川村秀憲著『10年後のハローワーク これからなくなる仕事、伸びる仕事、なくなっても残る人』、川村教授の受賞リポートをお届けします/harmolab127

こんにちは。
北海道大学調和系工学研究室(川村秀憲教授、山下倫央准教授、横山想一郎助教)です。

今号のメルマガでは、川村教授の著書『10年後のハローワーク これからなくなる仕事、伸びる仕事、なくなっても残る人』より、「第四章 学びとキャリアの未来」の一部を抜粋して紹介します。
第四章では、もしも教育の現場に「生成AI」がやってきたらどうなるのか、について、子を育てる親であり、同時に教育者でもある川村教授が論考しています。
興味のある方はぜひお読みになってください。

また、国立研究開発法人科学技術振興機構、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構主催「大学発ベンチャー表彰2024」において、北大発認定スタートアップのAWL株式会社と川村教授が「新エネルギー・産業技術総合開発機構理事長賞」を受賞致しました。
その内容をレポートさせていただきます。

それでは、本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2024年8月23日配信
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■ 本日のTopics
【1】10年後のハローワーク
【2】受賞リポート
【3】第4回人工知能・調和系工学研究発表会
【4】調和技研エンジニアブログ
【5】研究室に関連するベンチャーのニュース
【6】人工知能・ディープラーニングNEWS
【7】調和系工学研究室関連企業等NEWS
【8】AI川柳
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【1】10年後のハローワーク
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(「第四章 学びとキャリアの未来」より一部を抜粋)

◆ 働き方が変わる時代の「学び方」

この本で繰り返し述べてきたとおり、働き方は変わります。
自分で判断し、したいことをできる人が生き残ることになります。

これまでは、ある程度均質な知的レベルでそろっていること、標準的な内容をみんなができる教育が理想であり、すでにある教育内容のなかで理解度や暗記の度合いを競う仕組みになっていました。
そこに「下積み時代」の新人教育を施すことで、ある意味カスタマイズをしてきたわけです。

今後は、社会自体がそうではなくなります。

AIが教師や親よりも物知りであることと同時に、教育の目的もまた、いままでのような「人の標準化・大量生産」ではミスマッチになるでしょう。

教育現場の一部では、すでに未来を見据えた動きが出ています。

2023年4月に徳島県に新設された神山まるごと高等専門学校。
テクノロジーとデザイン、そして企業家精神を養い、「モノを作る力で、コトを起こす人。」になることを目指す人物像に据えた高専で、「高等専門学校」という既存の教育システムを上手く利用し、まさに自分で決断できる人になるための教育を集中して受けられる画期的な試みです。

いままで日本の学校で行われていた教育内容、そしてその成果は、AIによって代替されます。
そのほうが経済的に合理的なのですから、教育の側からはコントロールできません。

AIを教育に使ったり、子どもにAIの利用を許したりすれば、AIが正解を教え、レポートを書いてしまうために悪影響が懸念されると言います。

私ならこの考え方には、「AIに簡単に答えられるような設問自体、もう教育する必要はない」とお答えします。
トートロジーのようですが、なぜならそんなことはもうAIに任せてしまえばいいからです。

むしろ反対に、子どもには好きなだけ生成AIを使わせればいいのです。

気になったことはどんどんAIに聞いてもらい、その答えを受けてさらに問答を重ねます。これはまるで、ソクラテスとの対話です。
誰もがスマホのなかに自分だけのソクラテスを保有し、好きなように活用できるわけです。

学びたい側自身が、AIと対話することで、本当に知りたいこと、自分が深く学ぶべきことを、素早く、しかも確実に見つけ出していけます。
その先にあるのが、AIには代替できない世界なのだと思います
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続きが気になる方はぜひ本書をお読みいただければありがたいです
[川村秀憲著『10年後のハローワーク これからなくなる仕事、伸びる仕事、なくなっても残る人』(アスコム, 2024)]
ご意見・ご感想はこちらからお願いいたします
http://harmo-lab.jp/contact


【2】受賞リポート
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◇ 「大学発ベンチャー表彰2024」にてAWLと川村教授が受賞しました

2024年8月22日、東京ビッグサイトにて表彰式が行われた「大学発ベンチャー表彰2024 ~Award for Academic Startups~」にて、北大発認定スタートアップであるAWL株式会社と川村教授が「新エネルギー・産業技術総合開発機構理事長賞」を受賞しました。

