川村教授の新著「ChatGPTの先に待っている世界」、日経MJ連載コラム「川村教授のなるほどAI」や、FIT2003学会参加レポート、最新の人工知能・ディープラーニング情報をお届けします/harmolab106


こんにちは。
北海道大学調和系工学研究室(川村秀憲教授、山下倫央准教授、横山想一郎助教)です。

以前に本メルマガでもお知らせしておりますが、川村教授の新著「ChatGPTの先に待っている世界」が、10月12日に出版されます。
本書は、技術的なことよりも、人工知能が社会の仕組みや人間の価値観に与える影響を中心に構成しており、分かりやすく読んでいただける内容です。
各章の内容について抜粋したものを、次号のメルマガより、少しずつ紹介させていただきたいと考えています。
人工知能やChatGPTに興味のある方にぜひお読みいただければ幸いです。

また、10月4日付、「日経MJ」に川村教授の連載コラム「川村秀憲のなるほどAI」が掲載されました。
連載第16回は「独自データとノウハウが重要」と題し、大規模言語モデルを利用した、新規ビジネスの差別化について、取り上げています。
ChatGPTなどの大規模言語モデルを利用した様々なサービスが立ち上がっていますが、付加価値の高いサービスの実現における、汎用的なAIと独自データ・ノウハウの組み合わせの重要性について、天気予報のサービスを例に考察しています。
本メルマガでも内容を詳しく紹介させていただきますので、ぜひお読みになってください。

そして、10月7日(土)に、北海道大学 学術交流会館 講堂にて開催される、市民公開講座「AI×日本語史研究の可能性」に山下准教授と横山助教が登壇し、大規模言語モデルやChatGPTといった人工知能技術を用いて日本語を扱う研究事例を紹介します。
学外の方や一般の方の参加も歓迎しておりますので、ご興味のある方は気軽にお越しいただければ幸いです(事前申し込み不要・無料)。
https://www.sapporo-info.com/upload/event/103073_0.jpg

それでは本日もどうぞよろしくお願いいたします。
2023年10月6日配信
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■ 本日のTopics
【1】「ChatGPTの先に待っている世界」
【2】日経MJ「川村秀憲のなるほどAI」
【3】学会参加レポート
【4】調和系工学研究室WHAT’S NEW
【5】人工知能・ディープラーニングNEWS
【6】調和系工学研究室関連企業NEWS
【7】AI川柳
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【1】「ChatGPTの先に待っている世界」
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2023年10月12日に出版社dZEROから、川村教授の新著「ChatGPTの先に待っている世界」が出版されます。

本書で、川村教授は、長年の人工知能研究の経験から、人工知能による未来を見通し、人工知能がさらに進化したとき、どのような社会が待っているのか、そこで人間に求められるものは何か、とくに若い読者に向けて、そう遠くはない未来を考えるときの参考となるような見通しや考え方を示しています。

川村秀憲著「ChatGPTの先に待っている世界」(出版社: dZERO)
※Amazonで予約注文を受け付けています
https://www.amazon.co.jp/dp/4907623623/

〈目次〉
序 章:六十七年の時を経て
第一章:人工知能は自ら学習する――脳の仕組みとディープラーニング
第二章:本能と知能と、生と死と――「知能」と「人工知能」の違い
第三章:ChatGPTで見えた次のフェーズ――人工知能研究の現在地と近未来
第四章:人工知能との「協働」シナリオ――「強い人工知能」と「弱い人工知能」
第五章:新たな価値の出現と富の再配分――人工知能時代のパラダイムシフト
第六章:人工知能が人工知能を開発する日――研究の最前線と課題
第七章:代替される「知能」、代替されない「芸術」――人間に残される仕事は何か
第八章:一変する「教育」の風景――人工知能時代に必要な自発的「学び」
終 章:人間とも人工知能とも「仲良く」する力


【2】日経MJ「川村秀憲のなるほどAI」
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独自データとノウハウが重要
大規模言語モデル使ったサービス拡大

