2022年5月13日配信

こんにちは。

北海道大学調和系工学研究室(川村秀憲教授、山下倫央准教授、横山想一郎助教)です。

ゴールデンウィークが終わり、皆様いかがお過ごしでしょうか?

今週水曜日から第6回AI・人工知能EXPO【春】、第2回アカデミックフォーラム【春】が東京ビッグサイトにて開催されています。

本研究室も出展しております。
5月13日(金)17:00までですので、ご興味のある方は、是非いらしてください。

では、本日もどうぞよろしくお願いいたします。

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◇ 本日のTopics ◇
【1】調和系工学研究室WHAT’S NEW
【2】アド・スタディーズ2022年春号「AIと人が調和する社会」後編
【3】第7回「Sapporo mirAI nITe」後編
【4】ディープラーニング勉強会
【5】人工知能・ディープラーニングNEWS
【6】今週のAI俳句ランキング
【7】AI川柳

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【1】調和系工学研究室WHAT’S NEW

★「除雪の出動判断を支援するシステムの開発」について堀口組と共同研究を開始しました

AI・IoTを活用した除雪労働環境の整備支援において、除雪への出動判断を支援するシステム開発を株式会社堀口組と共同研究します。

北海道における道路の除雪業務は人々の移動を支える上で重要な役割を果たしています。
本共同研究では、雪見巡回用の固定カメラで撮影された画像や気象分析データに対し、人工知能技術を適用し、除雪作業の出勤決定を支援するシステムを開発します。
本システムの評価指標として、出勤判断の推定精度だけではなく、雪見巡回の出動回数や除雪作業の待機時間にも着目し、実データを用いた有効性を検証します。

本共同研究により、除雪にかかわる方々の労働環境が整備され、従業員満足度が向上することが期待されています。

[株式会社堀口組]

【共同研究につきまして】
共同研究にご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ先:http://harmo-lab.jp/contact


★研究室に関連する企業・ベンチャーのニュース

「SUBARU画像認識チャレンジ」で調和技研のAIエンジニアが2位を受賞しました

株式会社SUBARU主催「SUBARU 画像認識チャレンジ」にて、株式会社調和技研の画像系AIエンジニア(チーム名:異母反妙)が2位を受賞しました。
2021年11月から始まったコンペティションでは、動画像データなどを利用してフレーム単位で先行車の速度を推論するアルゴリズムを作成するタスクが与えられました。
株式会社調和技研では画像系AIエンジン「visee」を開発し、画像認識・生成と広く技術領域をカバーした開発を行っています。

[SUBARU 画像認識チャレンジ]
[株式会社調和技研]


【2】アド・スタディーズ2022年春号「AIと人が調和する社会」後編

吉田秀雄記念事業財団が季刊で発行する研究広報誌「アド・スタディーズ」にて、川村教授のインタビュー記事を掲載いただきました。

AIで地方創生

―先生は「SAPPORO AI LAB(札幌AIラボ)」というプロジェクトにも関わっておられますね。

川村  私がラボ長を務めています。これには背景がありまして、札幌を中心とした北海道は、IT 系の産業では「ニアショア」と言われているんです。
海外に仕事を出すことを「オフショア」と言いますが、北海道は東京に比べれば人件費が安く、日本語が通じるので、IT 開発の下請け仕事が流れてくる。それが北海道のIT産業の中心で、年間4,000億円ほどの市場規模があります。でも下請けでは儲からないし、この先伸びるのかというと難しい。
「今後IT産業の中でAIの比重が大きくなっていくときに、北海道も独自のブランドを持てないか」と考えて話をしたら、行政の人たちも乗ってくれて、「AIを軸にさまざまな活動をして、産業をサポートする機能を持ったコミュニティをつくろう」ということになったのです。
札幌AIラボを中心に、大学も含めて地域のIT産業をブランディング。結果、下請けではなくきちんと自分たちの名前で仕事をしていくような体制にしていく。そういうコミュニティがあると、行政もAIの開発事例のある会社を集めて展示会を開いたり、資金サポートをしてくれるということがあります。
それとは別に、「AIを開発する会社を地元につくりましょう」ということで、私の研究室からも「調和技研」というAIのロジックづくりを行うベンチャーを立ち上げました。私たちの研究成果を社会に実装していくことが設立目的の一つで、研究室で初めてのAIスタートアップです。当初は4~5名が研究室で活動しているだけでしたが、設立して12年になり、今では60名近いメンバーがいて、東京や海外でも活動しています。
研究室発のベンチャーは全部で4社あって、その中の「AWL(アウル)」という、ディープラーニングなどAI 技術を応用する会社も、ベンチャーキャピタルから20億円を調達しています。

