harmolab148/川村教授のエッセイ「AI 進化の衝撃:変革する教育と仕事の未来、そして人間性の再定義」&学会参加レポートをお届けします(2025年7月4日配信)

こんにちは。
北海道大学調和系工学研究室(川村秀憲教授、山下倫央准教授、横山想一郎助教)です。
札幌でも蒸し暑い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今年の夏は全国的に気温が高くなるようですね、どうぞ体調にお気をつけてお過ごしください。

さて、2025年6月に発行された株式会社ドーコンの「DOCON Report (Vol218 2025)」に、川村教授のエッセイ「AI 進化の衝撃:変革する教育と仕事の未来、そして人間性の再定義」が掲載されました。
本メルマガでもその内容を2回に分けて紹介します。

ChatGPTに代表される大規模言語モデル(LLM)の性能は日々向上しています。
本エッセイでは、特にAIの論理的思考能力の進化が、私たちの社会にどのような重要な意義をもたらすのかについて、川村教授が深く考察しています。
興味のある方はぜひお読みになってください。

それでは、本日もどうぞよろしくお願いいたします。

2025年7月4日配信
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■ 本日のTopics
【1】川村教授のエッセイ「AI 進化の衝撃」
【2】学会参加レポート
【3】研究室に関連する企業・ベンチャー等のニュース
【4】人工知能・ディープラーニングNEWS
【5】調和系工学研究室関連企業NEWS
【6】AI川柳
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【1】川村教授のエッセイ「AI 進化の衝撃」
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◇ AI 進化の衝撃:変革する教育と仕事の未来、そして人間性の再定義

1.はじめに

前回のエッセイでは、現代社会に大きな変革をもたらしている人工知能(AI)の基本的な仕組み、特に自然言語処理において目覚ましい成果を上げているChatGPT に代表される大規模言語モデル(LLM)が、いかにして高度な文章生成能力を獲得するのかについて、その基礎的な部分を解説した。

ここで改めてその要点を簡潔に振り返ると、LLM は人間の脳の構造を模倣したニューラルネットワーク(NN)を基盤としており、人間が作成した膨大な量の文章を教師データとして学習することで、与えられたテキストの後に続く適切な文章を予測する能力を習得する。

学習の過程において、NN は文法的な規則性、単語間の意味的な関連性、そして文章全体の流れといった複雑なパターンを自律的に捉える。

学習が完了した後、この訓練されたNN に対して質問文を入力すると、その質問に続く自然な回答を、まるで人間が思考し発話するように生成することができる。

LLM が質問に対する適切な回答を、あたかも文章の続きを予測するかのように生成するメカニズムこそが、人間と遜色ない、あるいはそれ以上の高度な出力を可能にする核心的な要素なのである。

しかしながら、人間が作成した文章の単なる続きを予測するという学習方法だけでは、あらゆる種類の問いに対して常に適切かつ正確な回答を生成できるとは限らない。

LLM の潜在的な弱点として広く認識されているのは、数学の問題に代表されるような、厳密な論理的思考や段階的な推論プロセスが不可欠となる問いへの対応能力である。

論理的な思考に基づいて正しく結論を導き出すためには、個々の事実認識、演繹的な推論、そしてそれらの連鎖を正確に組み立てる能力が要求される。

小説やニュース記事といった、文脈や感情、一般的な知識が重要となる文章の続きを予測するのと同じアプローチでは、高度な論理的思考を必要とする問題に効果的に対処することは容易ではない。

しかし、この課題認識は、決してLLM の技術進歩が停滞していることを意味するものではない。

むしろ、この弱点を克服するための革新的な研究開発が活発に進められているのである。

その顕著な例として、OpenAI は論理的思考が不可欠となる複雑な問いに対処するために、従来のChatGPT のアーキテクチャを基盤としつつ、「推論トークン」と呼ばれる新たなメカニズムを導入したo1 という先進的なモデルを昨年9 月に発表した。

この革新的な仕組みでは、ChatGPT 自身が与えられた質問に対して生成した回答の妥当性を、内部的に何度も検証し、自己批判的に確認するプロセスを経ることで、その論理的な推論能力を著しく向上させている。