Chat(チャット)GPTに代表される大規模言語モデル(LLM)を利用して様々なサービスが立ち上がりつつあります。旅行予約サイトのトリップドットコムはアプリ上で機能する旅行支援の人工知能(AI)チャットボット「TripGen」を発表しました。AIを利用しており、行き先、ホテル、費用、アクティビティー、交通などについてのアドバイスを自然言語で答えてくれます。

また、映像制作会社の米ザ・シミュレーションは米国のテレビ番組「サウスパーク」のデータもとに番組エピソードを自動的に作り出す仕組みを公開しました。シミュレーションでは、ユーザから与えられた大まかなストーリーに基づいて、チャットGPTキャラクターが架空の街で様々な物語を起こしていきます。

このように汎用的なAIの利用は拡大していくことは明白です。AIを使って新規ビジネスを考えていく必要があるとすると、これからの事業者はどのように新規ビジネスを差別化していくのかが重要となってくるでしょう。天気予報というサービスを例にAIを用いたサービスの差別化について考えてみましょう。

天気予報とは、天気を「予測」して「報知する(知らせる)」ことから成り立っています。予測は、気象庁のスーパーコンピュータなどを用いて大規模な天気変化のシミュレーションによって行われます。そこから出力される数値データを気象予報士が様々な観点から解釈し、その結果を視聴者に知らせます。

ここで、チャットGPTを利用して天気予報のサービスを作るとどうなるでしょうか。チャットGPTは汎用的に人の問いに答えてくれるからと言って、いきなり明日の天気を尋ねても正しい答えが返ってくることはないのは明白です。チャットGPTは言語に基づいた情報処理に特化したモデルで、天気をシミュレーションするものではないからです。やはり、天気の予測シミュレーションはスーパーコンピュータ上で特別に作られたモデルで行うほうが正確でしょう。

一方で、「知らせる」ことはどうでしょうか。気象シミュレーションから出力された数値データの解釈方法を指示し、天気予報を望む人に合わせて、わかりやすく説明するということであればチャットGPTは上手にこなせそうです。

例えば遠足を楽しみに待つ小学生、農家、漁師、ダムの管理者などはそれぞれ必要としている予報の観点が違うはずであり、それぞれの観点に合わせて天気予報を提供することは利便性が良さそうです。

天気予報は、独自の計算による「予測」と、その出力を解釈して「知らせる」という能力の組み合わせからできており、特に前者は簡単にまねができるものではありません。よって、天気予報というサービス全体は簡単に実現できるものではなく、差別化が可能な付加価値の高いサービスとなっていると理解できます。

これからより一層、汎用的なAIを用いたサービスが登場すると思います。その中で他社に簡単にまねされず、独自性の高い価値あるサービスを実現していくためには、汎用的なAIと独自のデータ・ノウハウの組み合わせが重要な鍵になりそうです。


【3】学会参加レポート
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本研究室の学生が学会にて発表した研究を紹介します。
研究内容にご興味がありましたら、下記フォームからお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ: http://harmo-lab.jp/contact
ご意見・ご感想もお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

◆ 「第22回 情報科学技術フォーラム(FIT2023)」にて4名の学生が発表しました

2023年9月6日(水)~9月8日(金)に大阪公立大学 中百舌鳥キャンパス/オンライン(ハイブリット)にて開催された、「第22回 情報科学技術フォーラム(FIT2023)」に本研究室より、森 雄斗さん(修士2年)、千坂 知也さん(修士2年)、阿部 晃平さん(修士1年)、 北野 勇太さん(修士1年)が参加し、各々の研究について発表しました。

[第22回 情報科学技術フォーラム(FIT2023)]


◇ 森 雄斗, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲, 森 正人 : 前腕支持部の圧力変動による行動推定を用いたロボット歩行器の歩行支援機構の開発

