「社会システムと情報技術研究ウィーク(WSSIT2023)」にて12名の学生が発表しました

2023年3月9日(木)~12日(日)にルスツリゾートホテル(北海道)にて、5学会8つの研究会の共催による「社会システムと情報技術研究ウィーク(WSSIT2023)」が開催され、本研究室より、学部4年の阿部 晃平さん、阿部 拓真さん、音喜多 俊平さん、北野 勇太さん、竹田 悠哉さん、修士2年の赤坂 駿斗さん、西 佑希さん、平田 航大さん、三浦 颯太さん、右田 幹さん、鐘 支俊さん、劉 兆邦さんが参加し、各々の研究について発表しました。

研究内容にご興味がありましたら、下記フォームからお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ: http://harmo-lab.jp/contact
ご意見・ご感想もお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


◆ 人工知能学会「第125回 知識ベースシステム研究会」(JSAI SIG-KBS)

◇ 竹田 悠哉, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : 深層生成モデルを用いたユーザ意図に基づく衣服画像の生成に関する研究

概要: ファッションにおいて「かわいい」や「フェミニン」といった印象は重要な要素であるが,一般消費者におけるイメージと実際の服との結び付けには大きなばらつきがある.そこで,印象のラベルが付けられた画像データセットと深層生成手法を用いて画像の印象を「操作」するモデルを作成し,入力された服画像と生成画像の差分から印象に対するイメージを正確に捉えるための実験を行った.

◇ 西 佑希, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : マルチエージェント深層強化学習を用いた片側一車線道路における追越行動の獲得

概要: マルチエージェント深層強化学習を用いて、自動運転車の追越行動の獲得をした。
片側1車線の道路で低速走行車、追越車、対向車が存在する状況において、シングルエージェントの学習では困難な協調的な走行を学習させた。学習後の走行とルールベースの走行をシミュレータを用いて比較し、走行効率性と安全性を検証した。

◇ 阿部 拓真, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : Octilinear格子を用いた実座標に基づくデフォルメ路線図の生成

概要: 公共交通利用者に目的地までの経由情報などを視覚的に認識しやすい形で示す路線図は,その時々の状況に応じて、路線図の範囲や形状を変えることでより認識しやすい形で提示することが可能となる。一方で,現在の路線図は複数の要求項目がトレードオフの関係性で絡み合っていることから手作業で作られており、固定化された路線図しか存在しない。本研究では,まず二地点間の移動において理想的な路線図の形状を整理し、提案手法として元のデータを分割、LOOM(Line-Ordering Optimized Maps)を用いてそれぞれを別パラメータで処理を行い、それらを再度結合する手法を提案する。また、本提案手法の性能を検証するために、状況設定の異なる二地点を選択したデータセットを用意し、生成結果を比較する。


◆ 人工知能学会「社会における AI研究会」第46回研究会(社会システムと知能合同研究会 (JSAI SIG-SAI ) )

◇ 三浦 颯太, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲,多田 満朗 : 灯油タンク内の液面高計測における異常値検知と灯油残量推定

概要: In recent years, remote sensing has been used for kerosene delivery to households, and the development of a communicating laser sensor capable of measuring the remaining amount of kerosene in a kerosene tank has been progressing. However, the measurement environment is unstable because the sensor is installed in an outdoor kerosene tank, and the performance of the device is limited due to cost considerations. Based on this background, this paper proposes two methods for detecting abnormalities and one method for estimating the amount of remaining oil, and verifies their effectiveness using actual data, with the aim of establishing an operational method for managing and operating sensors.
近年、家庭への灯油配達にリモートセンシングが活用されており、灯油タンク内の灯油残量を計測できる通信型レーザーセンサーの開発が進んでいる。しかし、センサーの設置場所が屋外の灯油タンクであるため測定環境が不安定であり、また、コスト面からもデバイスの性能に制約がある。このような背景を踏まえ、本稿では、センサーの管理・運用方法の確立を目指し、2つの異常検知手法と1つの残量推定手法を提案し、実データを用いてその有効性を検証した。

