卒業生からのメッセージ

調和系工学研究室で学んだ経験を生かし、多くの研究室卒業生・修了生が様々な場で活躍されています。ここでは、研究室で学んで社会で役立ったこと、日々の仕事の中身や学生の皆さんへのアドバイスなど、実際に社会で働くOB・OGの生の声をお届けします。

兼平 愛弓さん(修士課程修了)

「なぜ」を追求する徹底的な論理的思考

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調和系研究室で得た最も重要なスキル。そして調和系研究室で最も辛かった記憶・・。それが先生方からの徹底的な追求による論理的思考の訓練です。

「なぜ」この研究は必要なの?
「なぜ」この手法を選んだの?
「なぜ」他の手法ではないの?
「なぜ」この考えに至ったの?

生半可な考えで説明を行うとどこまでも「なぜ」の質問攻めに合います笑。しかしこの論理的に物事を考えるスキルというのはとても大切なスキルなのです!その理由は2点。

1つは、「軸がぶれない」こと。研究にしても仕事にしても、1つのテーマに対し1年あるいは数年と長い期間向き合うことになります。そのときに、しっかりと順序立てて、理由を明確に考え抜くことで、自分の考えに「軸」が生まれます。その軸がしっかりとしたものであればあるほど、長い期間取り組んでいても方向性を見失うことがなく、目的に向かってまっすぐ進むことが出来るのです。

そして2つ目が「人を動かす力」があること。しっかり考え抜かれた理論は説得力があります。それは、多数の人が納得してくれるということです。人は納得しないと動きません。逆に言うと、納得させることが出来れば動かすことが出来るのです。たくさんの人を巻き込んで大きなテーマに取り組む。そのときにこの「論理的思考」が重要になってくるのです。

私は現在社会人として働く中で、この「論理的思考」を身に着けることが出来たことがとても重要なことであると日々実感しています。研究に限らず仕事、そして日常生活でも力を発揮出来る「論理的思考」。ぜひ調和系研究室でこの重要なスキルを身に着けてください。そして研究に限らず様々なフィールドでたくさん活躍してください!

プロフィール

-氏名
兼平 愛弓
-現所属・肩書き
株式会社ソフトコム
-略歴
平成元年 北海道津別町生まれ
平成20年3月 北海道北見北斗高等学校 卒業
平成24年3月 北海道大学工学部情報エレクトロニクス学科 卒業
平成26年3月 北海道大学大学院情報科学研究科 修士課程修了
平成26年4月より 株式会社ソフトコムに勤務
-調和系での研究内容
視点位置検出とセンサによるiPad用Googleストリートビュー向け簡易操作モデルの実装
ビジュアルノベル自動生成に関する基礎研究 連想色によるBGM付与の検討

瀬川 晋作さん(修士課程修了)

実社会との接点とメリハリのある研究環境

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調和系は実社会で実験し研究を評価するということに重きをおいている研究室です。調和系の先輩達が立ち上げた調和技研というベンチャー企業、そこから生まれた「びもーる」など、研究室に配属されたその日から自分のアイディアを社会で評価してもらえる場所が用意されています。

私が取り組んでいた研究でも「びもーる」から得られた実社会データを使用し実験し評価を行いました。研究室の中だけでとどまらず実際に社会に評価されるものは何だろうと深く考え続け実装し続けた経験は社会人になっても役立っています。

また一方で調和系はメリハリを持って研究に取り組むことができます。個人的には研究に取り組むときはしっかりと取り組み、長期休暇ではインターンシップで2ヶ月間台湾の大学に行ったり、1ヶ月間インドを放浪したりと充実した学生生活を過ごすことができました。

先輩、後輩かかわらず研究室のメンバー同士の交流が深いのも調和系の魅力だと思います。研究室では楽しく深夜までアイディアを語り合ったり、卒論・修論の厳しい時期には卒業した先輩方から大量の差し入れが届いて最後の追い込みの励みになったりなどたくさんの思い出があります。現在でも交流は続いていて時々食事に行くことが社会人生活の楽しみの一つとなっています。

まとめですが、実際に社会で自分のアイディアをリスク無しで試せる機会というものはなかなかないと思います。調和系ではそれができる環境が整っています。どんどんチャレンジして遊ぶときはしっかりと遊び学生生活を充実したものとしてくれればと思います。

