修士2年の森雄斗さんの論文「Development of an autonomous forearm-supported walker for nursing facilities」が、Artificial Life and Roboticsに掲載されます。
本研究は、株式会社サンクレエと調和系工学研究室で進めている電動アシスト歩行器に関する研究となり、AIやロボティクスなどを含めた記事が多数掲載されている科学技術系ニュースサイト「TechXplore」(https://techxplore.com/news/2021-10-autonomous-forearm-supported-walker-patients-nursing.html)にて取り上げていただきました。
著者:森雄斗、横山想一郎、山下倫央、川村秀憲、加藤士雄、森正人
要旨:医療や介護の技術進歩などによって、高齢化が進んでいる。それに伴い、高齢者が生活において介護者からの支援や介護を必要とする機会が増えている。同時に介護人材不足も大きな課題となり、介護課題を解決するシステムが多く研究されている。
本研究では、介護者の助けを借りずに単独で歩行器を利用できる人を対象とした自律走行可能な前腕支持型歩行器を開発する。搭載する主な機能は、利用者の体重の支持、歩行の負担を減らすための歩行支援、目的地への自律走行の 3 種類である。これらの機能により、介護者が歩行介助を行う際の両者の負担を軽減することができる。
実験では提案する歩行器の歩行支援機能を用いて、直進時の支援の度合いを確認した。被験者の下肢の筋活動量を測定することで、歩行支援機能の効果を確認した。また、被験者と中心とした 90 度旋回や前進時の自己位置推定の結果から、自律走行機能の精度を確認した。さらに、目的地を設定したルート走行実験を行い、走行ルートから大きく逸脱することなく走行できることを確認した。
Yuto Mori, Soichiro Yokoyama, Tomohisa Yamashita, Hidenori Kawamura, Norio Kato & Masato Mori : Development of an autonomous forearm-supported walker for nursing facilities, Artificial Life and Robotics (2021)
https://link.springer.com/article/10.1007/s10015-021-00698-8