「電子情報通信学会 ソフトウェアサイエンス研究会(SS) / システム数理と応用研究会(MSS)」にて2名の学生が発表しました

2024年1月17日~18日に金沢商工会議所会館(石川県金沢市)/オンライン(ハイブリット)にて開催された「電子情報通信学会 ソフトウェアサイエンス研究会(SS) / システム数理と応用研究会(MSS)」に本研究室より大江 弘峻さん(博士2年)、西浦 翼さん(博士2年)が参加し、各々の研究について発表しました。

[電子情報通信学会 ソフトウェアサイエンス研究会(SS) / システム数理と応用研究会(MSS)]


◆ 大江 弘峻, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲, 多田 満朗 : 在庫配送計画問題におけるローリングホライズン方式の導入効果の検証

概要: 在庫配送計画問題 (Inventory Routing Problem, IRP) は,主に生産拠点を持つ配送業者が顧客への配送タイミング,配送数量,配送順を決定するような業務を組み合わせ最適化問題として定式化したものである.
本稿では,IRP における問題分割手法の 1 つであるローリングホライズン方式を用いたヒューリスティックを提案する.
ローリングホライズン方式について,性質から事前に想定される,有効性が変化する状況を IRP ベンチマークのパラメータを調整することで作成し,実験によってローリングホライズン方式の有効性を検証した.
具体的には,ローリングホライズン方式から得られる下位問題の顧客数が調整可能なインスタンスより,消費量が小さく下位問題の顧客数が少なくなる状況では,解の精度を保ちつつ,計算時間が削減可能であることが確認された.
また,初めて在庫不足になる日付の調整が可能なインスタンスによって,ウィンドウサイズよりも後の日付で初めて残量不足が起こる顧客が多いと,ローリングホライズン方式を用いない場合と比較して,解の評価値のギャップが増加することが確認された.


◆ 西浦 翼, 横山想一郎, 山下倫央, 川村秀憲, 人物追跡法を用いたバス乗客のOD推定における不適データセグメントの調整手法の開発

概要:路線バスにおける乗客の移動を集計した OD(Origin-Destination) データを収集するため,バス乗客の乗降動画を用いた乗客 OD 推定システムの開発を進めている.
本稿では,乗客 OD 推定システムの推定精度を向上させるための不適データセグメントの処理手法の開発をおこなう.
不適データセグメントとは,人物検出器で推定された矩形を人物追跡器に入力する際に精度低下の要因になり得る矩形や,人物追跡時に発生した ID スイッチを含む軌跡である.
この不適データセグメントが人物検出や人物追跡の精度低下の要因となる.矩形の大きさや位置,軌跡同士の重なりなどから不適データセグメントを取り除く手法の開発をおこなう.
不適データセグメント処理手法を用いた乗客 OD 推定システムを実際の路線バスで収集したバス乗客の動画データに適用して,OD の推定精度の向上が可能であることを確認した.

We are advancing the development of a passenger Origin-Destination (OD) estimation system using bus passengerboarding and alighting videos, to collect OD data reflecting passenger movements on route buses.
This paper focuses on developing methods for processing inappropriate data segments to improve the estimation accuracy of the passenger OD estimation system. Inappropriate data segments refer to rectangles that may cause accuracy degradation when input into the person tracker from the person detector, and trajectories that include ID switches occurring during person tracking.
These nappropriate data segments are factors in reducing the accuracy of person detection and tracking.
We develop methods to remove inappropriate data segments based on the size and position of the rectangles and the overlap between trajectories.
The application of the inappropriate data segment processing method to the passenger OD estimation system was tested on actual route bus video data, confirming the possibility of improving OD estimation accuracy.


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