従来のモデルであるGPT-4o が、創造的な文章の執筆、多様なテキストの編集、そして文章の校正といったタスクにおいて優れた性能を発揮するのに対し、o1 は科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)といったSTEM 分野をはじめとする、高度な論理的思考を必要とする専門領域、さらには複雑なコーディングやソフトウェア開発といった分野において、その潜在能力を最大限に引き出すことが期待されている。

このo1 の驚異的な能力を示す事例として、AIME(American Invitational Mathematics Examination)と呼ばれる、アメリカの優秀な高校生が招待制で挑戦する極めて難易度の高い数学の試験を受験させた実験結果が報告されている。

その結果は、驚異的な正解率93%を記録し、これは全米の上位500 人に相当するだけでなく、米国数学オリンピック(USAMO)の選抜基準を優に上回る目覚ましい成績であったと報告されている( https://openai.com/ja-JP/index/learning-to-reason-with-llms/ )。

さらに、GPQA(A Graduate-Level Google-ProofQ&A Benchmark)と呼ばれる、化学、物理学、生物学といった専門分野に関する非常に難解なベンチマークテストを受験させた結果も公表されており、なんと博士号を持つ人間の専門家の平均的な成績を凌駕するという驚くべき結果を示している。

これらの事例が示すように、LLM の技術革新の波は決して止まることなく、むしろその勢いを増している。近年では、テキスト情報のみならず、音声、画像、音楽といった多様な種類の情報を統合的に処理し、理解する能力、すなわちマルチモーダルな情報を取り扱う能力が急速に進化している。

これは単にLLM の個々の性能が向上しているという段階を超え、AI が現実世界の複雑な情報をより深く理解し、それに基づいて行動する能力を獲得しつつあることを示唆している。

いよいよAI の実力が、私たちの社会のあらゆる側面を根底から変革する明確な兆しが見え始めていると言えるだろう。

本稿では、このような目覚ましいLLM の性能向上、特に論理的思考能力の進化が、私たちの社会にどのような重要な意義をもたらすのかについて、深く考察してみたい。


2.AI の実力と教育の意義

OpenAI が2022 年11 月に画期的な自然言語処理モデルであるChatGPT を一般公開してから、およそ2 年半の歳月が流れた。

公開当初、ChatGPT の応答は、時に不自然な表現を含んでいたり、事実に基づかない不正確な情報を提供する場面も見受けられたが、この比較的短い期間におけるその性能向上は、目覚ましいの一言に尽きる。

その驚異的な性能向上を具体的に示す分かりやすい事例として、株式会社LifePrompt が実施し、その詳細な結果を公開している「ChatGPT に大学入学共通テストを受験させてみた」という実験レポートが挙げられる( https://note.com/lifeprompt/n/n02c40e908130 )。

この詳細なレポートによると、およそ1 年前の2024 年1 月時点において、ChatGPT が大学入学共通テストの主要科目に挑戦した結果、その得点は100 点満点換算で平均66 点というものであった(内訳としては、英語リーディングが87 点、国語が62 点、数学I A が35 点、数学II BCが55 点、世界史B が88 点、日本史B が68 点、理科基礎が88 点)。

しかし、驚くべきことに、わずか1 年後の2025 年1 月に同様の実験を行ったところ、その平均点は91 点という驚異的な数値にまで急上昇している(内訳は、英語リーディングが98 点、英語リスニングが93 点、国語が94 点、数学I A が80 点、数学II BC が93 点、世界史B が97 点、日本史B が79 点、理科基礎が93 点、そして新たに加えられた情報I が92 点となっている)。

一般的に、大学入学共通テストの受験生の平均点が例年60 点台前半で推移しており、難関とされる東京大学の受験における目安得点が80 点以上であることを考慮すると、このわずか1 年の間に、ChatGPT は大多数の人間受験生を大幅に凌駕する学力レベルに到達したと言わざるを得ない。

もちろん、大学入学共通テストの成績を人間の総合的な知的能力の唯一の指標として捉えることには、議論の余地があるだろう。

試験の形式や評価方法には限界があり、創造性や問題解決能力といった、テストでは測りにくい重要な能力も存在する。

しかしながら、AI が多くの人間の受験生の学力を明確に超えるという客観的な現実は、これまで人間とAI の関係性を規定してきた根本的な前提を揺るがし、両者の間に新たな力学を生み出す可能性を秘めている。

