2022年2月18日配信
こんにちは。
北海道大学調和系工学研究室(川村秀憲教授、山下倫央准教授、横山想一郎助教)です。
全国的に冬の寒さが続いていますが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
ニュースでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、2月6日に札幌で記録的な大雪が降り、翌2日間はJR北海道が始発から札幌駅発着の列車の運転を全面取りやめるなど、市民生活に大きな影響がありました。
排雪も遅れており、道路のわきに積み上がった雪が圧倒されるほどの高さになっています。
3月は平年より気温が高くなる予想とのことなので、雪解けがとても待ち遠しいです。
では、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
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◇ 本日のTopics ◇
【1】調和系工学研究室WHAT’S NEW
【2】日刊工業新聞「次代をつくる」
【3】人工知能・ディープラーニングNEWS
【4】今週のAI俳句ランキング
【5】AI川柳
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【1】調和系工学研究室WHAT’S NEW
★研究室に関連する企業・ベンチャーのニュース
『サツドラホールディングスホームページ「事例紹介」にてAWLの取り組みが掲載』
北海道のドラッグストアチェーン「サツドラ」グループを統括するサツドラホールディングスホームページの「事例紹介」にて、AWL株式会社の取り組みが掲載されました。
AWLとサツドラHDは、AIカメラソリューションサービスの共同開発等を目的とした業務提携を行っており、サツドラHD本社機能を備えるサツドラ北8条店では、80台のAIカメラと映像処理・分析ツール「AWL BOX」( https://awl.co.jp/services/awl-box/ )が導入されています。
ドラッグストア×AIをテーマにサツドラが描く小売の未来への挑戦を、本研究室OBであるAWL 土田安紘氏、サッポロドラッグストアー 越田恭行氏、サツドラとAWLの両社に所属するメディコム 山本剛司氏がインタビュー形式で語っていますので、ご興味のある方はぜひお読みください。
サツドラホールディングス ホームページ「事例紹介」
[サツドラが描く小売の未来 ―ドラッグストア×AIで店舗のメディア化に向けた第一歩]
[AWL株式会社]
【2】日刊工業新聞「次代をつくる」
今年度から日刊工業新聞「次代をつくる」にて、川村教授が寄稿しています。
技術者の能力の分散が大きいという特徴をもつAI分野。
優秀なAI技術者の採用における、大企業とスタートアップでの能力評価制度の違いについて述べています。
[「次代をつくる/AI技術者採用 スタートアップが有利」 2月15日(火)]*日刊工業新聞社の転載承認を受けています
現在、大企業が人工知能(AI)技術者の採用を増やそうと躍起になっている。一方でスタートアップもまた必死にAI技術者を採用している。人材の取り合いである。しかし、この勝負は二つの理由で大企業に分が悪い。
一つ目はAIという分野の特徴だ。AI技術開発では、事前に設計を決め、予定通りの工数で期待される精度を実現することは難しい。また、難易度の高いAI開発を優秀な技術者が1人でやってのけてしまうことも珍しくない。つまり、AI技術者の能力の分散がとても大きい分野なのである。従って優秀な技術者を集めるためには、能力を正当に評価して高い報酬を払う必要があり、企業にはそれを柔軟に実現できる制度が必要である。
二つ目は今の若者の職業観である。昔は理工系大学の就職は学校推薦が主であったが、近年は就職の自由に対する意識の高まりも受け、学校推薦を利用する学生は減少している。また、生涯同じ会社で勤め上げることを前提とせず、スキルアップし転職や起業することを前提として就職する学生も多くなってきている。このような状況下で、将来の昇進や賃金アップで彼らを引き止めておくことは難しく、優秀な若者ほどこの瞬間に能力を正当に評価してくれる会社に魅力を感じるはずである。
以上のことから、若くて優秀なAI技術者の採用は新卒一括採用、年功序列、終身雇用をベースとする古い体質の大企業の制度と相性が悪い。スタートアップはこのような社会情勢に合わせスクラッチから会社、組織、制度を作ることができる。高い年俸やストックオプション、優秀な若者を高く評価する仕組みなどである。もちろん、大企業も制度改革に力を入れているが、これまでの制度の中で頑張ってきた社員への手前もあり、そう容易ではないはずである。