川村教授はAWL株式会社の創業に携わり、現在は、上級技術顧問を務めています。
AWL株式会社とともに、AWLの支援大学として、この賞をいただきました。

詳細は下記「大学発ベンチャー表彰」webサイトよりご覧いただけます。
https://www.jst.go.jp/aas/award.html

尚、今回の受賞について、8月22日付の北海道新聞デジタル版で取り上げていただきました(お読みになるにはログインが必要です)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1053405/

[大学発ベンチャー表彰]
[AWL株式会社(北大発認定スタートアップ)]


【3】第4回人工知能・調和系工学研究発表会
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◇ 川村研究所「第4回人工知能・調和系工学研究発表会」および「新秋会(交流会)」を開催します

2024年9月24日(火)にIKEUCHI GATE 4F IKEUCHI Lab(札幌市)にて、川村研究所「第4回人工知能・調和系工学研究発表会」および「新秋会(交流会)」を開催します。
前回と同様に学生による研究発表と、参加企業によるディスカッションを計画しておりますので、引き続き、多くの皆様にご参加いただければありがたいです。

開催内容の詳細は下記PDFよりご覧いただけます
http://harmo-lab.jp/wp/wp-content/uploads/2024/08/川村研究所20240924.pdf

参加ご希望の方は下記フォームよりお申込みください
https://forms.gle/JSA46owJ7YAPtp1o7
※参加申込締切は2024年9月10日(月)

[川村研究所]


◇ 9月23日 (祝・月)にKAWAMURAオープンを開催します

メルマガ号外でもお知らせさせていただきましたが、9月24日に開催する「第4回 川村研究所・研究発表会」に合わせ、連動イベントとして、研究所参加有志による親睦ゴルフコンペを9月23日 (祝・月)に開催する運びとなりました。
当日は川村教授も参加予定ですので、ご興味のある方はぜひご参加いただければありがたいです。

詳細及び参加申込はこちらからご覧いただけます。※参加申込締切は2024年8月31日(土)
https://forms.gle/KU4nRNvrN1Vwnhrj9


【4】調和技研エンジニアブログ
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北大発認定スタートアップである株式会社 調和技研は、同社のwebサイトにて、エンジニアによるブログを公開し、AIの最新動向、事例、ノウハウなどを紹介しています。最近の記事をご案内いたしますので、ご興味のある方はぜひお読みになってください。

ChatGPTのAPI利用料金比較|最新モデルGPT-4o miniも検証(8/20公開)
GPTのAPIを実際に使ってOpenAIのUsageページで金額を確認し、どのくらいの金額がかかるのかを検証しています。
#ChatGPT


【5】研究室に関連するベンチャーのニュース
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◇ 「AI博覧会 Summer 2024」に調和技研が出展します

2024年8月29日(木)・30日(金)にベルサール渋谷ファーストで開催されるリアルAIイベント「AI博覧会 Summer 2024」に株式会社調和技研がブース出展します。
株式会社調和技研のブースでは、特にお問い合わせの多いChatGPT/LLMや受託開発サービスの事例を紹介するとともに、当展示会で初公開となるデモンストレーションも用意していますので、ご興味のある方はぜひ足をお運びいただければありがたいです。

イベント詳細および来場登録は以下よりご確認いただけます
https://aismiley.co.jp/ai_hakurankai/2024_summer_visitor/

日時:2024年8月29日(木)、30日(金) 9:30〜18:00(最終日は17:00まで)
会場:ベルサール渋谷ファースト
主催:AIsmiley
後援:一般社団法人日本ディープラーニング協会

川村教授は株式会社調和技研の社外取締役をつとめています

[AI博覧会 Summer 2024]
[株式会社調和技研(北大発認定スタートアップ)]


◇ 調和技研が企業のDX推進を支援する生成AIチャットサービス『AIWEO for ヘルプデスク』を今年の秋冬に提供開始します

企業のAI開発・導入支援等を手がける株式会社調和技研がこれまで培ってきたAI技術開発力を活かし、企業のヘルプデスク業務を支援する生成AIチャットサービス『AIWEO(アイウェオ) for ヘルプデスク』の提供を2024年秋〜冬に正式開始します。

詳しい内容は以下よりご覧いただけます
https://www.chowagiken.co.jp/news/aiweo_helpdesk_20240801

川村教授は株式会社調和技研の社外取締役をつとめています

[AIWEO for ヘルプデスク]
[株式会社調和技研(北大発認定スタートアップ)]