受験生の視点に立ってこの現実を考えると、小学校、中学校、高校の12 年間にわたって積み重ねてきた努力の結晶である勉強の成果が、自身のポケットに収まるスマートフォンのAI アプリケーションによって容易に凌駕されてしまうという事実は、重く受け止めざるを得ないだろう。

これまでは、AI の能力が人間の知的活動の多くの側面において明確に優位に立つことはなかったため、人間とAIの間の競争という構図は、現実味を帯びていなかった。

しかし、今後は、少なくとも知識の習得とそれを評価する試験という土俵においては、AI が人間を凌駕することが常態化する可能性が高い。

このような状況の変化は、「12 年間もの長い期間、学校で学ぶことの意義とは一体何なのか?」という根源的な問いを私たちに突きつけることになる。

人間が多大な時間と労力を費やして習得する知識や技能が、AI を適切に活用すれば瞬時に、そしてより正確に得られるのであれば、子どもたちは従来の学校教育の意義を根本から再考するだろう。

特に、知的好奇心が旺盛で優秀な子どもほど、「AI には代替できない人間の能力」や「AI を積極的に活用することで新たに生み出すことができる価値」にこそ真の意義を見出し、既存の教育内容や学習方法に対して、より主体的な再定義を求めるはずである。

同時に、教育の現場に立つ教師や学校側も、自分たちが教えることの意味、そして教育機関が果たすべき役割について、これまで以上に深く考え、変革を迫られることになるだろう。

一方、そのような新しい価値観を持つ子どもたちが社会に進出することで、社会全体の評価軸にも大きな変化が起こるだろう。これまで多くの企業や社会は、「良い大学に入学した人は優秀である」という学歴を重要な能力の指標として重視してきた。

つまり、入学試験の点数が、個人の能力を測るための簡便な指標として広く利用されてきたわけだ。

しかし、AI が人間を容易に超える試験の点数を獲得する時代が到来すると、社会は必然的に「テストの点数」という従来の評価基準に限界を感じ、「テストでは定量的に測ることが難しい、より本質的な人間の能力」を評価せざるを得なくなる。

日本の教育システムは、これまで主に「あらかじめ用意された決まった正解が存在する問いに対して、正確かつ迅速に解答する能力」を中心として育成してきた。

しかし、今後、この種の知識や理解を問う問題は、AI に任せた方が圧倒的に効率的かつ正確になる可能性が高い。

そのため、これからの教育においては、むしろ「決まった正解が一つとは限らない複雑な問い」や、そもそも「問いそのものを自ら発見し、設定する能力」、そして「高度なAI を効果的に活用しながら、複雑で曖昧な現実世界の問題に柔軟に対応する能力」が、より一層重要な意味を持つようになるだろう。

実際の社会において、私たちは「決まった正解のない問い」に対して、常に判断を下し、行動を起こすことを求められる。上司からの指示や、これまで慣例として行われてきた方法が、必ずしもその状況における最善の策であるとは限らない場面に頻繁に遭遇する。

そのような状況においては、自らが問題の本質を見抜き、適切な問いを設定し、既存の枠にとらわれない創造的かつ柔軟な解決策を導き出す能力が不可欠となる。

今後は、高度なAI をあたかも有能なアシスタントのように巧みに活用しながら、これらの曖昧で複雑な問題に主体的に対応できる能力が、社会においてさらに重要な価値として認識され、重視されるはずだ。

ここで提示したのは、あくまで学校教育や受験テストという特定の領域におけるAI の驚異的な進歩の一端に過ぎない。

しかし、AI の潜在的な可能性は、この範囲に留まるものではない。

例えば、これまで長年にわたって人類が解決できなかった未解明の科学的課題を、AI が驚くべき速さで解決する事例も、世界中で次々と報告されている。

実際、ある微生物学者が10 年以上の歳月をかけても解明できなかった複雑な問題を、Google が開発したAI ツールがわずか2 日間で解決したという驚くべき事例( https://www.bbc.com/japanese/articles/ceqjndj9dy4o )や、AI が完全に自律的に作成した科学論文が、機械学習分野における世界的に権威のあるトップ学会で厳正な査読プロセスを見事に通過し、掲載されたという画期的な事例( https://sakana.ai/ai-scientist-first-publication-jp/
なども存在する。