プロフィール

-氏名
瀬川晋作
-現所属・肩書き
株式会社小松製作所 ICTソリューション本部
-略歴
平成2年 北海道空知郡上富良野町生まれ
平成23年3月 旭川工業高等専門学校機械システム工学科 卒業
平成25年3月 北海道大学工学部情報工学科 卒業
平成27年3月 同大学院修士課程修了
平成27年4月より株式会社小松製作所に勤務
-調和系での研究内容
Deep Auto-Encoderによるイベント記事の分析

森 康真さん(修士課程修了)

最先端の技術とハイレベルな研究

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これまでに外資系、日系、ベンチャーと、特色の異なる3種類の企業に身を置いてきました。それらの環境で変わらず共通して求められるのは、いかに仮説検証プロセスを回すかということです。明確な答えのないビジネス上の課題に対して仮説を立て、アプローチ法を検討し、実行フェーズで得られた結果を元にフィードバックループを回していくこのプロセスは、まさに同様に答えのない課題に取り組み続ける研究室生活でこそ、日々実践し鍛えることができるものであると言えます。

もし将来優れた研究者やビジネスパーソンを目指すのであれば、そのプロセスを正しく回して自己成長のできる環境に身を置くことが近道であるといえます。その点において調和系は、しっかりと能力を鍛え上げてもらえる環境であると、学部から院まで在籍していた実体験を通じて断言することができます。

優秀な指導者がいて、取り組みがいのある魅力的でハイレベルな研究テーマがあり、公私共に深く付き合いたいと思う刺激的な仲間に囲まれて充実した研究生活を過ごすことが速い自己成長のために必要な環境です。その点で、調和系はそれらの条件を満たすことのできている研究室です。

こういった文化(企業でいうところの社風)といったものは、一朝一夕に築かれるものではありません。長年積み重ねた歴史の賜物です。成長の場として調和系に関心をお持ちの方は、安心して飛び込んで頂ければと思います。

さて、現在、私はビジネスアプリケーションを研究開発するソフトウェアメーカーにて、テクノロジスキルに特化したエンジニアの採用活動に従事しています。

これまでビジネスアプリケーションにはあまり取り込まれていなかった、分散処理、自然言語処理、機械学習、統計解析といった技術を製品に組み込み、次世代のアプリケーションを研究開発するための組織作りをしています。

ビジネス領域では現時点で”最先端”ということになっているこれらの技術は、振り返ってみれば10年前に自分自身が調和系に在籍していたときに、周囲で見聞きし、学び、あるいは自身で携わっていた技術そのものでした。

研究室内で閉鎖的に籠ることを良しとせず、産学官の連携を重視し外部とのつながりを作ることで、見聞の広がりを提供してくれた調和系には今でも感謝しています。

今、調和系で研究を進めている皆さんは、ぜひ注意深くアンテナを立て、周囲のメンバーが取り組んでいることや、学内に出入りする様々な方々、研究会等を通じた他の研究内容、そしてもちろんご自身の研究活動から、多くの物事を吸収して頂ければと思います。

皆さんの周囲にあるそれらは、確実に最先端領域に踏み込んでおり、かつ、それは世界を変革する可能性すら持っています。コンピューターサイエンスは、今もこれからも、人々の生活や仕事に最も影響を与える学問のひとつです。(今や世界の時価総額ランキングの上位はIT企業ばかりです。)

ぜひ自信を持って現在の研究に取り組んでください。皆さんは将来アカデミア、ビジネス等、様々なポジションに身を置かれるかと思われますが、共に社会を変革していく仲間となることを楽しみにしております。

プロフィール

-氏名
森 康真
-現所属・肩書き
株式会社ワークスアプリケーションズ
リクルーティングDiv.
テクノロジスペシャリスト採用責任者
-略歴
昭和56年 北海道生まれ
平成12年3月 北海道札幌北高校 卒業
平成17年3月 北海道大学工学部情報工学科 卒業
平成19年3月 同大学院修士課程 修了
SAPジャパン株式会社、株式会社野村総合研究所を経て、
平成23年7月より 株式会社ワークスアプリケーションズに勤務
-調和系での研究内容
Webサイトに存在する施設属性情報の統合に関する研究
社会性昆虫の反応閾値強化モデルを用いた適応的ネットワーク資源割当に関する研究
観光情報学会北大学生支部・主査