【6】人工知能・ディープラーニングNEWS
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★ 【申込受付中】札幌AI人材育成プログラム「E資格チャレンジ」受講生の募集(SAPPORO AI LAB )
札幌AIラボでは「札幌AI人材育成プログラム」の一つとして、DX推進やAI活用に向け実践力を備えたAIエンジニアを育成する「E資格チャレンジ( https://www.s-ail.org/engineer/ )」の令和6年度の受講生を募集しています。

GitHub、「GitHub Models」発表–主要AIモデルの試用をプレイグラウンドで可能に
GitHubは米国時間8月1日、「GitHub Models」を発表した。「GitHub」を利用する1億人を超える開発者がAIエンジニアとなり、業界をリードするAIモデルで構築できるようになると同社最高経営責任者(CEO)のThomas Dohmke氏は同社ブログへの投稿でアピールする。

Meta、オープンソースの最新LLM「Llama 3.1」を発表。最大4050億のパラメータを持つ、高性能なモデル
米Meta社は、オープンソースの最新LLM「Llama 3.1」を2024年7月24日に発表しました。このモデルは、最大4050億のパラメータを持ち、長さ1280のコンテキストや8言語のサポートや、柔軟性や制御性に優れていて、一般知識や多言語翻訳などの最先端機能を持つ高性能なAIモデルです。

OpenAI、高性能なAI生成テキスト検出ツールのリリースを保留中との報道
米Wall Street Journalは、OpenAIがChatGPTで生成されたテキストを検出する高性能なツールをほぼ完成させているが、そのリリースを巡って社内で論争が起きていると報じました。

ファミマの店長を支援する「人型AIアシスタント」に生成AI 店舗マニュアル検索可能に
ファミリーマートは、店舗運営に必要な情報を店長に提供するAIアシスタント「レイチェル」「アキラ」に生成AI機能を搭載し、業務マニュアルの音声検索などが可能にしたと、8月2日に発表した。

GPT-4を超える日本語性能のLLM、PFN子会社がフルスクラッチで開発 無料トライアルを開始
AIスタートアップ・Preferred Networks(PFN)の子会社であるPreferred Elementsは8月7日、大規模言語モデル「PLaMo β版」の無料トライアルの申し込み受付を始めたと発表した。

「著作権トラップ」――生成AIに作品を“無断盗用”されたか後から証明する方法 英ICLなどが開発
英インペリアル・カレッジ・ロンドンなどに所属する研究者らは、大規模言語モデル(LLM)の訓練データに著作権所有者の作品が含まれているかを特定する方法を開発した研究報告を発表した。

Apple開発の画像生成AI「マトリョーシカ拡散モデル」、iPadでリアルタイムに動画を理解するGPT-4V超えAI「MiniCPM-V 2.6」など生成AI技術5つを解説(生成AIウィークリー)
Stable Diffusion開発チームの新会社Black Forest Labsによる画像生成AI「FLUX.1」が注目を集めています。動画生成AIの「Gen 3」との組み合わせによる映像や、LoRAやControlNetなどの周辺技術も登場しています。そして、Black Forest Labsはテキストから動画を生成するText to Videoの予告を公開しました。

科学研究をAIで全自動化──論文執筆や査読ができる「The AI Scientist」 Sakana AIが発表
AIモデルを使って、科学研究を自動化できないか?──AIベンチャーのSakana AI(東京都港区)は8月13日、そんな需要に対応するAIシステム「The AI Scientist」を発表した。事前準備を行うだけで、人間が一切介入することなく、研究アイデアのブレインストーミングから文献調査、実験、論文執筆、査読までをAIが全自動で行うという。

住信SBIネット銀行、AIによる電話対応を開始 GPT-4o搭載バーチャルアシスタントがオペレーター代わりに
住信SBIネット銀行は8月19日、カスタマーセンターの電話窓口でAIによる自動対応を始めたと発表した。米OpenAIの大規模言語モデル「GPT-4o」を搭載したバーチャルアシスタントが、顧客からの問い合わせに対応することで、待ち時間削減などの効果が狙えるという。

「これ、シミュレーションなの?」 リアルな運転シーンを生成するAI 自動運転ベンチャーが発表
自動運転車の開発に取り組むスタートアップ・Turing(東京都品川区)は8月14日、日本初の自動運転向け生成AIモデル「Terra」を開発したと発表した。Terraでは、リアルな運転シーンの動画を出力することが可能。自動運転システムを開発をする際のシミュレーターとして利用できるという。