概要:
日本は急速に高齢化が進み、介護人材の不足が深刻な問題となっている。
多くの介護施設では、被介護者の歩行時における自立性を保つために歩行器の使用が推奨されている。しかし、安全性や歩行負荷におけるいくつかの課題があり、それを解決するために現在では、IoTやセンサを用いた歩行器のロボティクス化の研究が進められている。
本研究では、歩行器利用者が前腕支持部にかける圧力の変動を分析し、そのデータが利用者の行動予測にどの程度寄与するかを確認した。そして、行動予測の結果を基にロボット歩行器の新たな歩行支援機構を提案する。


◇ 千坂知也,横山想一郎,山下倫央,川村秀憲,代替出勤依頼モデルを用いた依頼順決定手法の複数ラウンドによる評価

概要:
欠勤が多く発生する職場では、欠勤による従業員不足が業務の安定性に悪影響を与えることがある。そのため管理者には、欠勤者の代わりに出勤する従業員(代替出勤者)を選定する負担があり、このことが管理者にとって時間的および精神的な負担につながっている。従来の再スケジューリング問題の研究の多くでは、従業員の勤務可能な時間が事前にわかっている状況に焦点を当てているが,このことは現実の状況とかけ離れているといえる。
本研究では、従業員が管理者からの代替出勤の依頼を受諾する確率が不確かな状況に対処する確率的シミュレーションモデルを構築し,異なる複数の依頼順序を検討する。従業員の依頼受諾確率に基づく3つの依頼順序を提案し、業務の安定性と管理者の負担を従業員の不足数や管理者の依頼回数などの指標を用いて評価する。
本研究は、依頼順序の間に大きな差異が見られるパラメータがある一方で、依頼順の間にほとんど差が発生しないパラメータも存在することを示した。さらに、依頼順序の間で大きな差異が見られた場合、受諾確率が高い従業員の影響が大きいことが明らかになった。


◇ 阿部 晃平, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : 属性推定を用いた衣服画像ペアの2者間関係を表現するキャプションの生成

概要:
1枚の画像の説明文を生成する従来の画像キャプション生成では,類似した画像に対して汎用的なキャプションを生成することがあり,画像が持つ特徴的な部分を無視してしまうことがある.また,キャプション生成の対象画像以外を考慮できないため,複数画像間の関係を考慮したキャプションを生成できない.そこで,本研究では複数画像の関係を考慮したキャプションの生成に取り組む.
今回はその例として衣服画像を対象とし,2つの衣服画像の関係を考慮したキャプションの生成手法の提案と検証を行った.各衣服画像の特徴を表す属性をキャプション生成に利用することで,2つの衣服画像の関係を考慮したキャプションを生成できたことを確認した.


◇ 北野勇太, 横山想一郎, 山下倫央, 川村秀憲, 伊藤孝行:品詞のパターンマッチングを用いた帝国議会議事速記録における可能表現の自動抽出

概要:
本研究は,57年間にわたる帝国議会議事速記録の口語対話の分析を通じて,議会における議員の可能表現の使用状況の変遷を明らかにすることを目指す.可能表現は,議員が自身の主張を述べる際に頻繁に使用する表現で,議会というこれまでの日本社会には存在しなかった文脈において,大きな影響を受けていると推察される.
本研究では,速記録データを形態素に分割し,文章中の品詞と従来研究における9つの可能表現の区分とのパターンマッチングを適用する手法を開発する.さらに,テキスト化された帝国議会秘密会速記録のデータセットを用いて,開発した抽出手法の精度を検証して,その有用性を示す.


◇ 学会の様子等を森さん、北野さんがレポートしてくれました。

― 研究会に参加して気づいたこと
参加した学会で顕著だったのは、ChatGPTなどの文章生成AIに対する高まる関心です。
特別講演では文章生成AIがトピックとして発表されており、一般セッションにおいても自然言語処理が3トピックに分かれて開催されていた。これらの様子から企業だけでなく、研究者からも興味関心が高いことが伺える。
発表を通して学生は、「他大学の学生や教授だけでなく、企業の方からのフィードバックも非常に価値のあるものだと感じた。これにより、ビジネス視点での研究の意義や方向性について新たな洞察を得ることができた」、「他大学の先生方からのご質問、ご指摘により、自身の研究が実社会のどの部分の課題解決を目的としているのか、モデリングが解決のために適切であるのかを明示的に説明できることが重要であることを再認識した」などの学びがあった(森 雄斗)。


