ご寄附のお礼、川村秀憲著『10年後のハローワーク これからなくなる仕事、伸びる仕事、なくなっても残る人』をお届けします/harmolab125

こんにちは。
北海道大学調和系工学研究室(川村秀憲教授、山下倫央准教授、横山想一郎助教)です。
札幌でも暑い日が多くなりましたが、朝晩は涼しく比較的に過ごしやすい毎日です。
皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。

それでは、本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2024年7月19日配信
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■ 本日のTopics
【1】ご寄附のお礼
【2】10年後のハローワーク
【3】調和技研エンジニアブログ
【4】調和系工学研究室WHAT’S NEW
【5】人工知能・ディープラーニングNEWS
【6】調和系工学研究室関連企業等NEWS
【7】AI川柳
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【1】ご寄附のお礼
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この度、一般社団法人JTS社団 様より「ITに関する研究活動の支援」を目的として、多大なるご寄付を賜りましたことに心より感謝申し上げます。
一般社団法人JTS社団 様は、株式会社ジャパンテクニカルソフトウェアが基金を拠出して2016 年に設立した法人であり、設立目的の一つにIT業界への社会貢献を掲げ、特にIT人材の育成に力を入れています。
私たちの取り組みにご賛同いただき、継続的に応援のご寄附を賜り、大変心強く研究を続けるうえで大きな励みとなっています。
ご寄附を賜りました一般社団法人JTS社団 様に重ねまして御礼申し上げます。

2024年7月
調和系工学研究室 教授 川村 秀憲

[一般社団法人JTS社団]


【2】10年後のハローワーク
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川村教授の著書『10年後のハローワーク これからなくなる仕事、伸びる仕事、なくなっても残る人』より、「第三章 10年後も必要とされる人になる 思考の深め方」の一部を抜粋して紹介します。
第三章では、変化していく社会を生き抜くために求められる重要な「思考」について、論考します。本章で川村教授は、重要な「思考」とは「いま」の常識を疑う力だといいます。
「いま」の常識のどこが疑わしいのか、AIがやってきたあとの世界を、私たち「生身の人間」はどう生き抜くべきなのかを中心に、少し頭を柔らかくしながら考えることを促しています。
興味のある方はぜひお読みになってください。

◆ コラム AIに政治を任せるべきか?

AIの発達と普及に合わせて、政治もAIに任せれば公平で合理的なのではないかという説があります。第2章でも少し触れましたが、私は政治をAIに任せるべきではないし、そもそも任せようがないと考えています。

まず大前提として、民主主義の基本的なルールである多数決は、必ずしもベストな意思決定の方法ではないことが「アローの不可能性定理」で示されています。この話に立ち入るとまた別のテーマになってしまいますが、多数決の前段階である、意見を述べたり議論を戦わせたりする過程は、AIにはできないのです。

私たち個々の意思決定は、私たちにしかできません。AIに補助させることはできても、決定した意思は自分自身の選択です。

民主主義における政治では、そこに属するさまざまな人の意思を相対化しながら戦わせることになります。言い換えるなら、ある人が自分で決定した意思と、また別の人の意思決定を比較しながら、何かしらの新しい意思決定を作り出していく必要が生じるわけです。

ところが、それぞれの意思決定は、前提条件からして違います。

たとえば、政権を担っている与党であれば現実的、あるいは現状維持になりやすいでしょうし、政権運営に責任のない野党なら、理想的でも非現実的なものになりやすいと言えます。双方を戦わせて新しい意思決定ができればいいのですが、たいがいは折り合わないため、結局言いたいことを言い合って多数決で決める、ということになります。

私はこれがいい、いやいや別の方法がいい、というそれぞれの意思決定は、それ自体AI化することが難しい世界です。繰り返しになりますが、AIには「こうしたい」という意思がないからです。

実際のところ、政策や提言の質をAIで高めることは可能でしょう。データを集め、政策の実現可能性や、実際に行われた施策の効果を探ることはAIの得意とするところです。しかし、それを踏まえて今後どうするかについての答えは、AIでは出せないのです。