「シンギュラリティ(技術的特異点)」という概念は、一般的に、人間の知能とAI の知能が質的にも量的にも同等レベルに到達し、その後、AI が自律的に自己進化を繰り返すことで、人間の予測を遥かに超える知能を獲得する時点を指している。

著名な未来学者であるレイ・カーツワイル博士は、このシンギュラリティの到達時期を2045 年と予測していたが、近年のAI 技術の驚異的な進歩を考慮すると、その到来が彼の予測よりもさらに早まる可能性も、現実味を帯びて指摘されている。

私たちは今、人間としての根源的な価値とは何かを改めて深く見つめ直し、高度な知能を持つAI と共存していく未来社会のあり方について、真剣に議論し、その方向性を熟慮し、再構築していく必要に迫られていると言えるだろう。
(次号に続きます)

※ 本エッセイは、「DOCON Report (Vol218 2025)」に掲載されています


【2】学会参加レポート
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◇ 2025年度 人工知能学会全国大会 (第39回)にて学生が発表しました

2025年5月27日~5月30日に大阪国際会議場(グランキューブ大阪)/オンライン(ハイブリット)にて開催された「2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)」に本研究室より、鎌田 理久さん(修士2年)、上前 諒輔さん(修士2年)、野村 爽太さん(修士2年)、帆井 健悟さん(修士1年)、が参加し、研究発表を行いました。

[2025年度 人工知能学会全国大会 (第39回)]


◆ 鎌田 理久, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲: 路面画像と気象情報に基づく L1 正則化を活用した除雪出動予測, https://doi.org/10.11517/pjsai.JSAI2025.0_2O1GS1002

積雪地帯における冬期の道路除雪業務は,道路交通や生活インフラを維持するうえで欠かせない.
しかし,除雪出動の判断は気象や道路状況の変化に大きく左右されるため,担当者が下した判断が覆る場合もしばしば発生し,除雪作業員に不確実な出動への備えを強いるだけでなく,担当者にも心理的負荷を与えている.
本研究では,この課題を解決するために,路面画像と多様な気象情報を統合し,L1正則化による特徴量選択を活用した除雪出動予測手法を提案する.
具体的には,1時間単位の気温や降雪量,風向といった質的・量的データを含む膨大な候補から,モデル学習に有効な特徴量を自動的に選択することで,高精度な予測を可能にする.
実験では,担当者の判断や従来のロジスティック回帰モデルと比較して,本手法がより高い予測精度を示すことを確認した.


◆ 上前 諒輔, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲, 永田 功 : 大規模言語モデルを用いたマニュアル向け文章の分類および順序付け手法の提案, https://doi.org/10.11517/pjsai.JSAI2025.0_4A1GS1004

マニュアルの作成において、利用者が必要な情報を円滑に探索できる目次構成を設計することは重要である。
しかし、利用者の視点に基づく目次構成を構築するには、目次作成に関する専門知識が求められるため容易ではない。
本研究では、この課題を解決するために大規模言語モデルを用いた目次構成の自動生成手法を提案する。具体的には、マニュアル作成の専門家が活用するルールや知識を含むプロンプトを設計することで、利用者が情報を検索しやすい目次構成を生成する。
実際のマニュアルを対象に、提案手法によって生成した目次構成と既存の目次構成を比較し、専門家が作成した目次構成と同等の構成が得られることを確認した。
また、本論文における実験を通じて、汎用的な目次構成を自動生成する手法の考察とさらなる改善点を議論する。


◆ 野村 爽太, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲, 大原 美保 : 深層言語モデルを用いた災害対応検証報告書からのヒヤリハット事例文の分類手法の提案, https://doi.org/10.11517/pjsai.JSAI2025.0_4A1GS1005

