2021年11月12日配信

こんにちは。

北海道大学調和系工学研究室(川村秀憲教授、山下倫央准教授、横山想一郎助教)です。

札幌ではまだ初雪が見られませんが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。

昨年は初雪が11月4日、積雪初日が11月9日でしたが、今年は来週以降の予想となっています。

史上最も遅い初雪は2018年の11月20日になりますが、今年は札幌市初雪最遅記録の更新もあるかもしれません。

一点、研究室からお知らせがあります。

本号から「調和系工学研究室関連企業NEWS」をシェアさせていただくこととなりました。

調和系工学研究室では共同研究や学術コンサルティング、アドバイザーなどを通して、様々な企業と積極的にかかわりを持ってきました。

「人工知能」をキーワードに拡がっていったネットワークをシェアすることで、さらなる「人工知能技術を応用して人々の幸せと社会の調和に貢献」ができましたら大変うれしく思います。

メルマガをお読みいただいている企業の皆さまからのプレスリリースなど、情報もお待ちしておりますのでお気軽にご連絡をお願いいたします。

では、本日もどうぞよろしくお願いいたします。

***************************************

◇ 本日のTopics ◇

【1】調和系工学研究室WHAT’S NEW

【2】第1回「Sapporo mirAI nITe」・その1

【3】失敗は成功の通過点にすぎない・その3

【4】調和系工学研究室関連企業NEWS

【5】ディープラーニング勉強会

【6】人工知能・ディープラーニングNEWS

【7】今週のAI俳句ランキング

【8】AI川柳

***************************************

  • 調和系工学研究室WHAT’S NEW

★情報処理学会北海道支部より優秀プレゼンテーション賞と技術研究賞を受賞しました

2021年10月9日(土)にオンラインで開催された「情報処理北海道シンポジウム2021」( https://hokkaido.ipsj.or.jp/info2021/ )にて、修士2年の阿部 涼介さんと学部4年の細川 万維さんが発表を行い、本発表にてそれぞれ優秀プレゼンテーション賞と技術研究賞を受賞しました。

阿部 涼介, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲 : ECサイト掲載商品の紹介文作成支援システムの開発とメールマガジンによる紹介文評価, 情報処理北海道シンポジウム2021, 3-3, オンライン (2021)

本研究では著者らが開発してきた紹介文作成支援システムによって生成される紹介文に対して、メールマガジン配布を行い、メール内の商品のバナーのクリック率を使用して、文章の質を確かめる実験を行いました。

今回は優秀プレゼンテーション賞というように、自身のプレゼンに対して評価してもらいました。

本受賞を糧に、今後も研究および人に伝えることを意識した資料作り、発表を行っていきたいと思います。(修士2年 阿部 涼介)

細川 万維, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲, 関屋 英理子(株式会社ニチレイ) : 食品ロス削減に向けた家庭料理の献立作成アルゴリズムの検証, 情報処理北海道シンポジウム2021, 7-3, オンライン(2021)

近年、食品ロスという言葉が話題になっています。

食品ロスとは本来食べられるのに廃棄されてしまう食品のことで日本では年間約600万トンもの食品が無駄になっており、その半数は家庭から排出されています。

その原因は様々ですが、本発表では家庭における食品の過剰購入による食品ロスの削減を目標とし、献立支援システムの提案と実際のレシピデータを用いた検証を行いました。

今回の受賞を励みに、引き続きユーザーの役に立つような献立支援システムになるよう、研究に取り組んでいきたいと思います。

今回このような賞を頂けたのは、研究室の先生方をはじめ、研究室の先輩方、株式会社ニチレイの皆様のご指導、ご協力のおかげです。

ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。(学部4年 細川 万維)

★電子情報通信学会論文誌 Dに吉田 拓海さんの論文が掲載されました

博士2年の吉田 拓海さんの論文「競輪における予想記事の自動生成システムの開発」が、電子情報通信学会論文誌 Dに掲載されました。

本研究は、株式会社チャリ・ロトと調和系工学研究室の共同研究です。

2018年10月17日よりAI競輪予想サービス「AI-WIN」( https://ai.chariloto.com/ )として実用化されており、情報処理学会より2019年度山下記念研究賞、人工知能学会より2019年度研究会優秀賞、The 22nd Asia Pacific Symposium on Intelligent and Evolutionary SystemsよりBest student paper(2018)を受賞しています。

著者:吉田 拓海, 横山 想一郎, 山下 倫央, 川村 秀憲

要旨:現在Web上では、人を説得する目的で様々なコンテンツが配信されている。一方で、説得力のあるコンテンツを人手で作成するコストは大きく、自動生成技術に高い需要がある。

