「社会システムと情報技術研究ウィーク in ルスツリゾート(WSSIT2024)」にて5名の学生が発表しました

2024年3月2日~5日にルスツリゾート(留寿都)にて開催された「社会システムと情報技術研究ウィーク(WSSIT2024)」に本研究室より、大倉 博貴さん(修士2年)、清水 雅之さん(修士2年)、千坂 知也さん(修士2年)、上前 諒輔さん(学部4年)、古田 悠華さん(学部4年)が参加し、研究発表を行いました。

[社会システムと情報技術研究ウィーク in ルスツリゾート(WSSIT2024)]


◆ 大倉 博貴, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : 路面画像と気象情報を用いた除雪出動決定支援システムの開発, 第49回社会におけるAI研究会(SIG-SAI)

概要:
本研究では,冬季の積雪地帯における道路除雪業務の重要性とその課題に焦点を当てている.特に,道路除雪業務が16時から翌日2時までの時間帯の除雪出動の流れにおいて難しさを抱えている.
問題として挙げられるのは,16時の出動判断がその後の天候変化や道路状況によって覆されることが多いことである.このため,実際の除雪作業員は16時に出動がないと判断された場合でも出動に備える必要があり,これが大きな負担となる.雪見巡回は積雪状況を確認する手段として行われているが,深夜の雪道での走行は危険が伴う.
研究では,Visual analytics を活用し,積雪状況や気象情報を担当者に視覚的に提供することで出動判断の支援を行う.また,除雪作業員にも情報を共有し,変更される可能性のある出動判断に備えさせる.定点カメラからのリアルタイムな道路画像の取得と気象情報の収集を行い,これらをシステム上で可視化して担当者の意思決定を補完する.これにより,雪見巡回の手間を軽減し,効果的な出動判断を促進する.
更に,深層学習を用いた積雪割合推定モジュールの提案や,除雪出動予測機能の検討も行う,これらの取り組みにより,現場の作業員や担当者の負担軽減と,効率的な道路除雪業務の実現を目指す.

発表原稿は [人工知能学会「社会における AI」研究会 第49回研究会]webサイトに掲載されています。
[大倉 博貴, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : 路面画像と気象情報を用いた除雪出動決定支援システムの開発]


◆ 清水雅之, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : 配送計画問題における道路ネットワーク階層化を用いた経路探索手法の提案, WSSIT2024 , 人工知能と知識処理研究会(AI)

概要:
本論文では,ドライバーの細街路に対する選好を考慮した経路探索に向けた道路ネットワークの階層化手法を提案する.
提案手法では,ネットワーク分析の中心性指標の一つである媒介中心性に基づき階層化ネットワークを構築する.
提案手法の有効性を検証するために,複数のドライバーの細街路への選好を用意し,札幌市の中心市街14km四方の道路ネットワークを対象とした計算機実験を行い,経路探索の総計算時間及び経路のコストを評価する.

発表原稿は[電子情報通信学会 研究会]webサイトに掲載されています(お読みになるにはログインが必要です)


◆ 千坂 知也, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : 代替出勤者の選定業務における依頼順決定戦略の検証, 第25回データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会(SIG-DOCMAS)

概要:
シフト制の職場にて従業員の欠勤が発生した場合、管理者は代替出勤者を選定し、勤務表を修正する必要がある。
従来手法では、代替従業員の選定と同時に発生する制約違反を解消するため、勤務表を再生成し、全従業員に再び周知しなければならなかった。
これに対し、本研究では代替出勤しても制約違反の発生しない従業員から代替出勤者を選定し、管理者,従業員の負担を軽減する手法を取り扱う。
この場合,代替出勤の候補となる従業員への代替出勤依頼の順序が管理者の負担に影響を及ぼす。
本研究では、従業員の依頼受諾確率、代替出勤の履歴、および今後の勤務スケジュールをもとに作成した複数の代替出勤依頼の順序に関する戦略を提案し、評価する。
多くのパラメーターセットにおいては,受諾確率に基づく戦略と、代替出勤の履歴と将来の勤務スケジュールを使用した戦略の間に未充足人数の観点では大きな差はなかったが、受諾確率を使用した戦略のほうが未充足人数を減少させる傾向にあった。
特に戦略間で未充足人数に大きな差があるパラメーターセットでは、管理者による依頼回数と、未充足人数との間にトレードオフの関係が存在することを示した。

When employees are absent in a shift-based workplace, managers need to choose substitute employees and adjust the shift schedule.
Traditional methods involve selecting substitute employees and adjusting constraints simultaneously, requiring regeneration of the schedule and making it known again to all employees.
In contrast, the method identifies employees who can substitute without violating constraints, reducing burdens.
However, the order of requests affects the manager’s burden.
We propose a strategy for multiple request orders and evaluate using employee acceptance probability, substitute history, and upcoming work schedule.
Although there was not much difference between strategies using acceptance probability and strategies using substitute attendance history and future work schedule, results show acceptance probability strategies reduce the insufficient number of employees, and a trade-off exists between the number of requests by managers and the insufficient number of employees, especially in parameter sets with large differences.

発表原稿は[データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会]webサイトに掲載されています(お読みになるにはログインが必要です)


◆ 上前 諒輔, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲, 福原 聡子, 永田 功 : 大規模言語モデルを用いたマニュアル向けの文章修正手法の提案と評価, 第213回知能システム研究発表会

概要:
マニュアルに記載する文章は,利用者が内容を素早く明確に理解できることが重要である.
しかし,利用者が内容を素早く理解できる文章表現を用いる技術の習得は容易ではない.
本論文では,マニュアルに適する文章の作成支援のため,大規模言語モデルを用いて入力文章にライティングルールを適用する文章修正の手法を提案する.
マニュアル作成の専門家およびマニュアル制作企業の従業員による検証実験の結果,ライティングルールに基づく判定と,修正候補の文章の生成が可能であることが確認された.
提案手法をマニュアル作成の現場で用いることで,マニュアルに適した文章の作成が容易になることが期待される.

発表原稿は [情報処理学会 情報学広場] webサイトに掲載されています。


◆ 古田 悠華, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : 画像生成モデルを用いた想像表象の具体化支援 , WSSIT2024 , 社会情報学会 関西支部研究会

概要:
オーダーメイドの衣服デザインは、イメージの具現化が困難であるため、注文することが困難である。
本研究の目的は、オーダーメイド服のデザインの作成を支援することであり、そのための手段の一つとして、印象タグと画像を用いた想像表象の具現化を支援する対話型衣服画像生成システムを構築した。
本システムは、ユーザが選択した印象タグと画像から生成された画像を評価することを繰り返すことで,ユーザの思考を反映した衣服画像を生成する。
被験者による実操作とアンケート回答によりシステムの性能を評価した結果、オーダーメイド衣服の注文時に想像表象を具体化し、衣服のデザインをユーザに伝えることを支援するシステムの有効性が確認された。

People find it difficult to order custom-made clothing designs because they have difficulty in materializing their imaginary representations.
The purpose of this research is to support the creation of custom-made clothing designs, and as one means of achieving this goal, an interactive garment image generative system was constructed to support the materialization of imaginary representations using impression tags and images.
The system allows the user to select impression tags and images and generates clothing images that reflect the user’s thoughts through multiple interactions.
The performance of the system was evaluated through actual operation by the subject and responses to a questionnaire, and the results confirmed the effectiveness of the system in materializing imaginary representations and assisting the user in communicating the design of a garment when ordering custom-made clothing.

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