― 興味深かった発表について
◇「敵対的標識:標識識別器に対する脆弱性評価と敵対的訓練による対策」
林 海斗・内田 真人(早稲田大学)
自動車運転支援システムは自動車の視界に入る標識を検知し、機械学習によって識別する機能が搭載されている。しかし、この機能を実現する標識識別器は、標識以外のロゴ等を誤って標識と識別することがある。
そのため、標識識別器の誤認識を意図的に引き起こす Adversarial Sign(敵対的標識) を複数生成し、誤認識率を評価した。さらに、誤認識を回避するための対策として、Adversarial Trainingを行うことで、未知のロゴを標識と誤識別する割合が低減することを実験的に示した(森 雄斗)。

◇「オンライン環境において公平な資源配分を実現するアルゴリズムに関する研究」
山田 博瑛(電気通信大学)・小宮山 純平(New York University)・阿部 拳之(サイバーエージェント)・岩崎 敦(電気通信大学)※崎の字は右上が立つ
本研究では、オンライン環境において公平な資源配分を実現するアルゴリズムを扱う。
オンライン環境とは、災害時の避難所にどんな物資が届けられるか、クラウドソーシングにおいてどんなタスクがやってくるかなど、事前には分からない状況を指す。
公平な資源配分のためには様々な概念があるが、本研究ではプレイヤー達の効用の積であるナッシュ積を最大化することを目的とする。
オフラインにおけるナッシュ積の最大化問題は、凸計画問題に帰着されることが分かっているが、本研究では双対平均化法を用いて、この凸計画問題をオンライン問題に拡張する。
プレイヤーの真の評価値が事前に分からないという設定の下、バンディットアルゴリズムを用いて、真の評価値をアルゴリズム内で推測しながら配分を決定するアルゴリズムを提案、評価する(森 雄斗)。

◇ ブラウザ上でユーザが編集可能な言語パターンマッチシステムの構築
桂 辰弥, 竹内 孔一(岡山大学)
Prolog述語のブロックを組み合わせることによって、任意のパターンを持つ文章をマッチングさせることができるシステムを開発した。自身の研究内容に非常に近く、システムを参考にすることが出来ると考えた(北野勇太)。


【4】調和系工学研究室WHAT’S NEW
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◇ 市民公開講座「AI×日本語史研究の可能性」に山下准教授と横山助教が登壇します

2023年10月7日(土)に、北海道大学 学術交流会館 講堂にて開催される、市民公開講座「AI×日本語史研究の可能性」に山下准教授と横山助教が登壇します。

本講座では、日本語史研究を行う、北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院伊藤 孝行 准教授とともに、日本語学×情報工学という文理共同研究体制による「日本語工学」研究の可能性を探ります。
また,情報工学の立場から,人工知能技術を用いて日本語を扱う研究事例を紹介します。

日時:2023年10月7日(土)13時~14時半
場所:北海道大学 学術交流会館 講堂(札幌市北区北8条西5丁目)

詳細は、下記よりお読みいただけます。
https://www.imc.hokudai.ac.jp/rfmc/event/202309/002929.html
https://www.sapporo-info.com/upload/event/103073_0.jpg


◇ 北海道新聞にて川村教授のコメントが紹介されました

2023年9月25日付、北海道新聞(3面)にて川村教授のコメントが紹介されました。
対話型人工知能(AI)の普及とリスクについて書かれた記事で、川村教授は、チャットGPTが社会を変える存在になることを指摘し、人にとって良いものにするための議論の必要性を訴えました。


