「情報処理学会 第85回全国大会」にて4名の学生が発表しました

2023年3月2日~4日に電気通信大学にて開催された「情報処理学会 第85回全国大会 〜ダイバーシティと情報処理〜 」に本研究室より平田 航大さん(修士2年)、右田 幹さん(修士2年)、大倉 博貴さん(修士1年)、 千坂 知也さん(修士1年)が参加し、各々の研究について発表しました。



◆ 平田 航大, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : 有季定型句の生成における深層学習モデル評価用データセットの作成と適用

概要: 本稿では人工知能による俳句生成器の構築を目指し,既存俳句と文学作品を用いた言語モデルの学習,パープレキシティなどの評価指標によるモデル性能の評価,アンケート調査などによる生成俳句の評価を行った.
本論文の主な貢献は2つである.
1つ目は俳句生成モデルの開発において,自動計算可能な評価指標とアンケートなどによる主観評価の結果を活用したモデル評価を行ったこと.
2つ目は高性能な言語モデルであるGPT-2やBARTを用いて高品質な俳句生成を行ったこと.
生成俳句の質としてはアンケート調査の結果として,インターネット上から収集した人間作の俳句と変わらないレベルの俳句を生成可能であることが分かった.



◆ 右田 幹, 川村 秀憲, 山下 倫央, 横山 想一郎 : 衣服印象評価とコーディネイトに基づく衣服推薦システムの開発

概要: 衣服を選択において、他人に与える印象を考慮したトップス とボトムスのコーディネイトの決定が重要である。一方で、場面ごとにコーディネイトが適切な印象を与えるかを判断することは簡単ではない。さらに、適切でない場合の代替案の 決定も困難である。本研究では、着衣人物画像に対して衣服の印象評価とコーディネイト推薦を行うファッションコメンタリーシステムを開発した。カメラによりユーザの全身画像を撮影し、衣服領域を抽出する。抽出画像に対し推定された印象をユーザに提示する。さらに、上下の衣服の相性関係を考慮して推薦するコーディネイトを決定する。開発したシステムを使用したユーザに対するアンケート調査により、有効性を確認した。



◆ 大倉 博貴, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : 道路画像と気象情報の配信による除雪出動決定支援システムの開発

概要: 積雪地帯における道路除雪業務は道路交通を維持する重要な役割を果たすが、除雪業務の出動判断は容易ではなく、局所的な天候の変動によって出動判断が覆ることが多い。そのため、除雪作業員は休日であっても出動に備えておく必要があり、大きな負担となっている。
このような背景に基づき、本研究では除雪出動の意思決定支援システムの開発に取り組む。本システムは除雪対象地点に設置した10台のカメラからリアルタイムで道路画像を収集し、またその地点の気象情報と気象予報情報を取集する。収集した情報をシステム上で可視化して、担当者の意思決定に利用し、雪見巡回の手間を省くことを目指す。さらに、除雪作業員も情報を閲覧可能とすることで、出動変更の予兆の共有を目指す。



◆ 千坂 知也, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : マルチエージェントシミュレーションを用いた代替出勤依頼モデルの提案

概要: 本研究では、マルチエージェントシミュレーションを用いて、従業員の欠勤が発生しやすい労働集約型の産業における、代替出勤依頼モデルを提案する。提案するモデルでは数理最適化ソフトウェアCPLEXを用いてナーススケジューリング問題を解くことで従業員の勤務表を作成した後、確率的に欠勤を発生させ、代替出勤依頼を行う。勤務表作成時に課した制約条件を満たす代替出勤の候補従業員に対して、順番に出勤を依頼し、候補者は確率的に出勤の可否を応答する。これを代替出勤者の確保が完了するまで全日程に対し繰り返す。実験から、候補従業員に対し代替出勤依頼を依頼する順番を決定する戦略と、代替出勤者の過剰確保または不足、引受従業員の偏りとの関係を示した。



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