本稿では、競輪における予想記事の自動生成システムを開発した。レース展開を含むレース結果の予測器をTransformerにより構築し、予測器の出力に基づいて、事前に人手で設定したテンプレートを使用するルールベース手法によって記事を生成した。

ルールベースによって生成する記事の目標は、競輪の競技としての特徴と既存の予想記事の分析から設定した。予測については過去データを使用した実験によって、オッズよりも高い精度を達成し、予測器の出力とオッズに基づいて車券を選択することで利益を得ることが可能であることを示した。

生成された記事については既存の予想記事と同等以上の評価を達成した。

電子情報通信学会論文誌 D

競輪における予想記事の自動生成システムの開発

★北海道大学「サステナビリティレポート2021」にて調和系工学研究室が紹介されました

北海道大学のサステイナビリティに関する取組を包括的に開示する「サステナビリティレポート2021」にて、調和系工学研究室の取り組みが紹介されました

本学の特徴的な取り組みとして、「北大発ベンチャー認定制度」があります。

この制度は、本学の研究成果を社会実装するために起業したスタートアップ企業を大学としてサポートするもので、認定企業は24社にのぼります。

そのうちの3社、AIアルゴリズムを開発する「株式会社調和技研」、AIカメラソリューションを提供する「AWL株式会社」、AIボイスレコーダーを開発する「ティ・アイ・エル株式会社」が、本研究室の教員・学生・OBが中心となって設立されています。

「サステナビリティレポート2021」では、昨年来から大きな影響を受けた新型コロナウィルス感染症について、本学の対応ドキュメントや研究成果の一端の掲載や、2020年度の最新の研究や教育、キャンパスマネジメントの成果等も紹介されています。

北海道大学の今と未来が見えるレポートとなっておりますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

北海道大学

サステナビリティレポート2021

(調和系工学研究室の取り組みは、8ページ目に紹介されています。)

★愛媛NHKニュースにて「俳句チャンピオン決定戦 恋の選句王大会2 ~AIは恋の俳句が詠めるのか?~」を取り上げていただきました

愛媛NHKニュースにて、11月6日(土)に松山市でリモート開催された「俳句チャンピオン決定戦 恋の選句王大会2 ~AIは恋の俳句が詠めるのか?~」を取り上げていただきました。

本大会は俳句雑誌を発行している松山市の出版社マルコボ.コムが企画し、「AI一茶くん」がつくった22句の中から「恋」がテーマの最も優れた句が参加者の投票の結果選ばれます。

今回1位に選ばれたのは、「香水を深めて嘘をつきはじむ」です。

山下准教授のインタビューも紹介されていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

愛媛NHKニュース

AIが作った恋がテーマの俳句を選ぶ

★道新こども新聞「週間まなぶん」にて連載「北大・川村教授に聞く AIを知ろう」が始まりました

道新こども新聞「週間まなぶん」にて、連載「北大・川村教授に聞く AIを知ろう」が今月より始まりました。

「週刊まなぶん」は北海道新聞を購読している方に、毎週土曜日の朝刊と一緒に無料で届けられる子ども新聞です。

第1回目は11月6日(土)に掲載され、AI俳句について紹介されました。

第2回目は12月4日(土)に掲載予定です。

AI一茶君をはじめ、AIのことについて子供向けに解説していますので、お子様をお持ちの皆様などよければ目を通してみてください。(川村 秀憲)

北海道新聞

週刊まなぶん

★朝日新聞にて「俳句チャンピオン決定戦 恋の選句王大会2」について取り上げていただきました

11月7日(日)の朝日新聞にて、「俳句チャンピオン決定戦 恋の選句王大会2」について取り上げていただきました。

本大会では人工知能「AI一茶くん」がつくった俳句から、県内外の参加者25名による投票で最優秀句を選びます。

投票の結果、「香水を深めて嘘をつきはじむ」が選ばれました。

本研究室と共に大会を企画した俳人のキム・チャンヒさんからは、「投票で上位になった句は句会で点が入るレベル。AIの進化を実感している」と評価していただきました。

朝日新聞

最優秀句は「香水を深めて…」 恋の俳句王、AIの力作に驚きの声

★研究室に関連する企業・ベンチャーのニュース

『調和技研が汎用性の高いAIエンジン開発に注力』

11月10日(水)の日本経済新聞にて、調和技研による汎用性の高いAIエンジンの開発及び販路拡大について取り上げていただきました。

これまでは顧客ごとに受託開発してきましたが、これからは開発したAIの汎用化を進め、ライセンスビジネスに注力していきます。

大手が提供するAIではカバーしきれないユニークな技術を開発していきますので、引き続き皆様のご支援よろしくお願いいたします。(川村 秀憲)

日本経済新聞

調和技研がライセンス方式、AIエンジン顧客に託す](お読みいただくにはログインが必要となります。)

[株式会社調和技研]