◇ YAMAGATAと本研究室の共同研究「次世代マニュアル」プロジェクトの社員向け講演会にて、山下准教授と横山助教が講師をつとめました

2023年9月20日に、YAMAGATA株式会社本社にて開催された、YAMAGATA株式会社と本研究室の共同研究「次世代マニュアル」プロジェクトの社員向け講演会にて、山下准教授と横山助教が講師をつとめました。
山下准教授は、「調和系研究室の多彩な取り組み」と題して、本研究室で行う「AIによる俳句の生成」などのAIと文化を融合した研究を紹介しました。
また、YAMAGATAとの共同研究のテーマである「AI技術とライティングの融合」の取組について、具体的な実現方法や考え方をお話ししました。
横山助教は、「GPTとマニュアルスタイルガイドの検証」と題して、「ChatGPT」についてその背景や起源から基本的な概念を説明しました。
また、GPTをどのように実務のマニュアル制作に適用できるのかを、現在、進めている研究をもとに解説しました。

講演会の詳細は下記よりお読みいただけます。
https://yamagata-corp.jp/news/1178/

YAMAGATA株式会社と本研究室は、2023年7月より「次世代マニュアル」に関する共同研究を行っています。
「次世代マニュアル」に関する共同研究については下記よりお読みいただけます。
https://yamagata-corp.jp/news/879/

[YAMAGATA株式会社]


◇ 第三十二回 芭蕉祭山中温泉全国俳句大会 吟行句会にて「AI一茶くん」が投句しました

2023年9月16日(土)に、石川県加賀市にて開催された「第三十二回 芭蕉祭山中温泉全国俳句大会」 吟行句会にて、「AI一茶くん」が投句しました。

吟行とは、俳句の題材として詠む情景を探しに行くことを言います。「AI一茶くん」は、現在、画像認識技術を導入し、風景画像から俳句を生成することにも挑戦しており、当日は、山中温泉の風景をもとに、2つの方法で、投句する句を選句しました。
1つ目は、画像・テキスト認識深層学習モデルを利用し、風景画像に合う俳句を選択する方法です。
2つ目は、山中温泉についての説明から季語とその季語にあう言葉を1つずつ生成し、その言葉を含む俳句の中からもっともらしい句を選択する方法です。
どちらも「AI一茶くん」の生成した大量の候補俳句群をもとに200句を選句しました。
そのように選句された俳句の中から、今回の句会にふさわしいものかどうかをChatGPTに総合的に検証してもらい、20句に絞り込んだ上で、最終的に人間が、場違いな地名や季違いを含む句を取り除き、3句ずつ、計6句を投句しました。
その結果、残念ながら選は得られませんでしたが、うれしいコメントをいただいた2句を紹介いたします。

鉄橋をいくつ渡りぬ秋の暮
コメント:旅の様子、旅情を感じる

仲秋の空の広さに歩を止める
コメント:空の高さをうまく表現している

その他の「AI一茶くん」が投句した句を紹介いたします。
川風につつまれてゐる赤蜻蛉、 山寺や苔の花咲く庭の隅、 朝日さす松の梢や秋の空、 渓谷へ紛れて清水流れ出す

[芭蕉祭山中温泉全国俳句大会]


◇ 第三十二回 芭蕉祭山中温泉全国俳句大会にて山下准教授が講演を行いました

2023年9月16日(土)に、石川県加賀市にて開催された「第三十二回 芭蕉祭山中温泉全国俳句大会」午後の部にて、山下准教授が「AI 俳句 ―人工知能と歩む芭蕉祭2023-」と題し、講演を行い、最新の人工知能技術や、AI俳句の仕組み、これからのAI俳句などについてお話ししました。

[芭蕉祭山中温泉全国俳句大会]


◇ 「月刊 俳句界 2023年10月号」に山下准教授が論考を寄稿しました

2023年9月25日発売、「月刊 俳句界 2023年10月号」特集「AI俳句のいま」に、山下准教授が「AI一茶くんの進化 AI一茶くんの今」と題し、論考を寄稿しました
本特集には、「AI一茶くん」の開発に協力いただいている俳人 大塚 凱 氏や、「ふくし句会」(愛媛県松山市)のメンバーであり、俳句ライフマガジン「100年俳句計画」を発行するキム チャンヒ 氏も寄稿しています。