新井 雅也さん(修士課程修了)

他分野と新たな解を生み出す

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「なぜ自分は情報工学を学ぶんだろう?」

そんな疑問に本気で考える研究室が調和系です。本研究室卒業生の私が「調和系工学のススメ」としてご紹介します。

社会とリンクした壮大な研究テーマで幅広いスキル獲得を。

研究室に所属された後、皆さんは「自分の研究テーマは何になるんだろう?」と考えることでしょう。答えは無く、強いて言えば「世の中に点在するありとあらゆる課題全て」になります。

世の中には未だに解決が困難な課題がたくさんあります。経済格差や貧困、限りある地球上の資源を最適配分、災害発生の予測や発生後の対応、など多岐に渡ります。調和系では皆さんが所属する情報工学の枠に超え、より良い世界作りのために課題に挑戦する研究室なのです。

もちろん、研究を進めるためには、自ら多数サーバや複雑なネットワーク構成を設計・構築し、Java, C, C++, Ruby, PHPなど多様な言語から、マルチエージェントや人工知能を駆使してシミュレーターやアプリ開発も行います。

一方、研究テーマにとっては、経済学、統計学、心理学、観光学、流体力学など情報工学以外の視点も必要になります。言い換えれば、これだけのスキルを獲得できる機会があるのです。

情報工学はアルゴリズム理論や人工知能に特化した研究室が多いですが、他分野と新たな解を生み出す研究室は少ないのかと思います。多様なスキルを身につけ、社会に対する「情報工学 x 他分野」への取り組むことで、情報工学への無限の可能性を感じることができるでしょう。

兎にも角にも”考える”!

上記でも述べましたが、研究には答えというものがありません。研究成果は見つけるのではなく、自分自身が作り出すものです。その為には、

・Why:なぜその研究(課題解決)に取り組むのか?
    なぜ自分が取り組むのか?
・What:研究により解決される課題は何か?
     研究のモチベーションは何か?
・How:どのように研究を進めるか?
    どこまでを目標として定めるのか?
    その研究は世界でどの程度解決されているのか?

といったことにひたすら考え続け、考え抜きます。

社会人になると、目的意識・課題意識を強く持ち、非常に限られた少ない時間で素早い頭脳回転と発想でアウトプットを生み出し、わかりやすく・論理的に伝える力が求められます。そのためには思考力がベースとして必要になります。

正直なところ、調和系のゼミは厳しいですが、高度な思考力や論理力が身につくのは間違いありません。選定したテーマに対して、教授も本気で考えます。ゼミメンバ全員も自分の研究テーマのように本気で考えます。議論の中から枠を超えた発想や、答えを生み出す達成感を体感することで、”考える”に対する苦手意識克服や楽しさを感じることができるはずです。

以上、2つのメッセージでお伝えしましたが、調和系で本気で没頭過ごした時間は、間違いなく今後のかけがえのない宝ものになります。私自身、今でも調和系で過ごした時間が一番充実したものであり、社会人としての原点となっています。

是非、皆さんも自分なりの「なぜ情報工学を学ぶんだろう?」に対する答えを調和系メンバと一緒に考えませんか?

プロフィール

ー氏名
新井 雅也
ー現所属・肩書き
株式会社野村総合研究所 基盤サービス本部 金融基盤サービス部
ー略歴
昭和62年 北海道苫小牧市生まれ
平成18年4月 北海道大学 情報エレクトロニクス学科入学
平成21年11月 株式会社調和技研(北海道大学発のベンチャー企業) 参画
平成22年3月 北海道大学 情報エレクトロニクス学科卒
平成24年3月 北海道大学大学院 修士課程修了
平成24年4月〜 株式会社野村総合研究所に勤務
ー調和系での研究内容
・ZigBeeの受信信号強度を用いた群集動態の検知
・Twitterに基づく社会動向調査に向けたユーザプロファイルの推定

本田 崇智さん(修士課程修了)

レベルの高い研究とつきっきりのサポート

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研究室の配属を考えている学生に向けて、当時知りたかったことを振り返って書かせていただきます。