―理想的な地方創生のように感じます。

川村  私の目標は、自分が好きでやっていることが世の中に出て、皆さんに便利に使われるということ。大学の先生というポジションにこだわりはありませんが、もちろん大学教授という職が嫌いなわけでもありません。私が大学にいて、大企業の人やベンチャーの人と組むと、それぞれ人脈もケイパビリティも違う。お互いが全然違う価値観とチャンネルと能力を持っているので、同じ方向に向かってまとまったとき、大きなチーム力が発揮されるのです。
いろいろな仲間と一緒にやっていると、ある分野が得意な人がいたり、「あそこなら知っているから紹介してあげるよ」といった形で、一人ではとても無理な世界が広がっていきます。そこに参加して感じるのは、メンバーの一員として大学の研究者も必要とされているということです。チームメイトに大学教授が一人いると、それが強みになるわけですね。
私は北海道出身で、風土や食べ物など北海道が好きなので、地元の行政の方とも共同でいろいろ企画しています。行政の人たちとしても、私のようなのが大学にいると、いろいろ便利なことがあるようです。ですから私が今、大学の先生をやっているのは、自分のためというより、私をうまく使ってくれる多くの仲間のためという感覚ですね。
日本の大学は、昔に比べて研究環境が厳しくなっています。「産学連携とはいえ、そんな論文にならない活動に時間を取られるのは……」という雰囲気がある。産学連携をうまく機能させるには、大学の先生にとってもそれに協力していくことが、自身の業績評価につながるような仕組みが必要だと思います。直接的な金銭的メリットもあったほうがいいでしょう。「ボランティアでやってください」では続かないので。
今後、そういった産学連携のルールや環境を整えることで、日本も大学・企業・社会の「三方よし」になっていくのではないでしょうか。


【3】第7回「Sapporo mirAI nITe」後編

札幌は昔も今も、これからのミライもITの本場でありたい。
そんな想いから2021年度はたくさんの情報をお伝えするため、さっぽろのITの「イマ」と「ミライ」を知る、「Sapporo mirAI nITe」が開催されました。
各セッションでは、AIやAR/VRなど先端技術やユニークなビジネスアイディアを持つ企業と札幌市における様々なITの取り組みを紹介しました。

その第7回目の配信が4月6日(水)から始まりました。(https://www.youtube.com/watch?v=49A_UQEvtCo&t=4074s
第7回目は、川村教授がファシリテーターを務め、ゲストに一般社団法人北海道モバイルコンテンツ・ビジネス協議会会長 里見英樹氏、株式会社六書堂 代表取締役社長 藤田開氏、ブロス株式会社 代表取締役 濱野信幸氏、聞き手に北海道コカ・コーラボトリング株式会社 成長戦略策定室室長 三浦世子氏をお迎えしました。

「観光をレベルアップするTravelTechの可能性」と題し、「IT×観光」を合言葉にITと観光を掛け合わせることで生まれる新しいビジネスについて、札幌の観光のシンボルでもある札幌市時計台2階にある時計台ホールにてゲストの方々からお話を伺っております。
今回は後半のお話をメルマガでも紹介させていただきます。

― ×ITによりどのような可能性が生まれるのか

川村  15、6年くらい前に、IT分野と観光業界で観光情報学会というのを作ったんですね。これは正にITと観光を掛け合わせてどんなことができるのかという、日本だと観光情報学会が学際領域となるのですが、意外と分野としては古くから研究されているんですよね。
ただ、その頃はスマホも普及していないし、なかなか現地に行ってIT機器を使いながら観光するという状況ではなかったので、どうしても研究分野でITと観光を融合させた場合、ブログをテキストマイニングしてどんなことが書かれているのか、どういうところにアクセスが多いのか、ITの中での観光とは何か、みたいな研究が多かったです。最近になってみなさんスマホを持っていますし、ここ2年はコロナで出歩くことが難しいこともあり、だいぶ状況が変わってきて、やっとそろそろITと観光が融合していき、新しい価値を生むというような状況になってきているのかなというような気がします。
観光業界でも少子高齢化の影響があり、リソース、人も少なくなってきているので、昔ながらの人力で観光分野を回していくというのも難しくなりつつあり、そういうところでITをいかに使っていくのかという、観光を支えるという面でもIT、DXが導入されているイメージがありますが、どうでしょうか。