「月刊 俳句界 2023年10月号」は下記よりお求めいただけます。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CGV3BN4M/ref=cm_sw_r_as_gl_api_gl_i_VB3XHJVB9T9C59QQVTER?linkCode=ml1&tag=i93des-22

月刊 俳句界 2023年10月号
「特集 AI俳句のいま」
・「AI一茶くん」とは何か…編集部
・論考~AI一茶くんの進化…山下倫央
・AI一茶くんテーマ別作品集…大塚 凱(抄出・文)
・論考~AI俳句は敵か味方か…キム・チャンヒ

[文學の森 月刊「俳句界」]


★ 研究室に関連する企業・ベンチャーのニュース
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◇ 日経ビジネスにてドラッグストア「サツドラ北8条店」で取組むリテールテックを取り上げていただきました

2023年9月28日付、日経ビジネスにて、ドラッグストア「サツドラ北8条店」で取組むリテールテックを取り上げていただきました。
ドラッグストア「サツドラ北8条店」では、株式会社サッポロドラッグストアーとAWL株式会社が共同で、人工知能(AI)カメラとデジタルサイネージを活用したマーケティングに取り組んでいます。

[日経ビジネス](お読みいただくにはログインが必要です)
[AWL株式会社(北大発認定ベンチャー)]


◇ 北海道新聞にて「札幌AIラボ」が開始する、札幌AI人材育成プログラム「E資格チャレンジ」について取り上げていただきました

2023年9月27日付、北海道新聞にて、「札幌AIラボ」が2023年10月から開始する、札幌AI人材育成プログラム「E資格チャレンジ」について取り上げていただきました
「E資格チャレンジ」は、人工知能(AI)に自ら学習させる技術「ディープラーニング(深層学習)」の理論や活用手法を理解していることを示す「E資格」の取得を目指す新しいプログラムです。
川村教授は、札幌AIラボのラボ長をつとめています。

[北海道新聞](お読みになるにはログインが必要です)
[札幌AIラボ]


◇ Aill(エール)は日本生命と業務提携を行うことを発表しました

2023年9月28日付、PR TIMESにて、株式会社Aill(エール)は、日本生命保険相互会社と、企業の人的資本経営を支える福利厚生制度を共創すべく、業務提携を行うことを発表しました。
今後、日本生命の法人営業担当者が取引企業に対して、企業専用 AI恋愛ナビゲーションアプリAill goen(エール ゴエン)をご紹介いただくなど、Aill goenの日本全国展開を目指します。
本業務提携に関する詳細は下記よりお読みいただけます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000059840.html

「Aill goen」は、仕事も家庭も支え合うことに賛同する企業と、その企業に所属する独身従業員の専用サービスです。ワークとライフ/キャリアとライフの両立を考える従業員の「パートナー選び」をサポートするもので、福利厚生サービスの一環として1000社を超える企業に導入されています。
川村教授は、株式会社Aillのco-Founder 兼 社外取締役をつとめています。

[株式会社Aill(エール)]
[Aill goen(エール ゴエン)]


◇ インド最大のスタートアップイベント「TechSparks2023」にAWLが出展しました

2023年9月21日~23日に、インドのベンガルールにて開催された、スタートアップに特化したメディア「YourStory」の主催による、インド最大のスタートアップイベント「TechSparks2023」にAWL株式会社が出展しました。

[TechSparks2023]
[AWL株式会社(北大発認定ベンチャー)]


◇ 楽天とタカラ・エムシーは、AIカメラ「AWL Lite」付きデジタルサイネージを活用し、実証実験を実施します

2023年10月10日(火)から約6週間、「フードマーケット マム 若松店」(静岡県静岡市)において、楽天グループ株式会社と株式会社タカラ・エムシーは、AWL株式会社が提供するAIカメラ「AWL Lite」付きデジタルサイネージを活用し、実証実験を実施することを発表しました。
楽天は、AIカメラを活用した広告ソリューションにおいて、北海道大学発のベンチャーで、画像認識のコア技術開発とエッジAIカメラソリューションを提供するAWL株式会社と協働しています。
本実証実験ではAWLが提供するAIカメラ「AWL Lite」を使用し、AIによる映像解析を行います。「AWL Lite」は、タブレットやサイネージにインストールしてAI分析、自動化を実現するサービスです。

