2019年10月18日配信

こんにちは。

北海道大学調和系工学研究室(川村秀憲教授、山下倫央准教授、横山想一郎助教)です。

今年の秋は全国的に平年より暖かいとのことですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

札幌はさすがに朝晩と冷えるようになり、先週末には雪虫が飛びました。

北海道以外にお住まいの方は「ユキムシ」と聞いてもピンとこないと思いますが、この雪虫は初雪が近くなると飛び交うと言われています。

4ミリほどの大きさのアブラムシの通称で、白い綿状のものを付けて飛び交う様子が雪が降っているように見えることから「雪虫」と呼ばれているそうなので、札幌もいよいよ今月中に初雪が降るかもしれません!

では、本日もどうぞよろしくお願いいたします。

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◇ 本日のTopics ◇

【1】調和系工学研究室発ベンチャー企業

【2】調和系工学研究室WHAT’S NEW

【3】AIヨミ子の川柳

【4】今週のAI俳句ランキング

【5】人工知能・ディープラーニングNEWS

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  • 調和系工学研究室発ベンチャー企業

調和系工学研究室では、研究における技術の理論的側面ばかりを追うのではなく、その成果を誰かに使ってもらうことで利便性が向上する、社会が変わるといったことが大事だと思っています。

そのためには、私たちの研究が日々社会の中で評価され、様々なニーズや課題がダイレクトにフィードバックされる環境におかれることが重要と考えます。

このような想いから、研究室のスタッフ、学生、OBが中心となって様々なベンチャー企業を設立していますので、皆さまにも興味を持っていただけましたら大変嬉しく思います。

本日ご紹介するのは、北大発認定ベンチャー企業である株式会社調和技研です。

本研究室の川村先生がファウンダーで社外取締役を務めており、本研究室のOBたちも在籍している調和技研は、企業が抱える実課題から先端的研究領域と開発作業領域を分離し、本研究室と共同で作業を行いながらワンストップで解決策を提供するインターフェースの機能を担っています。

本社は、調和系工学研究室から徒歩で20分ほどの北大北キャンパス「北大ビジネススプリング」にあり、調和技研に在籍する情報科学の博士をもった研究員と本研究室のメンバーが多様な共同研究を進めており、大学での研究成果が実際に社会の役に立つ事例を着実に積み重ねています。

教育研究を行うという大学のミッションにおいても、実学の探求を通して高い教育効果を実現することができています。

また、オフショア開発事業を手掛ける株式会社BJITと業務提携し、12月にバングラディシュのダッカ市内にAI開発拠点を設立します。

ダッカ大学とも提携し、共同研究だけでなくAIの人材育成も進めながら、やる気に満ちた優秀な若者に活躍の場を多数提供できるよう取り組みます。

[株式会社調和技研]

https://www.chowagiken.co.jp/

【2】調和系工学研究室WHAT’S NEW

★ネインがヒアラブルデバイスを用いた音声UIによるビルメンテナンス向け音声点検サービスを開発しました

株式会社ネインがヒアラブルデバイスを活用した音声UIによる、ビルメンテナンス(ユーティリティ設備の保守・点検・記録作業)や建設現場等に向けた音声点検サービスを高砂熱学工業株式会社と共同開発し、2020年1月以降、本格導入を進めていくことを、10月9日に発表いたしました。

株式会社ネインは本研究室のOBである山本 健太郎氏が代表取締役兼CEOを務めている、音声UIデザイン、AI技術開発、コネクテッド・カーについての開発を行い、企画からデザイン、回路設計、組み込み、アプリ、クラウドソフトウェア開発をすべて自社で行うことで高効率、かつハイスピードなモノづくりを進めているベンチャー企業です。

本サービスの導入により、ビルメンテナンス、建設分野を始めとするフィールドワーキング現場のデジタル・トランスフォーメーションを推し進め、働き手不足に悩む現場の生産性向上、将来的には現場作業者のリアルタイムでの体調管理等に大きく貢献できることが期待されます。

[ネイン、ビルメンテナンス向け音声点検サービスを開発]

https://www.nain.jp/ja/news/construction_site_nain/

[株式会社ネイン]

https://www.nain.jp/ja/

★情報処理北海道シンポジウム2019にてポスター賞を受賞しました

10月5日に北海道大学で開催された情報処理北海道シンポジウム2019(https://hokkaido.ipsj.or.jp/info2019/) にて、学部4年の織田 智矢さんがポスター発表を行い、本発表にてポスター賞を受賞しました。

織田 智矢, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 (北海道大学), 蕨野 貴之, 大岸 智彦, 田中 英明 (KDDI総合研究所) : 自動運転車両の群制御に向けた RC カーを用いたシミュレーション環境の構築, 情報処理北海道シンポジウム2019, 17, 北海道(2019)

発表を行った織田さんには興味をもった研究発表、及び、学会に参加して気づいた問題点と最近の動向についてレポートしてもらいました。

「分割した集団の学習による役割分担の獲得」荒木 関渉・野口 渉・飯塚 博幸・山本 雅人(北海道大学)