◇ 劉 兆邦 , 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲, 多田 満朗 : Prediction of Household Kerosene Consumption Using Deep Learning for Kerosene Delivery Planning
灯油配送計画向けの深層学習を世帯消費量推定に関する研究

概要: Kerosene is a very important source for heating in many areas. In cold regions of Japan, delivery companies regularly visit household oil tanks to replenish them so that they do not run out of fuel. However, it is hard to make a good delivery plan, since delivery companies do not know how much kerosene is left in kerosene tank. And most of existing methods about energy consumption estimation are focused on one target. Little work has been done in kerosene consumption with many users. We present Deep learning based model to estimate the consumption and mean consumption of one time span. The model includes time series augmentation to extract more information from the time span and attention mechanism to extract inner connection between each time step. In order to evaluate our model in a realistic way, estimation result is applied to an inventory routing algorithm. The result using our estimation is close to result using real consumption data.
灯油は、多くの地域で非常に重要な暖房源です。日本の寒冷地では、配送業者が定期的に家庭のオイルタンクに出向いて燃料を補給し、燃料が不足しないようにしています。しかし、配送業者は灯油タンクに灯油がどれだけ残っているか分からないため、適切な配送計画を立てるのは難しい。また、エネルギー消費推定に関する既存の方法のほとんどは、1 つのターゲットに焦点を当てています。多くのユーザーが使用する灯油の消費については、ほとんど研究が行われていません。深層学習ベースのモデルを提示して、1 つの期間の消費量と平均消費量を推定します。このモデルには、タイム スパンからより多くの情報を抽出するための時系列拡張と、各タイム ステップ間の内部接続を抽出するための注意メカニズムが含まれています。モデルを現実的な方法で評価するために、推定結果を在庫ルーティング アルゴリズムに適用します。推計による結果は、実質消費データによる結果に近い。


◆ 情報処理学会 第210回 知能システム研究発表会(IPSJ SIG-ICS)

◇ 阿部 晃平, 横山 想一郎、山下 倫央、川村 秀憲 : 衣服画像ペアの属性推定結果の差分を用いた衣服紹介文の生成

概要: 1枚の画像を説明する文章を自動生成する画像キャプション生成への取り組みは近年広く行われているが,類似した画像に対して汎用的なキャプションを生成し,画像が持つ特徴的な部分を無視してしまうことが多い.また,指定した複数画像間の関係を考慮できず,画像間の差異を表現できない.そこで,本研究では複数画像の差異を強調したキャプションの生成に取り組んでおり,今回はその最初の取り組みとして2枚の衣服画像を対象とし,衣服画像ペアの差異を強調したキャプション生成手法の提案と検証を行った.提案手法では,衣服画像ペアの差異について属性を用いて表現し,キャプション生成に利用した.実験では,提案手法の出力キャプションが差異を強調したキャプションとして適切かどうかの検証を目的としてアンケート調査を行い,単純な画像キャプション生成手法よりも適切と感じられるキャプションを多く生成できたことを確認した.

◇ 平田 航大, 横山想一郎,山下倫央,川村秀憲 : 評価用データセットを用いた有季定型句の生成における深層学習モデルの性能比較

概要: 本研究では,深層言語モデルを用いた俳句生成器を評価するために,俳人による評価済みの俳句からなる評価用データセットを作成して,有季定型句の生成における各モデルの性能を比較する.評価用データセットの作成においては,有季定型句の評価項目として,句会における評価方式と俳句内の句節のつながりに着目して,各俳句の段階的評価となる階層構造を定義し,複数の俳人が評価した結果をラベル付きデータセットとして作成する.AWD-LSTM,GPT-2, T5 といった深層言語モデルに対して作成した評価データセットを用いることで,有季定型句の生成における深層学習モデルの性能の違いを明らかにする.