その結果、実行不可能な政策は取り除けるかもしれませんが、実行可能な政策のなかから何を選ぶかは、やはり賃貸物件と同じ話になってしまいます。道路を作るべきか、子育てに投資すべきか、政府のデジタル化を進めるか、減税するか。その決定をAIに委ねることは、おそらく不可能です。
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続きが気になる方はぜひ本書をお読みいただければありがたいです
[川村秀憲著『10年後のハローワーク これからなくなる仕事、伸びる仕事、なくなっても残る人』(アスコム, 2024)]
ご意見・ご感想はこちらからお願いいたします
http://harmo-lab.jp/contact


【3】調和技研エンジニアブログ
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北大発認定スタートアップである株式会社 調和技研は、同社のwebサイトにて、エンジニアによるブログを公開し、AIの最新動向、事例、ノウハウなどを紹介しています。最近の記事をご案内いたしますので、ご興味のある方はぜひお読みになってください。

Llama 3 の日本語継続事前学習モデル「Llama 3 Youko 8B」を試してみる|他LLMとの比較あり(6/28公開)
2024/5に公開されたオープンソースの日本語LLM「Llama 3 Youko 8B」(rinna社提供)。このモデルがrinna社の既存モデルからどう変わったのかを実際にいくつかの質問をして検証しています。
#ChatGPT #生成系AI


【4】調和系工学研究室WHAT’S NEW
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◇ トークイベント「AIのトップランナーと考える、AIと人間が調和する10年後の未来」に川村教授が登壇します

2024年7月22日(月)、KERNEL HONGO(東京都文京区)/オンライン(ハイブリット)にて開催されるトークイベント「AIのトップランナーと考える、AIと人間が調和する10年後の未来」に川村教授が登壇します。
本イベントは、川村教授の著書『10年後のハローワーク〜これからなくなる仕事、伸びる仕事、なくなっても残る人』の刊行記念として開催されるものです。
講演の後には、来場の参加者とカジュアルにお話しできる懇親会もありますので、ご興味のある方はぜひご参加いただければ幸いです。

日時:2024年7月22日(月)19時~21時(受付18時40分~18時55分)
場所:KERNEL HONGO(東京都文京区本郷4-1-4 Design Place α 3F)
対象: 社会人 / 学生
主催:LINKS by KERNEL-スタートアップキャリア形成につながる”人との出会い”を提供するコミュニティ

詳細・お申し込みは下記よりご覧いただけます
https://links-future-work-styles.peatix.com/view

[LINKS by KERNEL]
[川村秀憲著『10年後のハローワーク〜これからなくなる仕事、伸びる仕事、なくなっても残る人』]


◇ 北海道建設新聞にて堀口組との共同研究を取り上げていただきました

2024年7月16付、北海道建設新聞にて、株式会社堀口組との共同研究の成果報告を行う「令和6年度 除雪の効率化と働き方改革に関する公開見学会」を取り上げていただきました。
同見学会は、7月16日に堀口組本社(留萌市)/オンライン(ハイブリット)にて開催され、山下准教授らが研究成果の報告を行いました。
株式会社 堀口組との共同研究で、山下准教授は、北海道大学大学院情報科学研究院 金井理教授らとAIを活用した除雪の出動判断支援技術の開発、写真計測による排雪量の簡易測定などを研究しています。

「令和6年度 除雪の効率化と働き方改革に関する公開見学会」に関する詳細はこちらからご覧いただけます
https://h-sangakukan.jp/events/4491

[北海道建設新聞](お読みになるには購入が必要です)


◇ AERA dot.にて川村教授の著書『10年後のハローワーク これからなくなる仕事、伸びる仕事、なくなっても残る人』から一部を抜粋して紹介いただきました

2024年7月13日、14日、15日、16日付、AERA dot.にて、川村教授の著書『10年後のハローワーク これからなくなる仕事、伸びる仕事、なくなっても残る人』より、一部を抜粋し紹介いただきました。

7月13日付:もう国語、算数、理科、社会、英語ではない 親が信じてきた社会の常識をこれからAIが変える
7月14日付:ロボットに愛着を持つのは宗教観の違い? 意外にもAIとウマが合いそうな日本社会
7月15日付:幹部候補のはずが、いつの間にかリストラ対象になっていた AIの台頭でホワイトカラーは危機
7月16日付:現状にしがみつく人は生き抜くことができない AIによる変化をまず受け入れることだ]