・面白い研究ができるか

この研究がしたい、とぼんやり考える学生の方も多いと思いますが、やってみないと、本当に自分にとって面白いかそうでないかはわからないことが多いです。そしてそういったときに、調和系工学研究室ではとても幅広い分野で研究を行っているので、やりたいことが見つかる可能性が高いと思います。

調和系では配属された学生はしばらくの間ゼミに参加したり、情報交換しながら分野を決めていきます。これまでの人生で研究をやったことがない自身の経験から判断するよりも、1年、2年前に同じ立場であった先輩や先生の話を聞きながらナビゲートしてもらう方が、結果としてやりたいことが見つかる確率が一番高いと思います。

私の場合は今で言う機械学習を観光分野に応用する研究をしていました。当時そのような研究をするとは思っていませんでしたが、世の中にない新しいことを生み出すことはもちろん、プログラミングや研究を身近な分野に適用して役立てていくことに、自分の楽しさがあることに気づきました。そして、もう1つ、観光分野の学会ということで、論文を書きながら、沖縄、九州、軽井沢、スイス、と旅行にいけたことも楽しみでした。

・就職活動、または社会に出て役立つスキルは身に付くか

振り返ってみてやはりレベルの高い研究をしていたなと思います。理由はここでは全て書ききれないですが、たとえば会社で特許を発案、出願することもあり、ふと調べてみると自分の学生時代の研究が比較対象に使われていることに気づき、実感したこともありました。

もちろん自分の研究に直結した仕事であれば研究を活かせる場合もありますが、実際の仕事ではそれ以外にも求められることは多いです。そしてそういった際には学生時代に高い研究成果を出すために鍛えられた、問題解決能力が一番役に立っていると実感しています。結局、仕事は何かしらの問題を解決するものなので、その能力が身につけられればあらゆることに応用できます。

・厳しすぎて、きちんと卒業できるのか

もちろん厳しくはありますが、理不尽な厳しさはなく、徹底的に先輩、先生がサポートしてくれます。卒業論文では発表前日に徹夜、ということが多々起こりうりますが、先輩、先生もつきっきりでサポートしてくれます。

そしていざ自分がM1、M2になってみると簡単に乗り越えられるようになっていて、そのときに自分のスキル、問題解決能力が身に付いたのだと実感します。また、そうして困難に対してみんなが一丸となって取り組みますので全員仲も良くなり、いまも思い出すほど楽しい研究室生活でした。

研究も時間にとらわれず自分のペースで進められますので、自分の時間もたくさん取ることができます。私は近くのスターバックスのアルバイトに熱中し月100時間弱働くこともありましたが、両立してすべてに楽しみつつ、時には厳しく指導も受けつつ、卒業することができました。

これから、未来を考えている学生の一助になれば幸いです。

プロフィール

-氏名
本田崇智
-現所属・肩書き
株式会社NTTデータ 技術開発本部
-略歴
昭和58年 北海道旭川市生まれ
平成13年3月 北海道札幌手稲高校 卒業
平成17年3月 北海道大学工学部情報工学科 卒業
平成19年3月 同大学院修士課程修了
平成19年4月より 株式会社NTTデータに勤務
-調和系での研究内容
カテゴリーに特徴的な単語を利用したWebサイトの分類に関する研究

小野寺 将輝さん(修士課程修了)

調和系での経験は大切な財産

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私が調和系を修了してから、あっという間に4年が経ちました。研究者としての道ではなく一般の企業への就職という道を選択しましたが、調和系での研究生活で得たあらゆる知識や経験は、今でも私の物事に対する取り組み方の基礎となり、仕事に活かされていると感じています。

調和系では、先生方の厳しくも温かいご指導を受けながら、研究を通じて、文章の書き方や資料の作り方といったスキルはもちろんのこと、単なる知識ではない物事の本質を見抜く力や自分で考えて課題をクリアする問題解決能力など、様々な能力を身に付けることができました。学会発表に向けた発表資料がなかなか上手くまとまらず、先生の厳しい指導を受けながら何日も何日も、時には徹夜しながら資料を直したあの日々は、今では良い思い出です。

