied to an inventory routing algorithm. The result using our estimation is close to the result using real consumption data.

― 発表を終えて
修論を準備する二、三ヶ月は大変だけど、研究室のメンバーと一緒に頑張ることは大切な経験です。また、色んなアドバイスをもらって、今後の人生にも役立つと思います。手伝ってくれた人には心から感謝いたします。

研究内容にご興味がありましたら、下記フォームからお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ:http://harmo-lab.jp/contact
ご意見・ご感想もお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。