2020年2月21日配信

こんにちは。

北海道大学調和系工学研究室(川村秀憲教授、山下倫央准教授、横山想一郎助教)です。

今週末は三連休となりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

札幌は寒さのピークを過ぎたように感じますが、雪はまだ降っているので道路わきの雪山、雪壁が凄いことになっています。

雪国にお住まいでないと知らない方もいらっしゃると思いますが、この雪山をダンプトラックに積み込み、雪堆積場へ運搬する作業を排雪と呼びます。

除雪は道路上の雪をかき分け、通行可能なスペースを確保する作業になりますが、排雪は専用大型排雪車とダンプトラックで雪山を持ち去ってくれます。

これにより、すれ違えないほど狭くなっていた道幅が広がるので、車を運転する者にとっては排雪実施日がとても待ち遠しいです!

では、本日もどうぞよろしくお願いいたします。

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◇ 本日のTopics ◇

【1】調和系工学研究室WHAT’S NEW

【2】AIヨミ子の川柳

【3】調和系工学研究室共同研究事例

【4】今週のAI俳句ランキング

【5】人工知能・ディープラーニングNEWS

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【1】調和系工学研究室WHAT’S NEW

★AWLがリテール向けAIカメラソリューションを正式リリースしました

2月13日に、AWL株式会社がリテール向けAIカメラソリューションのAWL(アウル)、

「AWL BOX」「AWL Lite」の2サービスの正式リリースを発表しました。

AWLは本研究室の川村先生がCo-founder、研究室OB(2001年度修士課程修了)の土田 安紘氏がCTOを務める、リテール店舗の課題解決、価値向上を実現するためのAIカメラソリューションを開発、提供するベンチャー企業です。

「AWL BOX」( https://awl.co.jp/services/awl-box/ )は店舗内の既設の防犯カメラに接続することで、カメラの映像をリモート管理できるようにするとともに、店舗オペレーションで必要となる多様なAI機能を、SaaS(Software as a Service)形式で手軽に利用できるサービスです。

また、「AWL Lite」( https://awl.co.jp/services/awl-lite/ )は、Android OSのスマートフォンやタブレット、サイネージにインストールして、簡単にAI機能を利用できるサービスです。

2月12日(水)〜14日(金)に開催された、一般社団法人全国スーパーマーケット協会主催「第54回スーパーマーケット・トレードショー」の特別企画展である、「Future Store “NOW”2020」( http://fs-n.net/fsn2020/ )にてこれらの新サービスのデモ展示を行ない、3月3日(火)〜6日(金)にて開催される、日本経済新聞社主催の第36回流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2020」( https://messe.nikkei.co.jp/rt/ )においても、展示を予定しております。

ご興味のある方は、ぜひご参加ください。

[リテール向けAIカメラソリューションのAWL(アウル)、「AWL BOX」「AWL Lite」の2サービスを正式リリース]

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000046547.html

[AWL株式会社]

https://awl.co.jp/

★修士論文発表会が行われました

2月12日に修士2年生の学生5名の修士論文発表会が行われました。

皆さんお疲れさまでした。

[修士論文]

神戸 瑞樹

深層学習を用いた服飾画像の印象推定に関する研究

A study on Impression Estimation of Clothing Images using Deep Learning

「最近は、ずっと苦しんでいましたが、先生が根気強く付き合ってくれたおかげで何とか形になりました。ありがとうございます。」

木戸口 稜

深層学習を用いた車内モニタリングによる状態認識に関する研究

A Study on State Recognition with In-Cabin Monitoring using Deep Learning

「最後までスライドの手直しを手伝っていただいた先生方、また、発表準備や議事録を行ってくれた同研究室の学生の皆様に心より感謝を申し上げます。これからもこの経験を糧に頑張っていこうと思います。」

幡本 昂平

代替出勤依頼による勤務シフト調整に関する研究

A Study on Work Shift Adjustment by Substitute Attendance Request

「このたびの修論発表は先生方や同期の方の助けがなければ達成できないものでした。自分の未熟さを再認識させられることが多かったです。私は博士課程に進学するため、修論発表を通して得た経験を糧に研究を続けていきたいとおもいます。」

閔 捷

音響画像のデータ増強に関する研究

Study on Data Augmentation methods for Sonar Image Analysis

「自分の能力不足で、先生たちは僕を諦めなく、いろいろ指導して最後この研究を完成することができます。最終発表の前に全研究室の皆さんの団結も、すごく感動しました。一生の思い出になります。」

吉田 拓海

競輪車券の購買支援に向けたコンテンツ自動生成に関する研究

A Study on Automatic Content Generation for Purchasing Support of Bicycle Tickets