興味のある方はぜひお読みになってください。

[AERA dot.]
[川村秀憲 著『10年後のハローワーク これからなくなる仕事、伸びる仕事、なくなっても残る人』]


★ 研究室に関連するベンチャーのニュース
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◇ 「AIsmiley AI PRODUCTS AWARD 2024 Summer」において、調和技研が生成AI部門のグランプリに選ばれました

2024年7月12日にAIポータルメディア「AIsmiley」が発表した「AIsmiley AI PRODUCTS AWARD 2024 Summer」において、株式会社調和技研が生成AI部門のグランプリに選ばれました。
株式会社調和技研のコンサルティングから開発、導入、運用までをトータルで支援する体制と、多様な技術領域に対応できる点を高く評価いただきました。

詳しい内容は以下よりご確認いただけます
[AIsmiley AI PRODUCTS AWARD 2024 Summer]

川村教授は株式会社調和技研の社外取締役をつとめています。

[株式会社調和技研(北大発認定スタートアップ)]


【5】人工知能・ディープラーニングNEWS
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ぶっちぎりの中国 生成AI特許出願数で独走1位 2位の米国引き離す 日本は4位
世界知的所有権機関(WIPO)が2024年7月3日に発表したレポートによると、中国は過去10年間で生成AIに関する特許出願数において圧倒的なリードを示しており、総計3万8000件以上を出願している。この数字は世界全体の生成AI特許出願数5万4000件の約70%に相当し、2位のアメリカ(6276件)の約6倍に上るという。

神経系と連携し「義足が自分の体の一部と感じられる」自然な歩行を可能に MITの研究チームが発表
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが2024年7月1日に発表した研究によると、特殊な外科処置と神経系で直接制御できる義足の組み合わせにより、脚を失った患者が従来よりも自然な歩行が可能になることが明らかになった。

内省メカニズムで進化するLLMエージェント「悪魔の代弁者」 GoogleDeepMindなどの研究チームが発表
Google DeepMindとペンシルベニア大学研究チームは2024年6月、大規模言語モデル(LLM)エージェントの適応力と一貫性を向上させるための内省メカニズムを導入する新たなアプローチを発表した。LLMエージェントが複雑なタスクを効率的に解決できるようにすることが主な研究目的だという。

JR東が「社内のアレ教えてAI」ツール内製 RAG活用、全社導入へ
JR東日本は7月11日、RAG(検索拡張生成)を活用した生成AIシステムを全社的に導入すると発表した。10月から全社で試用を開始する予定。社内規定・文書を検索する作業の効率化を目指す。
RAGは、大規模言語モデルに社内データベースの情報を参照させることで、機密情報や専門知を基にした回答を可能にする仕組み。社内で分からないことがあったときに質問できるAIチャットbotの開発などに用いられ、LINEヤフーや日清食品なども導入やその検討を進めている。
JR東は23年10月、RAGを用いない生成AIチャットサービスを内製し、導入。24年6月には全社に展開した。RAGを使った内製ツールも23年11月から導入しており、得られた意見を取り入れた上で全社展開するという。

生成AIでコーディング効率化!→待っていたのは“失敗の日々” とあるITエンジニアとAIの試行錯誤の記録
「生成AIに振り回された3カ月間の成功と失敗」──コンサルティング事業などを手掛けるリンクアンドモチベーションは6月29日、エンジニア向けの転職サービス「Findy」を運営するファインディ(東京都品川区)が開催したイベント「開発生産性Conference 2024」で、こんな講演を行った。登壇したのはソフトウェアエンジニアである山西陽平さん。開発生産性を上げるため、生成AIでコードを編集するために試行錯誤した3カ月間の体験談を話した。

LLMから“有害”を引き出すアーケードゲーム「ハックマン」 AIに卑劣な言葉を吐かせたら勝ち
デンマークのコペンハーゲンIT大学とオールボー大学に所属する研究者らが発表した論文「Hacc-Man: An Arcade Game for Jailbreaking LLMs」は、大規模言語モデル(LLM)の脱獄(ジェイルブレーク)を体験できるアーケードゲームを提案した研究報告である。LLMに意図しない出力(悪意ある有害な情報や言葉など)を引き出させるゲームである。