【7】調和系工学研究室関連企業等NEWS
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国交省 SBIRフェーズ3基金事業に採択と次世代浸水検知システムの開発に関するお知らせ(ゼロスペック株式会社)
ゼロスペック株式会社(本社:北海道札幌市、代表者:多田 満朗、以下ゼロスペック)は、国土交通省の「令和4年度補正予算 国土交通省 中小企業イノベーション創出推進事業」低炭素推進機構補助金(SBIR)に採択されたことをお知らせいたします。

【北海道新聞】腕時計型端末で入居高齢者の健康状態把握 札幌・サンクレエ開発(株式会社サンクレエ)
ソフトウエア開発・販売のサンクレエ(札幌)は、高齢者らが身に着けることで健康状態を把握できる腕時計型端末を開発した。来年にも介護施設向けに発売する。施設運用に必要な業務を効率化し、管理者の負担を減らす狙い。海外での販売や医療分野への活用も視野に入れている。

ホテルの部屋割り業務効率化ツール「RooMagic」の新バージョンをリリース 横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズに導入決定(株式会社クレスコ)
ホテルの部屋割り業務最適化ツール「RooMagic(ルーマジック)」の新バージョンをリリースいたしました。RooMagicは、相鉄ホテル株式会社が展開する横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ様での導入が決定しております。

網屋のカンタンSIEM「ALog」とハンモックの統合型IT運用管理「AssetView」が連携(株式会社網屋)
この度の連携で、「AssetView」の能動的なモニタリングよって取得した、クライアントPC内での個人情報や機密データの操作ログを「ALog」に連携し、「ALog」が他システムのログと統合的に管理することで、情報漏えいなどの迅速な検知・網羅的な分析および追跡が可能になります。

日本保全学会主催「第20回学術講演会」にて、株式会社JALエンジニアリング様と当社の共同研究の取り組みを発表いたしました(株式会社クレスコ)
2024年8月5日(月)~8日(木)に開催された、日本保全学会主催「第20回学術講演会」にて、株式会社JALエンジニアリング様と当社の共同開発の取り組みを発表いたしました。


【8】AI川柳
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調和系工学研究室では、毎日新聞社「仲畑流万能川柳」や第一生命保険「サラリーマン川柳」を学習用の教師データとした「AI川柳」に取り組んでいます。

2020年3月までの1年間「NHK総合 ニュースシブ5時」にて、その週の話題のニュースのキーワードをお題に、バーチャルアナウンサー「ニュースのヨミ子」さんが詠んでいたAI川柳も、本研究室が開発した人工知能システムです。
多くの皆さんに楽しんでいただけるよう、2020年6月にAI川柳のTwitterアカウント( https://twitter.com/ai_senryu )を開設いたしました。

AIには詠んだ句に対する「良し悪し」の感覚はありません。そのため、人間がどのように感じ、どのような情景を思い浮かべるかにより、AIが詠んだ句に意味が生じてきます。
AIが詠んだ句に共感していただけましたら大変うれしく思います!

★ お題「梅雨」(7月23日投稿)
梅雨通過悠然として空を見る
梅雨が過ぎ去った後の解放感(感想は #ChatGPT と作成)

★ お題「夏」(8月19日投稿)
満月を背負いふるさとはしゃぐ夏
満月の美しい夜に故郷で楽しむ夏の情景が生き生きと描かれています(感想は #ChatGPT と作成)



【ご寄附のお願い】
人工知能によるイノベーションでより素晴らしい世界を実現することが、私たち調和系工学研究室の使命であると考え日々研究に取り組んでいます。
大学での研究活動には、研究に必要な機器の整備のほかにも、学生の学会への参加や論文投稿など研究費が欠かせません。

私たちの取り組みにご賛同いただけ、応援のご寄附を賜れましたら大変心強く、研究を続けるうえで大きな励みとなります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

調和系工学研究室 教授 川村 秀憲

[北海道大学奨学寄附金制度について](本学への寄附金については、税法上の優遇措置の対象となります)
お問い合わせ先:http://harmo-lab.jp/contact

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

◇ 次号は、2024年9月6日に配信する予定です。
◇ メールマガジンのバックナンバー
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調和系工学研究室AI川柳

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