里見  スマホを誰もが持ち歩くようになって、一番利便性があり使われているのがgoogleマップではないかと思います。情報を持ち歩くことができるという時代になったからこそだと思うんですよ。ガラケーからスマホの時代になって、その辺のサービスが加速してきているなと思いますね。

川村  そこでまた色々なコンテンツの在り方や、工夫、今回もインスタ、Twitter含めて色々仕掛けられていますけれども、盛り上げ方というのも変わってきますよね。

藤田  一方では、観光の情報というのが、「札幌時計台」、「札幌雪まつり」と入れても、多くの情報が出てきて、本当に自分の欲しい情報がどこにあるのかというのが、なかなか見つからないということも起きているんですよ。

川村  どうやって良質な情報を提供していくのかというのは、課題ですよね。雪まつりの雪像の話もそうですけれども、観光って単にそこにあるものを見たいというわけではなく、そこにまつわるストーリーも一緒に楽しまなければ意味がないじゃないですか。
時計台を見て、ただ「あ、時計台だ」だけではなく、冒頭「時計台は何だったか」という話をしましたが、元々どういうものだったのか、これにまつわるエピソードや、今どうなっているのかも含めて、そういう情報があって、実際に目で見て、しかもバーチャルではなく、リアルで見るということをいかに融合させていくのかというのが、ITと観光で新しい負荷が出てくるという気がしますよね。

里見  旅行の際、手軽に情報が持ち歩けるという中で、全く調べないで、現地行ってからさあ、今日どうしようというように行動される方も多くなってきているのではないかと思うのですが。

川村  私も旅行するときは、大体現地に行って、やることを考えることが多いですね。一応、ガイドブックを買うんですが、行きであまり見ず、帰りにすごく読むんですよ。
まだ自分が目にしていないもののストーリーはあまり頭に入ってこないけれども、それを巡った後に振り返って読むと、気づきがあったり、文化背景だったり、国民性なども、よりリアリティが増すので、最初は行き当たりばったりなんだけれども、帰りは情報に触れ、リアルになっている。

三浦  海外から来る方も、そのような流れで情報を利用しているとすると、思い出としてストーリー全体も興味を持った後に、何かコンテンツが理解できるような仕組みがあっても面白いのかなと。

川村  後にどういったものを見せるのか、楽しませるのかということも含めて観光って考えられたら、また行きたくなるのではないでしょうか。

― キッチンカーロケーションシステム「ここキチDo」

里見  キッチンカーはコロナ禍で密を避け、安心安全に色々なものが買えるということで、増えてきておりまして、キッチンカーロケーションシステムというのはバスの路系と同じように、キッチンカーが今日どこで営業しているかがわかるシステムです。キッチンカーの営業の手続きも手軽にできるスマホアプリの開発をし、スロースタートではありますが、サービスインしています。

川村  全国でも同じようなニーズがあるのではないでしょうか。

里見  首都圏ではかなりスタンダードになってきています。キッチンカーの登録をもっと増やすことが、利用者数の増加にも繋がると思います。 増えてきたら、キッチンカーのイベントができたらいいですね。テントやプレハブなどの設置が必要ないので、コロナ禍でも準備に時間をかけずに、駐車場に集まってもらい、時間になったら終了することができるので。

川村  これらの取り組みが、コロナが少しおさまり、その先に繋がっていけばいいですね。


【4】ディープラーニング勉強会

調和系工学研究室ではディープラーニングの最新の知識共有を目指し、毎週ゼミを実施しています。
担当学生がトップカンファレンスから自分の興味のある論文について発表し、意見交換をしながら進めています。
本研究室HP( http://harmo-lab.jp/?page_id=1194 )には過去の発表に使用したスライドも公開していますので、ご興味のある方はぜひそちらもご覧ください。

[紹介論文]
Background Splitting: Finding Rare Classes in a Sea of Background

公開URL:https://openaccess.thecvf.com/content/CVPR2021/papers/Mullapudi_Background_Splitting_Finding_Rare_Classes_in_a_Sea_of_Background_CVPR_2021_paper.pdf

論文紹介スライドURL:https://www.slideshare.net/harmonylab/background-splitting-finding-rare-classes-in-a-sea-of-background