近年,多発する災害への対応力向上のため,自治体による災害対応検証報告書の活用が進んでいる.
これらの報告書には,行政職員が遭遇したヒヤリハット事例が記録されており,その収集と分類は防災対策の向上に不可欠である.
現在の事例抽出は手作業で行われており,状況に基づいて12種類のクラスに分類されている.
ただし,2017年以降の水害関連の検証報告書に限定しても,85点・全7,053ページあり,人手による抽出・分類が困難になってきており,ヒヤリハット事例の抽出・分類を支援するツールが望まれる.
これまでの我々の研究では,深層学習モデルBERTを用いたヒヤリハット事例文の抽出手法を提案し,高精度で抽出が可能だと確認した.
本研究では,深層学習モデルBERTを用いて抽出したヒヤリハット事例文を12クラスに分類する手法を提案する.
モデルの学習には人手で抽出・分類されたヒヤリハット事例を学習データとして用いている.
Top-3 accuracy を用いたヒヤリハット事例文分類手法の評価実験では,データ数の少ないクラスの正解率が低い傾向は見られたが,データ数の多いクラスの正解率は実用可能なレベルにあることが確認された.


◆ 帆井 健悟, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲, 加太 宏明, 柏村 聡 : アダプティブクルーズコントロールにおけるステレオカメラを用いた深層ニューラルネットワークの評価, https://doi.org/10.11517/pjsai.JSAI2025.0_3M1GS1003

近年エンドツーエンド型の自動運転システムの研究が盛んであるが,高精度な推論には高性能の学習用・推論用マシンが必要であり,研究開発や商業展開の大きな負担となっている.
これはステレオカメラを入力センサとして用いることで対処できる可能性がある.
アルゴリズムでの測距によりネットワーク内での測距を省略でき,単一センサでの画像と距離情報の取得によりセンサフュージョンが不要になる可能性があり,モデルの簡素化が期待できる.
本研究では,ステレオカメラを用いた自動運転のエンドツーエンドモデルの初期検討として,基礎的なタスクであるアダプティブクルーズコントロールを行うモデルを開発する.
既存モデルであるTransfuserを基に,ステレオカメラで取得した情報を用いて自車の加速度の予測を行うネットワークへ改変することで,これを実現する.
日本の公道の約16万フレームのデータを用いて学習・評価した結果,加減速が少ない単調な環境では良好な精度が得られ,ステレオカメラモデルの実用化可能性が示唆された.
一方,大きな加減速,上り坂,急激な光変化では精度が低下することが確認され,原因を考察し改善策を提案した.

研究内容にご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ: http://harmo-lab.jp/contact


【3】研究室に関連する企業・ベンチャー等のニュース
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◇ 一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会主催セミナーにて調和技研のスタッフが講師を務めます

2025年8月と9月に、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会 研修ルーム(NBF東銀座スクエア2F)とオンラインにて開催される、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)主催オープンセミナー「実践で学ぶLLMとRAGアプリ開発入門」にて、株式会社調和技研の研究開発部スタッフが講師を務めます。
本セミナーは、講義と実習を組み合わせた3日間のセミナーです。AI開発の基礎知識を学びながら、ノーコードツール「Dify」を使ってRAGチャットボットアプリの開発を体験できます。
AI活用を社内で進めたい情報システム部門・IT担当の方や、ハンズオンによる学びで実践的な理解を深めたい方などはぜひご参加いただければ幸いです。

日時:
2025年8月6日(水) 10時-17時 会場
2025年8月20日(水) 10時-17時ライブ配信(Zoomミーティング)
2025年9月3日(水) 10時-17時ライブ配信(Zoomミーティング)

会場:【初日会場+2日目よりオンライン】
一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会 研修ルーム(NBF東銀座スクエア2F)

講師:石岡 卓也 氏(株式会社調和技研  研究開発部 AI技術開発 第二グループ )
参加費:JUAS会員/ITC:104,500円 一般:134,200円(1名様あたり 消費税込み、テキスト込み)【受講権利枚数3枚】
定員:20名

お申込み方法および詳細は下記よりご確認いただけます
https://www.juasseminar.jp/seminars/view/4125236

[株式会社調和技研(北大発認定スタートアップ)]