「修士は苦しい戦いでした。ここでの反省を活かして、博士課程ではより価値のある研究成果を出せるように精進します。」

★日本経済新聞の記事でAWLの監視カメラ向けAIサービス開始について取り上げていただきました

2月14日の日本経済新聞の記事で、AWL株式会社の総額8億1000万円の資金調達と監視カメラ向けAIサービスの開始について取り上げていただきました。

AWLは本研究室の川村先生がCo-founder、研究室OB(2001年度修士課程修了)の土田 安紘氏がCTOを務める、リテール向けAIカメラソリューションを提供するベンチャー企業です。

今回の調達は事業開発段階の「シリーズA」にあたり、調達した資金で、サービスを開始した小売店の監視カメラ向けAIサービス「AWL BOX」と「AWL Lite」を拡販していきます。

「AWL BOX」と「AWL Lite」についても紹介されていますので、ご興味のある方はぜひお読みください。

日本経済新聞

[AWL、8億円調達し監視カメラ向けAIサービス開始]

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO55625050U0A210C2XY0000?n_cid=kobetsu&s=5&fbclid=IwAR2ZxITs2YoCXFhpom3yiu8wmJox0MGft5oqR3hmmIryGPE-f9mOf_UarJM

★AI TOKYO LABがプログラム試作・AI技術調査を支援する「AIミニラボ」の提供を開始しました

2月18日より、AI TOKYO LAB株式会社がAI導入の技術的な支援を行う「AIミニラボ」の提供を開始しました。

AI TOKYO LABは本研究室の川村先生が上級技術顧問、研究室OB(2015年度博士課程修了)の小野 良太氏が代表取締役社長を務める、AIソリューション開発および人材育成サービスを展開するベンチャー企業です。

本サービスは、多くの企業がAIを導入・検討する上で課題としている「AIエンジニア人材の不足」や「AI技術に対する理解不足」に応える、AI技術の専門家による技術調査やプログラム試作等の技術支援を、最短1ヶ月からリーズナブルに利用できるサービスです。

今後は、技術的な知見を必要としているお客様に本サービスを提供し技術支援をしていくと共に、ビジネス上のご相談にもお応えするサービスを拡充し、お客様のAIを活用したビジネス展開をトータルでサポートしてまいります。さらに、既存サービスであるAIソリューション開発およびAI人材育成講座を通じて、お客様のAIに関する課題解決に貢献していきます。

本サービスにご興味のある方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

お問い合わせ先:https://lp.aitokyolab.com/service/minilab/

[プログラム試作・論文調査を支援する「AIミニラボ」を提供開始]

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000050253.html

[AI TOKYO LAB株式会社]

https://aitokyolab.com/

★テレビ北海道「けいナビ」でTILが紹介されました

2月15日に放送されたテレビ北海道「けいナビ」で、「北大発ベンチャー」をテーマにティ・アイ・エル株式会社が紹介されました。

毎週土曜日に放送される「けいナビ」は、北海道の経済について放送する番組です。

TILは本研究室の川村先生がCo-founder、博士2年に在籍する永田 紘也さんがCTOを務める、北大発認定ベンチャー企業です。

北大発ベンチャーとしてCTOである永田さんが、北大構内にあるインキュベーション施設「北大ビジネス・スプリング」とTILで開発しているサービスについて紹介しています。

TILも昨年から入居している「北大ビジネス・スプリング」は、経営面で様々なサポート受けられるだけでなく、調和系工学研究室から徒歩で20分ほどの距離にあるのも魅力の一つです。

また、本研究室と北ガスとの共同研究である、AIを使ったロードヒーティングを制御するコントローラやAIボイスレコーダーソリューションについても紹介されていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

テレビ北海道「けいナビ」

[大手企業も注目!北大発ベンチャー]

https://this.kiji.is/600237477459559521?c=462419638605612129

[ティ・アイ・エル株式会社]

https://tilab.jp/

【2】AIヨミ子の川柳

本日のヨミ子の川柳は、2月14日のNHK総合「ニュース シブ5時」(https://www4.nhk.or.jp/shibu5/) で放送されたものになります。

その週の話題のニュース画像からキーワードを自分で分析し、そのキーワードをお題に川柳を詠むヨミ子ですが、この川柳を詠むAIシステムを開発しているのが本研究室です!

