人工知能学会論文誌2024 年 39 巻 6 号に学生の論文が掲載されました

人工知能学会論文誌2024 年 39 巻 6 号に本研究室の大江 弘峻さん(博士3年)の論文が掲載されました。

◆ 大江 弘峻,横山 想一郎,山下 倫央,川村 秀憲,多田 満朗:灯油配送計画問題の定式化とローリングホライズン方式を用いたヒューリスティックの提案,人工知能学会論文誌,2024 年 39 巻 6 号 p. AG24-B_1-15 https://doi.org/10.1527/tjsai.39-6_AG24-B

タイトル:
灯油配送計画問題の定式化とローリングホライズン方式を用いたヒューリスティックの提案
Formulation of Kerosene Routing Problem and a Rolling-Horizon Approach Based Heuristic

概要:
Kerosene delivery is a service that regularly supplies kerosene to household tanks to prevent them from runningdry. Delivery companies create kerosene delivery plans to maintain tank levels and implement deliveries based onthese plans. We formulate the Kerosene Delivery Planning Problem (KRP) and propose a solution method that utilizesa problem partitioning approach through the rolling horizon approach, combined with a hybrid method named HAIRthat integrates tabu search and integer programming. From experiments on parameter search, it was confirmed that thevalue ofMaxIter for HAIR should be set as a priority. Furthermore, in experiments targeting a single season, it wasobserved that the evaluation value of the proposed method improves by about 10% compared to the evaluation valuecalculated from actual delivery records. It was also confirmed that the parameters of the rolling horizon approach,specifically W and S, should be prioritized.

灯油配送は,家庭に設置された灯油タンクの残量を切らさないように定期的に配送するサービスである.配送業者は,灯油タンクの残量を保つために灯油配送計画を作成し,計画に基づいて配送を実施する.本論文では,灯油配送計画問題 (KRP) を定式化し,解法として,ローリングホライズン方式による問題分割手法とタブーサーチと整数計画法を組み合わせたマスヒューリスティクスであるHAIRを用いた手法を提案した.パラメータ探索実験より,HAIRのパラメータについてはMaxIterの値を優先的に設定すべきであることが確認され,他の3つのパラメータについては,設定値の変更によって解の評価値や実行時間が増減するといった傾向が生じないことが確認された.また,1シーズンを対象とした実験では,実際の配送履歴から算出した解の評価値と比べて提案手法の評価値は1割程度良くなることが確認された.パラメータについては,ローリングホライズン方式のパラメータであるW,Sを優先的に設定すべきであることが確認され,これらの値を増加させることによって移動距離が削減されることが明らかとなった.
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