と、真面目な話題から入ってみましたが、結局のところ調和系の一番良いところは、研究室の雰囲気の良さだと思います。さっきまで張り詰めた空気の中で激しく活発な議論を繰り広げていた面々が、その5分後にはリラックススペースで大笑いしながら夜中まで他愛も無い話で盛り上がり、そうかと思えばいつの間にか全員が自分の席に戻りキーボードを叩く音だけが研究室に響いている。論文を書くために何日も研究室に泊り込んでいたかと思えば、学内のソフトボール大会に本気で臨み、打ち上げのジンパで盛り上がる。そんな研究も息抜きも楽しくこなせるメンバーと過ごした約3年半の調和系生活は、私の大切な財産です。

最後に、現在調和系で論文の締め切りに追われながら、研究生活に没頭している後輩の皆さんへ。きっと毎日楽しくも忙しい日々を送っていることと思います。何年か後、調和系を巣立つ時期が来たときに、自分がびっくりするほど成長していることを実感するはずです。その日を楽しみに、毎日研究も遊びも全力で頑張って下さいね。

プロフィール

-氏名
小野寺将輝
-現所属・肩書き
株式会社NTTドコモ 無線アクセスネットワーク部
-略歴
昭和56年 北海道札幌市生まれ
平成15年3月 北海道大学情報工学科卒
平成17年3月 同大学院修士課程修了
平成17年4月より 株式会社NTTドコモ北海道勤務
平成20年4月 株式会社NTTドコモへ転籍、現職に至る
-調和系での研究内容
部分的完全調査モンテカルロ法の提案と不確実性を含んだプランニングへの適用に関する研究

土田 安紘さん(修士課程修了)

一所懸命に取り組んだことは、必ず将来に生きてくる

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(最近は引退?しましたが)私は、入社以来ずっと、パナソニックのリクルータとして、活動をしておりました。 本活動の趣旨は、「先輩として社会生活に関するアドバイス」をしつつ、「優秀な人材」を探す、ことです。 この「優秀な人材」の定義は人それぞれかと思いますが、私は「この人と一緒に働き たい、と思えるか?」という観点を特に重要視しておりました。

この観点において、調和系の学生は最適な人材であると考えます。なぜなら、日々の 研究で培った高い専門能力に加え、

1.とにかく「パワフル」!  私が在籍当時の調和系は「不夜城」でした。締め切りを抱えた学生が何日も学校に泊り込んだり、真夜中までソファーコーナーで熱く語り合ったりと、いった状況が日常でした。  そんな状態にも関わらず、決まって皆元気で、殺人的論文スケジュールの間を縫って、皆でよく遊びにも行きました。  「パワフルさ」は企業人にとって非常に重要です。体を壊してしまっては、どんな に高い専門的能力を持っていても、それを生かすことができません。多忙で、肉体的・精神的にきつい状態にあっても、心身健康な状態を維持できる、そんな能力(?)が当時の調和系の学生にはあったのだ、と思います。

2.そして、結束力が強い!  卒論、修論、その他学会発表の為の論文作成等は、非常にきついものであったのですが、同期・後輩・先輩、そして先生が共にサポートしあい、励ましあい、困難を乗り切る、という風土がありました。 社会人となってよく思うのは、会社にとって「一人の能力」なんていうのは、本当 に微々たるものである、ということです。尖った能力をもつ「スーパーマン」というのも僅かにはおりますが、大体は能力差なんてものは±α程度のものです。大きな仕事を成し遂げるために必要なのは、尖ることではなく、周囲を巻き込んで、結束できることだと思います。

最後に、少し嫌な話をします。(外資系の企業は違うかもしれませんが)日本企業における「成果主義」では、正規分布に従って成果の評価がされる場合が多いです。これは、もし全社員が最高の成果を出したとしても、分布に従って、1~5の評価が付されるということです。「それは理不尽では」と思われるかと思いますが、(残念ながら)入社当初は優秀であったはずなのに、このような分布に張り付いてしまう、との実情があるのです。調和系の学生の皆さんには、企業における厳しい競争に勝ち抜くべく、しっかり勉強し、しっかり遊び、上記の能力(?)をしっかりと養っていただきたい、と思います。