詳細は「PR TIMES」よりお読みいただけます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002040.000005889.html

[AWL Lite]
[AWL株式会社(北大発認定ベンチャー)]


◇ 「大阪・札幌連携 スタートアップ × 中堅・中小企業マッチングピッチ」にAWL CHRO兼上席執行役員 土田 美那氏が登壇しました

2023年10月3日に、大阪にて、大阪商工会議所・札幌商工会議所の主催により開催された「大阪・札幌連携 スタートアップ × 中堅・中小企業マッチングピッチ」にて、AWL株式会社 最高人事責任者 兼 上席執行役員 土田 美那 氏が登壇し、ピッチを行いました。

詳細は下記よりお読みいただけます。
https://www.sapporo-cci.or.jp/web/events/details/post_199.html

[AWL株式会社(北大発認定ベンチャー)]


◇ 「理系就活<研究職・技術職>&元外国人留学生との講話・交流会」にAWL執行役員・先行開発ディビジョン長 Renteria Francisco氏が登壇しました

2023年10月4日にオンラインにて開催された「理系就活<研究職・技術職>&元外国人留学生との講話・交流会」にAWL株式会社 執行役員 先行開発ディビジョン ディビジョン長 Renteria Rochin Francisco氏が登壇し、日本での就職に関心のある外国人留学生と交流を行いました。

詳細はよりお読みいただけます。
https://job-haku.com/event/jasso231004/

[AWL株式会社(北大発認定ベンチャー)]


【5】人工知能・ディープラーニングNEWS
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★ ChatGPTのOpenAI、画像生成AIを改良
米オープンAIは改良した画像生成AI「DALL-E3」を10月から提供すると発表。「威厳のある王冠をかぶった小さなジャガイモの王様」といった複雑な指示にも対応。
(参考: https://x.com/nikkei/status/1704631530658955583)

★ スマートスピーカーに生成AI、Amazonが先行 会話を記憶、ボディランゲージやアイコンタクトも理解
米Amazonは9月21日(米国時間)、同社の音声アシスタント「Alexa」に生成AIを搭載すると発表した。これにより、継続した会話の他、会話の記憶や各家庭向けのパーソナライズも可能になるという。まずは米国のユーザー向けに今後数カ月以内に提供を始める。

★ rinna ResearchがAIエージェント同士のテキスト対話から自然な音声対話を生成する手法 CHATS (CHatty Agents Text-to-Speech) を開発しました
https://arxiv.org/abs/2310.01088

★ AI社会はクレーム対応社会? 東浩紀と山田胡瓜が語る、AIが見せるユートピアとディストピア(前編記事)
AIの遺電子は近未来SFとして描かれているが、現実世界もそれに追いつかんとする勢いだ。果たして我々の社会はAIでどうなっていくのだろうか。本連載の最終回では、哲学者の東浩紀さんと「AIの遺電子」原作者の山田胡瓜さんの対談を3編に分けてお送りする。

★ NEC、複数企業の共同配送を支援する共同利用型サービス基盤の実証開始
NECは、物流の効率化を目指し、複数企業による共同配送を支援する「共同輸配送プラットフォーム」の運用実証を開始する。物流データをプラットフォーム上で共有し、AIによる共同輸配送のグループ候補の自動抽出などを実施する。


【6】調和系工学研究室関連企業NEWS
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第77回日本臨床眼科学会にて鳥取大学と当社の共同研究の取り組みを発表いたします(株式会社クレスコ)
2023年10月6日(金)、9日(月・祝)に、東京国際フォーラムで開催される第77回日本臨床眼科学会にて、鳥取大学と当社技術研究所の共同研究の取り組みを発表いたします。
発表演題:アレルギー性結膜疾患画像データベースの構築と画像AI診断支援