◇ AWLは楽天モバイル、ヴィッセル神戸と共同で「地域社会DX推進パッケージ事業」における実証団体に採択され、実証を開始しました

2025年6月25日のプレスリリースにて、AWL株式会社は、楽天モバイル株式会社と楽天ヴィッセル神戸株式会社と共同で、総務省「地域社会DX推進パッケージ事業(AI検証タイプ)」における実証団体に採択され、2025年6月から、神戸市においてエッジAIを活用した、大規模施設の監視システムにおける通信負荷の最適化に関する実証を開始したことをお知らせしました。

本実証の概要等はAWLのプレスリリースからお読みいただけます
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000046547.html

[AWL株式会社(北大発認定スタートアップ)]


◇ 企業専用恋愛アプリ「Aill goen」がトヨタ自動車・三菱UFJ銀行に導入されました

2025年7月1日付、プレスリリースにて、株式会社Aill(エール)は、自社の開発・提供する企業専用AI恋愛ナビゲーションアプリ「Aill goen(エール ゴエン)」が、トヨタ自動車・三菱UFJ銀行に導入されたことをお知らせしました。
「Aill goen」は、共働き・共育ての価値観に賛同し実践する企業の独身従業員専用のAI恋愛ナビゲーションアプリです。
出会いから関係構築までをAIが丁寧にサポートします。
導入企業に所属する独身者のみが利用できる福利厚生サービスとして、現在1400社を超える企業に導入されています。

株式会社Aillのプレスリリースは下記よりお読みいただけます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000059840.html

川村教授は「Aill goen」の開発に携わり、現在、株式会社Aillの社外取締役をつとめています。

[株式会社Aill]
[Aill goen]


【4】人工知能・ディープラーニングNEWS
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調査報告書「The OpenAI Files」公開──非営利団体による1年越しの調査で浮かび上がる透明性・安全性の課題(ledge.aiより)
2025年6月18日、米国の非営利技術監視団体であるThe Midas ProjectとThe Tech Oversight Projectは、OpenAIに関する独自調査報告書「The OpenAI Files」を共同で公開した。同報告書は、1年以上にわたる証言収集と文書分析をもとに、OpenAIのガバナンス構造や経営上の意思決定、投資家との関係性、安全性に関する懸念などを網羅的に取り上げている。

ディズニーらと係争中のMidjourney、動画生成AI「V1」発表 月10ドルから どんな動画が作れる?(itmediaより)
画像生成AIサービス「Midjourney」を提供する米Midjourney社は6月19日(日本時間)、同社初の動画生成AI「V1」を発表した。画像を入力すると、5秒の動画を生成する。まずは有料ユーザー向けに、MidjourneyのWeb版で提供を始める。

Google DeepMind、ロボットを完全ローカルで動かせるAIモデル「Gemini Robotics On-Device」を初期リリース(itmediaより)
米Google傘下のGoogle DeepMindは6月24日(現地時間)、ロボット上でローカルに実行できるよう最適化されたAIモデル「Gemini Robotics On-Device」を発表した。このモデルは、まずは「信頼できるテスタープログラム」にサインアップした選ばれた開発者グループに初期リリースされる。

Google⁠⁠、Geminiをコマンドラインから利用できるGemini CLIをオープンソースとして公開(Gihyoより)
Googleは2025年6月25日、AIアシスタントGeminiをコマンドラインから操作できる「Gemini CLI」をオープンソースとして公開した。Gemini CLIはターミナル上からコマンドラインインタフェースを使ってGeminiを利用できるAIワークフローツール。Apache 2.0ライセンスの元、GitHub上でオープンソースとして公開されている。
gemini-cli: An open-source AI agent that brings the power of Gemini directly into your terminal. -GitHub


【5】調和系工学研究室関連企業NEWS
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行政の電話対応をAIで革新。旭川市とインターパーク、対話型AI電話自動応答システムを共同開発(株式会社インターパーク)
旭川市(市長:今津 寛介)と株式会社インターパーク(所在地:北海道札幌市、代表取締役:舩越 裕勝)は、電話取次業務の効率化の検証を目的に、050電話アプリSUBLINE(サブライン)を用いて、対話型AI電話自動応答システムの共同開発を2025年6月より開始いたします。