プロフィール

-氏名
土田 安紘
-現所属・肩書き
パナソニック株式会社 プラットフォーム開発センター ソフト要素開発グループ
-略歴
昭和52年 北海道勇払郡早来町生まれ
平成11年3月 北海道大学 情報工学科卒
平成13年3月 同大学院修士・博士課程修了
平成13年4月より、松下通信工業(現パナソニックモバイルコミュニケーションズ株式 会社)に勤務
平成17年4月より、松下電器産業(現パナソニック株式会社)へ異動
-調和系での研究内容
適応的負加分散のためのJavaエージェント環境の構築に関する研究

田中 文昭さん(博士課程修了)

何事も楽しみつつ全力で

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私は3年生後期からポスドク時代まで、計7年半もの間調和系でお世話になりました。「DNAコンピューティング」という怪しげな研究をしていたことから興味を持ち、 アクティビティが高かったことが決め手となって調和系に入ったのですが、 研究も遊びも全力投球という研究室だったため、 退屈する暇が無い学生生活でした。

2007年の4月から東京大学にて助教を務めているのですが、学生の指導をしながら、「自分も学生の時に同じ事を言われていたなぁ」 と苦笑する日々を送っています。しかしながら優秀な学生が多く、「先生はそう仰いますが私はこう思います」 等とレスポンスが返ってきたりして、非常に充実している毎日です。また、私の所属する研究室はコンピュータ科学専攻なのですが、 CPU、 OS、 シェル、コンパイラを全て学部学生の実験・演習で作ると聞いて、 非常に驚かされました。

調和系での思い出は本当に沢山あるのですが、同期や先輩・後輩とリラックススペースで朝まで語り明かした事が、一番の思い出かも知れません。研究の話から他愛も無い話まで話題は尽きず、論文を書くために研究室に残っていたはずが、気が付くと朝ということが何度もありました。

もちろん遊んでいたばかりではなく、研究室に長く居た分、様々な事を学ばせて頂きました。今の職業が研究者では無かったとしても、研究活動の過程で培われた問題解決の能力は私の一番の財産ですし、調和系のモットーである「何事も楽しみつつ全力で取り組む」という姿勢は、雑用を含む様々な仕事を片付ける上で、私を駆り立てる大きな原動力となっています。

最後に調和系に所属している親愛なる後輩の皆さん、「何事も楽しみつつ全力で」学生生活を謳歌して下さい。私がそうだったように、その姿勢こそが今後の皆さんの人生において、何よりの宝となるはずです。

プロフィール

-氏名
田中文昭
-現所属・肩書き
東京大学 大学院情報理工学研究科 助教
-略歴
昭和53年北海道苫小牧市生まれ
平成13年北海道大学情報工学科卒
平成17年9月同大学院博士課程修了
日本学術振興会特別研究員(PD)を経て,平成19年4月より東京大学の助教となり現在に至る
日本学術振興会特別研究員(DC2)(平成17年4月~9月),同研究員(PD)(平成17年10月~平成19年3月)
DNAコンピューティングの塩基配列設計の研究に従事

中津川 雅史さん(博士課程修了)

熱中して研究 貴重な経験

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Q.どの様なきっかけで調和系に入られたのですか?

A.日大時代に受けた講義に「知識工学」というのがありまして、そこで、自分で学習して判断するアルゴリズムの研究があるという事を知ったのが最初のきっかけですね。ちょうど趣味でポーカーゲームのアルゴリズムを考えていた時だったので非常に興味を持ちました。ただ、所属していた学部にはその種の研究を行う研究室が無かったので、いろいろと先生を訪ね歩いて見付けたのが調和系だったのです。

Q.大学院の入学試験はどうでしたか?

A.試験終了直後の感想は・・・正直受かるとは思いませんでした。もう来る機会も無いだろうからと、北大キャンパス内をいろいろと見て回った事を良く憶えています。その時はまさかここで6年以上を過ごす事になろうとは夢にも思いませんでした。

Q.調和系での生活はどうでしたか?

A.楽しかったですね、とっても!もちろん学会や論文の〆切り前など大変な時期もありましたが、それで徹夜したのも今となっては良い思い出です。私の主な研究テーマは品質工学・多変量データ解析で、博士論文もそのテーマで書いたのですが、先生方には数式の書き方からみっちりと指導して頂きました。また、研究の進め方や発表の仕方について先輩方から学んだ事も多かったですね。一つの事にあれほど熱中して取り組むという事は、そうそう無いのではないかと思います。私の人生の中で貴重な時間であった事は間違いありませんね。

Q.どの様なきっかけで企業(キヤノン株式会社)に入ろうと思われたのですか?