ご紹介するのは注目ニュース「野村克也さん死去」から、お題「笑顔」で詠んだ句になります。

誰よりも 笑顔ならばと 思ってた

ニュース画像を見て、自分でキーワードを分析できるようになったヨミ子ですが、若かりし頃の野村監督と妻の沙知代さんが笑顔で写っている写真の画像から読み取ったキーワードは「笑顔」「顔」「写真」でした。

スタジオの第一声は「味わい深い!」「ちょっと泣けてくる」でした。

確かにお二人の笑顔の写真を見ながらだと、なおさら何か感じるものがある句だと思います。

笑顔ならば何とかなる!と、素晴らしい句をヨミ子が詠んでくれました。

本日の「ニュース シブ5時」(午後4時50分~午後6時10分)でも、ヨミ子が川柳を詠みますのでお楽しみに!

https://www4.nhk.or.jp/shibu5/

【3】調和系工学研究室共同研究事例

調和系工学研究室では、様々な企業と共同研究を行っています。

私たちはAIとはテクノロジーなのでハサミと一緒だと考え、切れるハサミはもちろん大事ですが、切れるハサミの研究ばかりを行うのではなく、ハサミで何を作るのかということも考えていかないといけないと思っています。

研究成果が学術的に意味があるだけでなく、その成果を直接誰かに使ってもらえるような形で研究を行いたいとの想いから、意識的に企業との共同研究を増やしています。

本研究室が行ってきた共同研究、また、現在進行中の共同研究事例をご紹介することにより、「AIでこんなことができるのか!」「こんなことはAIでできるのかな?」のヒントになれば大変うれしく思います。

本日ご紹介するのは北海道ガス株式会社との共同研究である、AIによるロードヒーティングの制御です。

雪が多く降る地域にお住まいでないと、ロードヒーティングと聞いてもピンとこないかもしれませんが、これは雪かきの省力化のためにボイラーをつけて道路を温めて雪をとかす装置です。

雪の多い北海道では、雪かきをしないと車が動かせなくなるほど積もるので、この雪かきがかなりの重労働になります。

そこで、大きな駐車場が必要な店舗や病院、集合住宅などではロードヒーティングが導入されているところが多くみられます。

従来では、壁に取り付けた水分検知型のセンサが水分を検知してボイラーを動かしますが、これは制御対象の路面積雪状態を考慮しないため、うまくいかないケースが多々あります。

雪がとけないことが一番困るので、長めにボイラーを動かしてしまい、その分運転コストがかかってしまうのです。

そこで本研究では、カメラで路面を撮影して積雪の有無を判定することを行いました。

路面の一部だけを撮影するのではなく全体像を捉えて判断し、ディープラーニングで学習させていくと、雪がまだ路面にあればボイラーをオンにし、なくなればオフにする制御が可能となります。

3シーズンほど実験を行ってみたところ、性能はそのままで駐車場のロードヒーティングのガス代を約40%から最大50%程度までカットすることができました。

100台規模の駐車場は年間500万円程度のガス代が必要になるので、この装置を使うと年間で約250万円のガス代が節約できます。

これをもし北海道の様々な場所に導入できた場合、節約したガス代で今まで導入ができなかったところにも導入できるといった道も開けることになり、より私たちの生活が便利で安全になるのではないでしょうか。

本共同研究は人工知能学会より2018年度現場イノベーション賞を受賞しており、現在、北海道ガスを含めて北大発認定ベンチャー企業であるTILで実際にサービス化しようと試作品を作っています。

本研究室のHP( http://harmo-lab.jp/?page_id=725 )でも様々な共同研究をご紹介していますので、ご興味のある方はこちらもぜひご覧ください!

【4】今週のAI俳句ランキング

AIが俳句を作る「AI俳句」の普及を目指して、本研究室を事務局として2019年7月に設立されたAI俳句協会のウェブサイトでは、AIが生成した俳句を人が評価して、評価結果を集約したAI俳句ランキング(月間・週間)の集計を行っています。

今週のランキングをご紹介したいと思います。

1位 唇の ぬくもりそめし 桜かな

2位 嘘よりも 深くなりけり 春の月

3位 水芭蕉 旧街道の 明るさに

すべて、本研究室が開発した「AI一茶くん」が詠んだ句になります。

「AI一茶くん」は1日1句投稿していますので、ぜひ俳句協会ウェブサイト(https://aihaiku.org) もご覧ください!

【5】人工知能・ディープラーニングNEWS

★新型コロナウイルスは、いかに拡散しているのか? その経路を人工知能がSNSから解き明かす

https://wired.jp/2020/02/09/how-ai-tracking-coronavirus-outbreak/

★ゲーマーの脳波から大量のロボットを動かす司令AIを開発するという試み

https://gigazine.net/news/20200207-gamer-brain-robot-ai/

★AIが前衛的で不気味な絵画を延々と描き続けるサイト「Art42」

https://gigazine.net/news/20200217-art42-infinite-stream-ai-art/

★Deep Java Library – Java開発者のための新たなディープラーニングツールキット

https://www.infoq.com/jp/news/2020/02/deep-java-library/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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調和系工学研究室教員

川村 秀憲教授

山下 倫央准教授

横山 想一郎助教

調和系工学研究室HP

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調和系工学研究室FB

https://www.facebook.com/harmony.hokudai

川村 秀憲教授FB

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