出典:Ravi Teja Mullapudi, Fait Poms, William R. Mark, Deva Ramanan, Kayvon Fatahalian

概要:少数の正例クラスを含む不均衡データセットに対する精度向上を目的とした、多様な不例データの特徴量を用いる補助タスクを学習に組み込むアプローチを提案した。
SOTA手法と比較し、不例データが99.98%のデータセットに対してmAPが42.3ポイント向上した。(博士3年 平間 友大)


【5】人工知能・ディープラーニングNEWS

★ NEDO、人工知能を活用した信号制御システムの実証実験を実施と公表
★ 自然言語処理モデル「BERT」の日本語版事前学習モデルが無償公開 商用利用も可
★  自分ではわからない「自分の第一印象」を教えてくれるAIが登場!
★  電通大、指をバラバラに動かせる義手を開発 AIを活用 
★  AIキャラクター育成SNS「キャラる」配信開始。自分だけのAIキャラクターを育成して,交流できる
★  会話の間やリズムを理解する会話型AIを社会実装!早大研究者が創業
★  レベル4の自動運転を実装するのに必要なものとは何か?

【6】今週のAI俳句ランキング

AIが俳句をつくる「AI俳句」の普及を目指して、本研究室を事務局として2019年7月に設立されたAI俳句協会のウェブサイトでは、AIが生成した俳句を人が評価して、評価結果を集約したAI俳句ランキング(月間・週間)の集計を行っています。

今週のランキングをご紹介したいと思います。

1位 フリージア受胎告知の息づかひ

2位 門前に筍飯を売りにけり

3位 傾城の思ひきりたる袷哉

すべて、本研究室が開発した「AI一茶くん」が詠んだ句になります。
「AI一茶くん」は1日1句投稿していますので、ぜひ俳句協会ウェブサイト( https://aihaiku.org ) もご覧ください!


【7】AI川柳

調和系工学研究室では、毎日新聞社「仲畑流万能川柳」や第一生命保険「サラリーマン川柳」を学習用の教師データとした「AI川柳」に取り組んでいます。
2020年3月までの1年間「NHK総合 ニュースシブ5時」にて、その週の話題のニュースのキーワードをお題に、バーチャルアナウンサー「ニュースのヨミ子」さんが詠んでいたAI川柳も、本研究室が開発した人工知能システムです。
多くの皆さんに楽しんでいただけるよう、2020年6月にAI川柳のTwitterアカウント( https://twitter.com/ai_senryu )を開設いたしました。
AIの中には詠んだ句の良し悪しはないためそれを良いと思うのは人間の側で、そう思うことで初めてAIの詠んだ句が意味を持つのではないでしょうか。
AIが詠んだ句に共感していただけましたら大変うれしく思います!

★お題「観光地」(4月28日投稿)
 予報士が笑顔で見てる観光地

ゴールデンウィーク、お出掛けする方も多いのでは?
天気が良いといいですね。

★お題「リフレッシュ」(5月6日投稿)
 孫帰り会話相手にリフレッシュ

今年のゴールデンウィークは制限がなく、帰省をした方もいらっしゃったのでは?
お孫さんとの会話を楽しむ様子が目に浮かびます。

★お題「ゲーム機」(5月10日投稿)
 ゲーム機に喜怒哀楽と書いてあり

ゲームに夢中になり、思わず声をあげる人、
無言ですが、心の中で叫んでいる人、
皆さんの周りにもいませんか?


【ご寄附のお願い】
人工知能によるイノベーションでより素晴らしい世界を実現することが、私たち調和系工学研究室の使命であると考え日々研究に取り組んでいます。

大学での研究活動には、研究に必要な機器の整備のほかにも、学生の学会への参加や論文投稿など研究費が欠かせません。

私たちの取り組みにご賛同いただけ、応援のご寄附を賜れましたら大変心強く、研究を続けるうえで大きな励みとなります。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

調和系工学研究室 教授 川村 秀憲

[北海道大学奨学寄附金制度について](本学への寄附金については、税法上の優遇措置の対象となります)
お問い合わせ先:http://harmo-lab.jp/contact

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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調和系工学研究室教員
川村 秀憲教授
山下 倫央准教授
横山 想一郎助教

調和系工学研究室HP
調和系工学研究室FB
川村 秀憲教授FB
Twitter 調和系工学研究室AI川柳
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