『AillがHRアワード2021最優秀賞受賞を受賞』

AI縁結びナビゲーションアプリ「Aill goe」を開発する株式会社Aillが、日本の人事部「HRアワード2021」最優秀賞を受賞しました。

日本の人事部「HRアワード」は、人・組織に関わる領域において、企業や個人の成長を促す取り組みに着目し、HRパーソンに広く伝えることで、HRを通じた全国の企業の発展を目指す表彰制度です。

最優秀賞・優秀賞は、全国のHRパーソンによる投票で決定します。

Aill goenは社外の良縁とAIのテクノロジーの力で、社員の幸福度向上をアシストするサービスです。

・「仕事も家庭も一緒に支え合えるかけがえのないパートナー探し」をお手伝いすることで、これまで企業による支援が難しかった「ライフ面でのサポート」を実現

・結婚後の共働きに対する理解を得やすいパートナーとの出会いをアシストするAill goenは、女性がフルキャリ実現のためのプラットフォームとして有効

以上のことから、Aill goenが社員のワークライフシナジーを加速させるサービスとして最優秀賞を受賞しました。

本の人事部「HRアワード」

[株式会社Aill]
  • 第1回「Sapporo mirAI nITe」・その1

札幌は昔も今も、これからのミライもITの本場でありたい。

そんな想いから本年度はたくさんの情報をお伝えするため、さっぽろのITの「イマ」と「ミライ」を知る、全8回の「Sapporo mirAI nITe」が予定されています。

各セッションでは、AIやAR/VRなど先端技術やユニークなビジネスアイディアを持つ企業と札幌市における様々なITの取り組みを紹介します。

その第1回目の配信が10月19日(火)から始まりました。(https://www.youtube.com/watch?v=Wl-naynr6Hg

第1回目は川村教授がファシリテーターを務め、ゲストに北海道大学総長補佐(研究戦略) 産学・地域協働推進機構 副機構長 大学院工学研究院 応用量子科学部門 准教授 金子純一氏、聞き手に北海道コカ・コーラボトリング株式会社 成長戦略策定室室長 三浦世子氏をお迎えし、北大発ベンチャーをはじめとするさっぽろAI研究の先駆け企業について質問を交えながら語られました。

大学発ベンチャーならではの苦労話や、北大発ベンチャーが目指すものなど、大学との共同研究にご興味のある企業の方々や、北海道大学としての産学連携の取り組みなどにご興味がある研究者の方々にも関心を持っていただける内容になっていますので、メルマガでもぜひご紹介したいと思います。

【1st SESSION:さっぽろITベンチャーの嚆矢 北大発ベンチャーについて】その1

大学発ベンチャーや研究室と、企業との共同研究はどのような流れで始まるの?

川村 僕たちもいろいろなベンチャーを立ち上げていますが、最初に苦労するのは何かができたときに、お客さんは誰にするの?どうやって売るの?現場はどうなるの?ということで、技術先行になって後で苦労するケースが多いです。

でも最初から企業と課題ややり方をシェアしながら一緒に考えていければ、大学発ベンチャーもスムーズに立ち上がっていくかなと常々思っています。

せっかく北海道に三浦さんのような企業(北海道コカ・コーラボトリング株式会社)があるので、東京の会社と一緒にやるというのはちょっと難しいけれど、北海道の地場企業なら一緒にできるのかなと、お話を聞いていてすごく思いました。

大学の研究室は自前の研究費というのがほとんどないので、いろいろなかたちで研究費をつくらないといけません。

もちろん国からの補助金というのもありますが、国からの研究費は採択されたりされなかったりと非常に不安定なので、僕は企業と共同研究をすることが研究室運営で良いなと思っていて、近年力を入れています。

企業との共同研究であれば僕ら研究者と企業の方がいろいろディスカッションして、さあ始めましょうということで始められます。

それで何年間か研究を進めることで、非常に安定して研究に取り組むことができるので、企業との共同研究を非常に重要視しています。

共同研究をやってみての所感なのですが、コアテクノロジーの応用先を企業の方からいただいて、その応用を考えると、凄く面白い研究になるんですよね。

なぜかというと、企業は現場があって、そこに課題があって、テーマがあってこうして欲しいという思いがあって、相談に来られる。

通常大学の研究は、研究者が自分でこんな研究をやりたいとテーマを設定して、自分で課題に取り組んで自分で解決する。全部自分で決めていきます。

もちろんこれができたら世の中のためになる課題設計をしていくのですけど、自分で決めるので、独りよがりなかたちにもなり兼ねません。

一方で企業の方がバラバラなテーマを持ってきて、僕らだとそんなことは考えないだとか、そんなやり方はそもそも研究者だったら設定しないみたいなことが結構あって、その中で面白い研究が生まれてくることが多くあります。