このような背景を基に日本全体のことを考えると、社会全体でスタートアップを応援し数多く育てていき、産業界の新陳代謝を図っていくことが重要であると考えられる。次世代を担うたくさんのスタートアップが生まれ、より良く日本の産業構造を変えていってくれることを願う。
【3】人工知能・ディープラーニングNEWS
★DeepMindのAI「AlphaCode」は競技プログラミングレベルのコードを書ける
★WebAssembly製のx86仮想マシン「WebVM」が登場、Webブラウザ上でLinuxや各種コマンド、アプリがそのまま実行可能
★スマート貞操帯をハッキングされ身代金を要求される事態が発生、被害者男性は「デジタルのものは信用できない」と語る
★アビックス、AIを用いたサービスで店舗や施設の業務を支援・分析
★Sony’s AI system GT Sophy beats 95% of human competitors at Gran Turismo Sport
★「いつの間にか精度が落ちて慌てて直す」──“AI運用あるある”を成功に導く「MLOps」とは
★実験室内で培養した人の「ミニ脳」にゲームをプレイさせることに成功、AIよりも速いわずか5分で習得
【4】今週のAI俳句ランキング
AIが俳句をつくる「AI俳句」の普及を目指して、本研究室を事務局として2019年7月に設立されたAI俳句協会のウェブサイトでは、AIが生成した俳句を人が評価して、評価結果を集約したAI俳句ランキング(月間・週間)の集計を行っています。
今週のランキングをご紹介したいと思います。
1位 竜天に登りつめたる神の留守
2位 紅梅の力抜きたる蕾かな
3位 東京に子供の声の冴返る
すべて、本研究室が開発した「AI一茶くん」が詠んだ句になります。
「AI一茶くん」は1日1句投稿していますので、ぜひ俳句協会ウェブサイト( https://aihaiku.org ) もご覧ください!
【5】AI川柳
調和系工学研究室では、毎日新聞社「仲畑流万能川柳」や第一生命保険「サラリーマン川柳」を学習用の教師データとした「AI川柳」に取り組んでいます。
2020年3月までの1年間「NHK総合 ニュースシブ5時」にて、その週の話題のニュースのキーワードをお題に、バーチャルアナウンサー「ニュースのヨミ子」さんが詠んでいたAI川柳も、本研究室が開発した人工知能システムです。
多くの皆さんに楽しんでいただけるよう、2020年6月にAI川柳のTwitterアカウント( https://twitter.com/ai_senryu )を開設いたしました。
AIの中には詠んだ句の良し悪しはないためそれを良いと思うのは人間の側で、そう思うことで初めてAIの詠んだ句が意味を持つのではないでしょうか。
AIが詠んだ句に共感していただけましたら大変うれしく思います!
★お題「尻尾」(2月4日投稿)
あれこれと思いめぐらす尻尾振り
犬を飼う前は、犬が尻尾を振る=嬉しいと思っていましたが・・・
うちの犬は「?」なときもゆっくり尻尾を振っています!
★お題「雪景色」(2月7日投稿)
雪景色美しいとは限らない
札幌に大雪が降りました!
深々と降る雪は確かに幻想的ですが、雪かきを考えるとかなり憂鬱です・・・
★お題「気が重い」(2月8日投稿)
がまんすること気が重い歳になり
愛犬が幼少のころから、おやつをもらうときにする待てのポーズ
可愛い!って褒められて喜んでいると思ってたら、今はもう乗り気じゃなかったみたいです・・・
★お題「氷」(2月9日投稿)
痛そうな冬の氷をなでてみる
この時期札幌でよく目にする大きなつらら
手が届くときはそっと撫でてみながら、これが上から落ちてきたときのことを想像してしまいます・・・
★お題「チョコ」(2月14日投稿)
子供からチョコの事情を聞かされた
年頃の息子がいるお母さん
もらえてももらえなくても、今日は何だか落ち着かないかも・笑
★お題「寝返り」(2月15日投稿)
気持ちよく寝返りを打つうちの猫
丸まって寝ていたうちの猫がいつの間にかお腹を見せて寝てる・・・
記録的なドカ雪で高い雪壁に囲まれている札幌ですが、日差しは少しずつ春めいています!
★お題「待っている」(2月17日投稿)
老犬も猫の帰りを待っている
普段はお互い干渉しないけど、猫が病院に連れていかれると帰ってくるまで玄関をうろうろするうちの犬
心配だよね(今日は年一のワクチン接種だけど・笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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山下 倫央准教授
横山 想一郎助教
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