◇ 赤坂 駿斗, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : 多人数同時対戦に対応した拡張イロレーティングシステムを用いた競輪予想記事生成

概要: 本研究では,競輪のレース結果予測の初心者が車券を購入する際の意思決定を補助することを目的として,レース結果を予測して,予測結果を用いた選手紹介文を生成するシステムを構築する.選手の戦績から的確に反映する特徴量を算出する手法として,多数人の同時対戦を考慮した拡張イロレーティングシステムを提案して,競輪のレース結果予測に適用する.実際の競輪のレース結果を用いた検証実験において,既存のレース結果予測手法に比べて,拡張イロレーティングシステムを用いることで予測精度を向上可能であることを確認した.さらに,拡張イロレーティングシステムを紹介文生成に用いることで,既存の手法に比べて,初心者の車券購入により有用な文章を生成可能であることを示す.

◇ 北野 勇太, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲,伊藤 孝行 : 会話形式議事録における言語表現および議題の変化の分析

概要: 会話形式議事録には,口語での会話内容が記録されており,日本語研究の重要な資料となる.本研究で扱う帝国議会議事速記録からは,近代日本語における言語表現の変化が分析可能であり,大規模かつ精緻な分析のため,同一の日本語表現を自動で抽出する手法が求められる.本稿では,言語表現変化が確認されている可能表現について,抽出手法を確立するため,品詞の組み合わせマッチングおよび特徴単語の抽出による議題のタグ付けによる議題のタグ付けを行い,その精度を評価した.

◇ Zhijun Zhong,Soichiro Yokoyama, Tomohisa Yamashita, Hidenori Kawamura, Yoshimi Sato, Rei Hasegawa, Miyuki Hirasawa : Attribute Estimation of Bus Passenger Using MPNTrack and Swin Transformer
鐘 支俊, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲, 佐藤 好美, 長谷川 怜, 平澤 幸 : MPNTrackとSwin Transformer を用いたバス乗客属性の推定

概要: In this research, we propose a method for attribute estimation of bus passengers. At first, image trajectories of individual bus passengers are generated based on images collected from cameras installed at bus entrances and exits by MPN Track, which is one of human tracking algorithms. Then, passenger attributes such as age group and gender are inferred by the Swin-Transformer-based algorithm. Experimental results on image trajectory of bus passengers indicate that our proposed algorithm achieves high accuracy in most attribute categories and proves its effectiveness.
本研究では、人物追跡器MPN Trackと属性推定器Swin Transformerによってバスの乗降口に設置されたカメラで収集された画像に基づいて、バス乗客の属性推定手法を提案した。Swin-Transformerベースのアルゴリズムによって、乗客の年齢層や性別などの属性を推定でき、実験結果から、提案する手法が多くの属性カテゴリーで高い精度を達成し、有効性が証明された。


◆ 情報処理学会 関西支部「第17回 行動変容と社会システム研究会」(IPSJ Kansai SIG-BCSS)

◇ 右田 幹, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : 着衣の印象評価を用いたコーディネートの推薦情報提示システムの開発

概要: 本稿では,衣服の印象に基づくトップスとボトムスのコーディネートの推薦をおこなうシステムを開発した.本システムは,深層学習モデルを用いてユーザーの衣服画像の印象を推定して,推定結果をユーザに提示する.さらに,ユーザーの衣服と系統の近い衣服を推薦候補として,トップスとボトムスの相性と印象に基づいて,推薦するコーディネートを決定する.ユーザーに対するアンケート調査を実施して,本システムの有効性を確認する。

◇ 音喜多 俊平, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : B2Bオークションにおける商品推薦に向けたMultiRecによるユーザ別入札行動予測

概要: 中古ブランド品の B2B オークションでは,多数のアイテムのオークションが並列して実施されるため,参加者はすべてのアイテムの価値を検討することが困難であり,入札するアイテムの選択や,留保価格の適切な設定が課題である.本稿では,こうした課題を入札アイテムの推薦や留保価格に対する不落札率の推定により解決するため,オークションにおける多関係推薦モデル MultiRec を用いたユーザ別入札行動予測をオークションデータに適用し,その精度から利用可能性を検証した.

学会の様子等は、後日メルマガでもご紹介させていただきます。
メルマガの配信をご希望の方は下記よりご登録ください。
http://harmo-lab.jp/mailmagazine

[社会システムと情報技術研究ウィーク(WSSIT2023)]