この研究では今年(2019年)にGoogle DeepMindから発表された強化学習手法 For The Win(FTW)を改良し、協調行動を行うタスクで収束が早く、より良いスコアを出していました。

FTWのアルゴリズムは最初にagentを複数用意し、その中からランダムにagentを選び出し自己対戦させ、それぞれのagentで強化学習を行います。

そして全てのagentを評価し、評価値が高いagentを増やしていくような進化計算を行います。

この提案手法では、agentの進化計算を行う集合を分割し、それぞれ別の集合から選ばれたagent同士を対戦させるような工夫を行っていました。(同じ集合のagent同士は自己対戦しない)

これにより、役割が明確なタスクではFTWよりも良いスコアとなり、役割が明確でないタスクに対しては収束が早いという結果が見られていました。

実際にこの提案手法でより複雑なタスクを与えたときでもFTWよりも良い結果となるか気になるところです。

近年ではニューラルネットなどの学習器にデータを与えてこれぐらいの精度がでましたというような研究は少なく、プラスαで何か工夫が求められているような気がしました。

例えば、ニューラルネットを用いたシステム構築までを行い、現実のデータで動かすというような研究などです。

また、本シンポジウムで最も多いと感じたのが機械学習系の分野ですが、近年流行りのニューラルネットだけでなく、決定木を用いた研究や強化学習を用いた協調行動の研究など、幅広い発表がありました。

今年は北海道大学で開催ということもあり、参加者の半数以上が北大生でした。

本シンポジウムでは、機械学習関連だけでなく多岐にわたる研究分野での発表があり、非常に良い刺激を頂きました。(織田 智矢)

【3】AIヨミ子の川柳

本日のヨミ子の川柳は、10月4日のNHK総合「ニュース シブ5時」(https://www4.nhk.or.jp/shibu5/) で放送されたものになります。

その週の話題のニュースをお題に川柳を詠むヨミ子ですが、このAIシステムを開発しているのが本研究室です!

ご紹介するのは注目ニュース「消費税率10%」から、お題「税金」で詠んだ句になります。

税金を 確かめている 妻の声

詠んだ後、スタジオが一瞬「おっ!」となるほど今回は良い句でした!

「情景がちゃんと浮かびますね。」

「特に税金で軽減税率などもありますので、これ10%なのか8%なのかレシートとかを確かめているのかもしれないですよね。」

「よくできましたヨミ子!」と、今回は初めて拍手までいただけました。

また次回も褒められるよう、ぜひ頑張ってほしいと思います。

【4】今週のAI俳句ランキング

AIが俳句を作る「AI俳句」の普及を目指して、本研究室を事務局として2019年7月に設立されたAI俳句協会のウェブサイトでは、AIが生成した俳句を人が評価して、評価結果を集約したAI俳句ランキング(月間・週間)の集計を行っています。

今週のランキングをご紹介したいと思います。

1位 しあはせの 茎から折れる 杏かな

2位 草の花 土に浮きたる いくさかな

3位 秋風や 魂魄太る 白いシャツ

すべて、本研究室が開発した「AI一茶くん」が詠んだ句になります。

「AI一茶くん」は1日1句投稿していますので、ぜひ俳句協会ウェブサイト(https://aihaiku.org) もご覧ください!

【5】人工知能・ディープラーニングNEWS

★Googleが自然言語処理の弱点「言い換え」を克服するデータセットを公開

https://gigazine.net/news/20191004-paws-x-dataset-google/

★「実際に合成可能な分子」を生成する画期的な分子生成モデル

https://ai-scholar.tech/treatise/moleculechef-ai-227/

★不動産業界におけるデジタルマーケティングの最新技術を一挙にご紹介する

【 ESO テクノロジーサミット2019 】 in TOKYO

https://www.e-state.ne.jp/summit/2019/?utm_source=20191008&utm_medium=email

★元UberのPMが語る、自動運転の現実と未来

https://ledge.ai/lionbridge/

★AI記者、AI小説家、そしてAI作曲家も――創作する人工知能を支える技術

https://www.itmedia.co.jp/news/spv/1910/07/news043.html

★データの可視化に便利なサイト

https://www.data-to-viz.com/

★複雑な構造のCNNでも演算量を80%削減、認識精度の劣化も約1%に抑える

https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/spv/1909/10/news039.html

★データサイエンティストでない人に、データサイエンティストっぽく働いてもらおう

https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1910/07/news014.html

成功した機械学習モデル150個を分析してわかったことまとめ、Booking.comの場合

https://gigazine.net/news/20191009-machine-learning-booking-com/

★AIの専門家が「今からAIの暴走を心配するのは早すぎ」との楽観論に徹底反論

https://gigazine.net/news/20191011-not-too-soon-wary-ai/

★竹中工務店、SNS投稿をAIが分析しまちの状態可視化 「ソーシャルヒートマップ」開発

https://news.nicovideo.jp/watch/nw6052610

★三菱電機、AIでカメラ映像から特定の動作を自動検出する「骨紋」開発

https://news.mynavi.jp/article/20191010-907603/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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調和系工学研究室教員

川村 秀憲教授

山下 倫央准教授

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