ホテルの部屋割り業務効率化ツール「RooMagic」をリリース JR九州ホテルズに導入決定(株式会社クレスコ)
株式会社クレスコは、2023年10月2日、新たに開発したホテルの部屋割り業務最適化ツール「RooMagic(ルーマジック)」をリリース。RooMagicは、九州・東京・京都に展開するJR九州ホテルズ株式会社様での導入が決定している。

会社全体のサイバー攻撃リスクを可視化する「GMOサイバー攻撃 ネットde診断 エンタープライズプラン」を提供開始(GMOサイバーセキュリティ byイエラエ)
初めてでも使いやすい国産のアタックサーフェスマネジメントサービス
GMOインターネットグループでサイバー攻撃対策事業を展開するGMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社は、2023年10月2日 (月)より、自社が保有するWebサイトやネットワーク機器を洗い出し、定期的なセキュリティ診断を行うことで会社全体のサイバー攻撃リスクを可視化する、「GMOサイバー攻撃 ネットde診断 エンタープライズプラン」の提供を開始。

グループ各社提供のインターネットインフラサービスにセキュリティ診断機能を搭載
第一弾は「お名前.com byGMO」、ワンクリックで脆弱性診断(GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社)
GMOインターネットグループは、グループでサイバー攻撃対策事業を展開するGMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社が提供する SaaS型セキュリティ診断ツール「GMOサイバー攻撃 ネットde診断」を、グループ各社のインターネットインフラ関連サービスの機能として、順次搭載を開始。

helpmeee! KEIKO|ヘルプデスク未経験者でもプロ級対応を実現できる次世代のAI機能をリリース!(バリュエンステクノロジーズ株式会社)
大型アップデート第四弾|ヘルプデスクをAIが徹底サポート!未経験でもプロ級のレスポンスが可能に。対応実績を用いてQ&Aの自動生成を行う「過去会話学習機能」も併せてリリース。スムーズなナレッジ化を実現。


【7】AI川柳
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調和系工学研究室では、毎日新聞社「仲畑流万能川柳」や第一生命保険「サラリーマン川柳」を学習用の教師データとした「AI川柳」に取り組んでいます。

2020年3月までの1年間「NHK総合 ニュースシブ5時」にて、その週の話題のニュースのキーワードをお題に、バーチャルアナウンサー「ニュースのヨミ子」さんが詠んでいたAI川柳も、本研究室が開発した人工知能システムです。
多くの皆さんに楽しんでいただけるよう、2020年6月にAI川柳のTwitterアカウント( https://twitter.com/ai_senryu )を開設いたしました。

AIには詠んだ句に対する「良し悪し」の感覚はありません。そのため、人間がどのように感じ、どのような情景を思い浮かべるかにより、AIが詠んだ句に意味が生じてきます。
AIが詠んだ句に共感していただけましたら大変うれしく思います!

★ お題「芸術」(9月22日投稿)
芸術の力を借りて考える
秋が芸術を楽しむ絶好の季節であることを思い起こさせます(感想は #ChatGPT と作成)

★ お題「栗」(9月25日投稿)
ポケットに栗入れて寝たふりしてる
秋の楽しみや、子供のような無邪気さを思い出させます(感想は #ChatGPT と作成)

★ お題「満月」(9月28日投稿)
寝そべったまま満月の夢明り
満月の光に照らされながら夢見心地の状態、夢幻的な情景(感想は #ChatGPT と作成)


【ご寄附のお願い】
人工知能によるイノベーションでより素晴らしい世界を実現することが、私たち調和系工学研究室の使命であると考え日々研究に取り組んでいます。
大学での研究活動には、研究に必要な機器の整備のほかにも、学生の学会への参加や論文投稿など研究費が欠かせません。

私たちの取り組みにご賛同いただけ、応援のご寄附を賜れましたら大変心強く、研究を続けるうえで大きな励みとなります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

調和系工学研究室 教授 川村 秀憲

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

◇ 次号は、2023年10月20日に配信する予定です。
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