人事管理・給与計算システム「GrowOne 人事SX・給与SX」の「カオナビ」連携Web APIをリリース(株式会社ニッセイコム)
株式会社 ニッセイコム(本社:東京都中央区/代表取締役 取締役社⻑:⼩林毅/以下、ニッセイコム)は、人事管理・給与計算システム「GrowOne 人事SX・給与SX」の「カオナビ」連携Web APIをリリースしました。

フュージョン株式会社 支援実績の事例紹介ページについてのお知らせ(フュージョン株式会社)
当社の事例公開は、2020年より開始し、既存のクライアント企業はもちろんのこと、まだお会いしていない新規のクライアント企業のマーケティング課題解決の一助となるべく継続しており、この度累積で24件の事例公開となりましたので、ここに改めてお知らせいたします。
事例紹介ページ: https://www.fusion.co.jp/case

サイバー攻撃や情報漏洩は他人事じゃない!中小企業が生き残るための3つのセキュリティ対策(株式会社網屋)
本セミナーでは、セキュリティ事故・事件の完全な防止が困難であることを前提としつつ、負担を抑えながら被害を最小限にとどめ、業務継続を可能にする方法をご紹介いたします。企業の情報担当者だけでなく、経営者にとっても有益な内容です。ぜひご参加ください。

サイオステクノロジーと網屋が協業強化、「LifeKeeper」×「ALog」連携ソリューションを提供(株式会社網屋)
サイオステクノロジー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:喜多伸夫、以下、サイオステクノロジー)は、株式会社網屋(本社:東京都中央区、代表取締役社長:石田晃太、以下、網屋)と顧客が抱えるセキュリティ運用やコンプライアンス対応に関する課題解決を推進するため、協業を強化することをお知らせします。

AI特化型VCのDEEPCORE、NEDO「大学発スタートアップにおける経営人材確保支援事業」2025年度に採択(株式会社ディープコア)
〜研究シーズと経営人材のマッチング。AI×ディープテック領域のスタートアップ創出を加速〜


【6】AI川柳
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調和系工学研究室では、毎日新聞社「仲畑流万能川柳」や第一生命保険「サラリーマン川柳」を学習用の教師データとした「AI川柳」に取り組んでいます。

2020年3月までの1年間「NHK総合 ニュースシブ5時」にて、その週の話題のニュースのキーワードをお題に、バーチャルアナウンサー「ニュースのヨミ子」さんが詠んでいたAI川柳も、本研究室が開発した人工知能システムです。
多くの皆さんに楽しんでいただけるよう、2020年6月にAI川柳のTwitterアカウント( https://twitter.com/ai_senryu )を開設いたしました。

AIには詠んだ句に対する「良し悪し」の感覚はありません。そのため、人間がどのように感じ、どのような情景を思い浮かべるかにより、AIが詠んだ句に意味が生じてきます。
AIが詠んだ句に共感していただけましたら大変うれしく思います!

★ お題「散歩中」(6月26日投稿)

おやじギャグごろごろごろと散歩中

散歩中におやじギャグが次々と飛び出す様子、軽妙で楽しげな雰囲気、和やかな情景(感想は #ChatGPT と作成)。


★ お題「夏」(7月1日投稿)

ガソリンの音が昭和に響く夏

ガソリン車のエンジン音が昭和の時代を思い出させるように響く夏の情景、ノスタルジーと夏の暑さを鮮やかに重ね合わせた一句(感想は #ChatGPT と作成)。



【ご寄附のお願い】
人工知能によるイノベーションでより素晴らしい世界を実現することが、私たち調和系工学研究室の使命であると考え日々研究に取り組んでいます。
大学での研究活動には、研究に必要な機器の整備のほかにも、学生の学会への参加や論文投稿など研究費が欠かせません。

私たちの取り組みにご賛同いただけ、応援のご寄附を賜れましたら大変心強く、研究を続けるうえで大きな励みとなります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

調和系工学研究室 教授 川村 秀憲

[北海道大学奨学寄附金制度について](本学への寄附金については、税法上の優遇措置の対象となります)
お問い合わせ先:http://harmo-lab.jp/contact

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

◇ 次号は、2025年7月18日に配信する予定です。
◇ メールマガジンのバックナンバー
 http://harmo-lab.jp/?page_id=2918
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