A.取り組んでいた研究テーマに品質工学があったという事もありますが、とにかく工学の最前線の現場に立ちたいという気持ちがありました。一口に現場といってもいろいろな捉え方があるのでしょうが、私にとってのそれはモノ作りの最前線すなわち工場だったのです。ちょうどその頃、キヤノンは生産ラインの改善・革新で目覚しい成果を挙げていました。その原動力として生産設備の拡充を一手に推進する生産技術センターの存在をインターネットの紹介記事で知ったのが最初のきっかけですね。入社後は希望していた生産技術センターの配属となり、大分県の工場で生産ラインの改善に飛び回ったり、本社の実験室で大型プレス機と油まみれになったり、精密加工装置の開発に頭を悩ませたりしました。毎日忙しいですが、自分の望んでいた仕事に取り組めて楽しいですね。

Q.最後に調和系の学生の皆さんに一言お願いします!

A.新しい課題に取り組む際、そして未知の領域に切り込む際、何よりの指標となるのは課題解決に向けた「考え方」です。調和系では日々、ゼミの場においても、あるいは毎日の何気ない会話の中においても、課題解決に向けた思考法を学ぶ事ができます。これは後々まで皆さんの糧となる事でしょう。 日々の忙しさの中でも、基礎的な理論を読み解き、それを学んだだけでなく実践して行きましょう。理論と実践をバランス良く両立させ、車の両輪として行く事こそがエンジニアの道かと思います。皆さんの柔らかい頭から生み出される独創的で骨太なアイディアに期待しています!
・・・と偉そうな事を書いてきましたが(先生方からすると苦笑の連続かと思います)、私もまだまだ半人前以下。早く一人前の工学研究者となれる様、頑張ります!

プロフィール

-氏名
中津川 雅史
-現所属・肩書き
キヤノン株式会社 生産技術本部 生産技術センター
-略歴
昭和50年 神奈川県生まれ
平成10年 日本大学 生産工学部 電気工学科 卒
平成15年 北海道大学大学院 工学研究科 博士課程修了
科学技術振興事業団研究員を経て、平成16年よりキヤノン株式会社に入社し現在に至る。

丸山 加奈さん(修士課程修了)

技術は日々進歩 興味をもって取り組むことの大切さ

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社会人と学生の違いは何か?と考えたときに一番最初に思いつくのは 自由に使える時間の長さです。今のうちに色々なことに興味をもって取り組んでください。

会社では答えの無い問題に直面し、自分なりに答えを導きださなければ ならない状況下によくおかれます。研究でも自分で調べたり、考えたりしたことに基づいて発表し、みんなから意見をもらって修正したり、新しく考え直したりの繰り返しです。

自分が主体となって、問題(研究)に取り組み今考えうる最良の答えを導き出してください。その中で、先生、同期、先輩、後輩などに意見を聞いて自分の考えを広げることも大切だと思います。

技術は日々進化しています。常に最前線を追いかけてください。やる気はあるけど何から初めていいかわからないということもあると思います。

例の一つを書いておきたいと思います。(組込み系に偏っている可能性あり)

・本をたくさん読む
・なるべく多くの言語に触れる(何か作ろうと思ったときに、一番あった言語を選ぶべき)
・オブジェクト指向設計に慣れ親しむ
・CPU,メモリ管理、Linuxシステムプログラミング、デバッグノウハウ(gdb)
・ハードウェア(arm), Androidのフレームワークがどういう構造になってるか

研究室には今でもちょくちょく遊びにいっているので、会ったら話しかけてください。

プロフィール

-氏名
丸山 加奈
-現所属・肩書き
ソニー株式会社
-略歴
昭和58年 誕生
平成13年3月 北海道北広島高校 卒業
平成18年3月 北海道大学工学部情報工学科 卒業
平成20年3月 同大学院修士課程修了
平成20年4月より ソニー株式会社に勤務
-調和系での研究内容
隙間時間観光経路作成支援システムの開発に関する研究

プロフィール

北海道大学大学院情報科学研究科 情報理工学専攻 複合情報工学講座 調和系工学研究室のウェブサイトです。