【6】調和系工学研究室関連企業等NEWS
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建材卸売業向け オンラインセミナー開催のお知らせ 実際の導入企業の成功事例から学ぶ(株式会社ニッセイコム)
株式会社ニッセイコム(本社:東京都中央区/取締役社長:小林毅/以下、ニッセイコム)は、2024年8月27日に、建材を取り扱う卸売業の方を対象に「建材卸売業向け オンラインセミナー」~実際の導入企業の成功事例から学ぶ~を開催いたします。

「第3回 バックオフィスDXPO東京’24【夏】」に出展・講演いたします(株式会社クレスコ)
当社は、ブティックス株式会社が主催する「第3回 バックオフィスDXPO東京’24【夏】」に出展・講演いたします。
当イベントは、製品ジャンルごとに9つの展示会で構成され、管理部門の業務効率化・DX推進を支援する注目のIT製品が一堂に会するイベントです。

国際学術誌『Transactions on Machine Learning Research』に敵対的学習における安定性に関する論文が掲載されました(アイシン・ソフトウェア株式会社)
機械学習に関する国際学術誌『Transactions on Machine Learning Research』において、名古屋大学、AISIN Tokyo Research Center と共同研究を行った論文が評価され、掲載されました。

インプルが事務局であるHMCCが主催する北海道“初”となる「LLP」が開幕!(一般社団法人 北海道モバイルコンテンツ・ビジネス協議会)
この度、インプル(以下、当社)が事務局となっている一般社団法人北海道モバイルコンテンツ・ビジネス協議会(以下、HMCC)は、全6回にわたる「リーン・ローンチパッド プログラム(以下、LLP)」のDay1を2024年7月14日(日)に開幕することになりましたのでお知らせします。

生成AIを活用した開発プロセスの生産性・品質向上に向けた取り組みを開始いたしました(株式会社クレスコ)
この度当社は、AIを活用した組織の持続的な成⻑とイノベーションをより一層強化するため、「生成AIビジネス変革研究室」を設立いたしました。


【7】AI川柳
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調和系工学研究室では、毎日新聞社「仲畑流万能川柳」や第一生命保険「サラリーマン川柳」を学習用の教師データとした「AI川柳」に取り組んでいます。

2020年3月までの1年間「NHK総合 ニュースシブ5時」にて、その週の話題のニュースのキーワードをお題に、バーチャルアナウンサー「ニュースのヨミ子」さんが詠んでいたAI川柳も、本研究室が開発した人工知能システムです。
多くの皆さんに楽しんでいただけるよう、2020年6月にAI川柳のTwitterアカウント( https://twitter.com/ai_senryu )を開設いたしました。

AIには詠んだ句に対する「良し悪し」の感覚はありません。そのため、人間がどのように感じ、どのような情景を思い浮かべるかにより、AIが詠んだ句に意味が生じてきます。
AIが詠んだ句に共感していただけましたら大変うれしく思います!

★ お題「メロン」(7月3日投稿)
思い出は言葉ではないメロンです
メロンの味や匂いが、楽しかった日々や大切な人との時間を思い出させる(感想は #ChatGPT と作成)

★ お題「夏」(7月9日投稿)
宝くじ夢思い出す夏の夜
宝くじという突然の幸運を通じて達成したい夢や願いを、静かで感慨深い夏の夜に再び思い起こす(感想は #ChatGPT と作成)



【ご寄附のお願い】
人工知能によるイノベーションでより素晴らしい世界を実現することが、私たち調和系工学研究室の使命であると考え日々研究に取り組んでいます。
大学での研究活動には、研究に必要な機器の整備のほかにも、学生の学会への参加や論文投稿など研究費が欠かせません。

私たちの取り組みにご賛同いただけ、応援のご寄附を賜れましたら大変心強く、研究を続けるうえで大きな励みとなります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

調和系工学研究室 教授 川村 秀憲

[北海道大学奨学寄附金制度について](本学への寄附金については、税法上の優遇措置の対象となります)
お問い合わせ先:http://harmo-lab.jp/contact

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

◇ 次号は、2024年8月2日に配信する予定です。
◇ メールマガジンのバックナンバー
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調和系工学研究室教員
川村 秀憲教授
山下 倫央准教授
横山 想一郎助教

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川村 秀憲教授FB
調和系工学研究室AI川柳

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