「第22回データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会 (SIG-DOCMAS)」にて3名の学生が発表しました

2022年11月22日に慶応大学矢上キャンパス/オンライン(ハイブリッド)にて開催された人工知能学会合同研究会2022「第22回データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会 (SIG-KBS)」に本研究室より平田航大さん(修士2年)、赤坂駿斗(修士2年)、劉兆邦さん(修士2年)が参加し、各々の研究について発表しました。

◆ 平田 航大,横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲:有季定型句の生成に向けた深層自己回帰モデルの実装と評価

概要:本論文では,人工知能俳句生成器の実装について述べる.

既存の俳句や文学研究を用いて言語モデルを学習し,perplexityなどの自動計算可能な評価指標を用いてモデル性能を評価し,さらにアンケート調査によって生成された俳句を主観的に評価した.本論文の主な貢献は以下の通りである. 第一に,自動計算可能な評価指標とアンケートによる主観的な評価結果を含む一連のモデル評価プロセスの有効性を検討したことである. これらのプロセスは,俳句生成モデルの開発において有効である.第二に,GPT-2やBARTなどの言語モデルを用いて高品質な俳句生成を実現し,人間が書いた俳句と同等の質の俳句を生成したことである. この研究で得られた知見は他の生成タスクにも応用可能であると考えられる.


◆ 赤坂 駿斗,横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲:複数プレイヤーの同時対戦を考慮したイロレーティングの拡張

概要:チェスや将棋などの2人制ゲームでは,プレイヤーの強さを推定して順位付けし,同じ強さの相手と対戦させるために,Eloレーティングなどのレーティングシステムが用いられている. 一般に用いられるEloレーティングは複数人の同時対戦を考慮していない.本稿では,複数人が同時対戦する競技における選手の強さを推定することを目的とし,Eloレーティングを拡張した手法を提案した. 本手法を実際に行われている競輪データに適用し,その性能を評価したところ,既存指標よりも高い精度を示した.


◆ 劉 兆邦, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲:Estimation of Household Kerosene Consumption Using DeepSets for Efficient Kerosene Delivery Plan

概要:多くの地域で灯油は暖房用の燃料として重要である.特に日本の寒冷地では配送会社が定期配送で顧客の灯油タンクへ給油している.しかし,配送会社は灯油残量がわからないため,良い配送計画の作成が困難である。加えて,既存のエネルギー消費量推定手法は一つの目標に集中しており,灯油のような複数の顧客を含んだ推定手法は少ない.私たちはDeep Setsに基づいたモデルを提案して,消費量と一日当たりの消費量を推定した.モデルはデータを拡張し,時間範囲内の情報を抽出している.また,Attentionを利用して各タイムステップの関連性を抽出する.本モデルは線形モデル,DNNモデルより精度が高いことを示した.また,長期的な給油に対して,LSTMモデルの精度よりも高いことがわかった.


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[第22回データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会 (SIG-DOCMAS)]