人工知能学会 合同研究会2020 第18回データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会にて発表を行いました

11月20日、21日にオンラインで開催された人工知能学会 合同研究会2020 第18回データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会(https://www.ai-gakkai.or.jp/sigconf/)にて、博士1年の幡本 昂平さんが発表を行いました。

幡本 昂平, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : B2Bブランド品オークションにおける落札価格分布の推定, 第18回データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会, オンライン (2020)

発表を行った幡本さんには興味をもった研究発表、及び、学会に参加して気づいた問題点と最近の動向についてレポートしてもらいました。

博士1年の幡本です。

この度、人工知能学会 合同研究会2020の第18回データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会において発表を行いました。

本合同研究会は2011年頃より毎年開催されており、人工知能学会における様々な研究会の様子を一度に知れるものとなっています。

今年はCOVID-19の影響でオンライン開催となりました。

ですが、参加者数は20~30人程度と比較的盛況だったかと思います。

参加研究会自体の発表件数はそれほど多くなかったため、直接私の研究と関連する発表はありませんでした。

とくに興味深かった研究発表として、「オンラインニュース動画の視聴と政治的知識の関連性」:小川 祐樹 (立命館大学), 高野 雅典 (株式会社サイバーエージェント), 森下 壮一郎 (株式会社サイバーエージェント), 高 史明 (神奈川大学)を紹介します。

この研究ではオンラインニュース動画が視聴者の政治的知識に与える影響を分析しています。

分析手法としては重回帰分析を用いており、結果としては番組形態によって政治的知識への影響が異なる可能性が示唆されました。

オンラインメデイアではテレビのような受動的な視聴ができないため、政治的知識が少ない人がそれを増強するという効果は限定的なのではと考察されています。

このような実データを用いた分析は調和系工学研究室でも行うことが多いので、参考にしたいと思います。

私自身が発表をおこなった研究会の他に、社会におけるAI研究会についても聴講しました。

いずれの研究会においても、世相を反映してかCOVID-19に関する研究発表が多く見られました。

研究会が取り扱う内容としては実データ分析・社会シミュレーションに主眼をおいた発表が中心です。

このため社会的関心が研究に反映されやすく、アカデミックでもCOVID-19への関心が高まっている状況がよく分かるものであったと思います。

COVID-19の研究といっても医学系の研究ではなく、付随しておこる社会的問題(デマツイート・感染予測・感染シミュレーション・アプリインストールの促進)が情報系では扱われます。

機械学習やマルチエージェントシミュレーションといった本研究室でも取り組んでいる技術が利用されています。(幡本 昂平)