自分の研究に意外性をもたらすという意味でも、こういった取り組みは面白いなと思っていて取り組んでいます。

三浦 企業の方たちが相談にいらっしゃるときって、ある程度明確にディープラーニングの技術のことをしっかり理解していて、それをどのように使っていったらいいかというようなことをご相談するのですか。

川村 とても良い質問をありがとうございます。

最近、人工知能、AIが流行っているので、相談にくる方はこの問題はAIで何とかできると思うのですが、どうでしょう先生?という相談をされることが多いです。

その時に僕が必ず言うのは、AIを使うと初めから手段を縛る必要はないのではないですかと。

例えばそれがお話を聞いて、その中でディープラーニングが必要だとか、もっとこういったAIの手法を使うほうが良いなどは僕らが考えるので、自分たちが持っている課題や専門であるビジネスについて丁寧に説明してくださいとお伝えしています。

そのうえで僕らの理解の上で、ディープラーニングがフィットするのであればどうですかと考えさせてもらい、お話をします。

三浦 なるほど。それを聞いてすごく安心しました。

というのも、なかなか企業側で専門の部署ですとか、専門の人材がいればいいんですけど、ディープラーニングに精通している人というのがなかなかいない場合、そこをちゃんと調べたうえでご相談というと結構ハードルが高いなと思ったんですよね。

川村 やっぱりビジネスのことは企業の方が分かっているので、何を困っているのかということを丁寧に教えてもらうことのほうが僕らとしてもいろいろなことを考えるきっかけになります。

だからディープラーニングや人工知能のことを全く分からなくても、それは僕らが専門なので心配はいりません。

三浦 そうなのですね。ありがとうございます!よかったという思いです!(その2に続く)

【3】失敗は成功の通過点にすぎない・その3

川村教授が技術顧問を務める、INSIGHT LAB株式会社 代表取締役社長 CEO 遠山功氏が著書「スタートアップ大国 イスラエルが教えてくれた ボーダレスな生き方、働き方。」( www.amazon.co.jp/dp/4908963118 )を10月8日に出版しました。

遠山氏が2019年5月にイスラエルを訪問した際には川村教授も同行し、同国のスタートアップスピリットに遠山氏同様大いに感化されました。

本書の中で「失敗は成功の通過点にすぎない」と題して、コロナ騒動で答えのない問いを突き付けられたこの一年を遠山氏と川村教授が振り返っていますので、前号からの続きその3をご紹介したいと思います!

99%は未来のことだけを考える

川村 たくさんの失敗をしてチャレンジを重ねている人は、普通の人よりもはるかに多くの挫折や落ち込む経験をしているはずですよね。そんなとき、遠山さんは、自分のメンタルやモチベーションをどのように立て直し、気分転換しているのですか?

遠山 私の原動力となっているのは、「利他」の想いです。私は子どもの頃からプログラミングの世界にのめりこみ、誰かに喜んでもらえることが大きな喜びでした。自分にできることでたくさんの人たちを笑顔にしたい。未来の社会をよりよくしたい。自分の人生でこれを成し遂げたいという「使命」を持つことが大切だと思います。

INSIGHT LABの経営理念は「ビッグデータを活用し、より豊かな社会をつくる」ということ。それを成し遂げるために集中して動いています。もちろん、壁にぶつかることもたくさんありますが、そのときは原点に立ち戻ること。そもそも自分は何のためにこれをやろうと決めたのか? と。そう考えると目の前にある状況は「点」でしかないわけです。私は「失敗とは通過点にすぎない」と思っています。失敗しても、やり続けることでうまくいけば成功になる。あきらめないでチャレンジを続けることが大切です。

イスラエルに行ってから、私はうまくいかないことがあっても、それを失敗だと捉える発想がなくなりました。失敗かどうかなんて、誰にも分からない。あくまで自分の主観にすぎなくて、失敗だと思うから失敗になるわけです。

先日、長年愛用していたランニングシューズが破けてしまいました。そのときに、破けたことを悔やむのか、新しいシューズに買い替えるチャンスだと喜ぶのか。ビジネスで言えばゲームチェンジです。外部環境が変わったときは、新しいチャンスだと発想を切り替えるほうがいい。一つの失敗を悔やむよりも、小さな成功をたくさん集めていくほうが自分のメンタルにもプラスになると思います。

ISRAMAN(イスラエルで最も過酷なトライアスロン大会)に出場すると、途中で弱音を吐いても、砂漠ですから誰にも助けてもらえない。最後までやりきるか、途中で遭難するかの世界です。それでも小さな一歩の積み重ねがゴールへの道につながっていく。人生も同じだと思います。

川村 遠山さんがおっしゃった「失敗を失敗と思わない」という発想、私も共感します。私の思考のなかで99%は未来のことしか考えていませんからね。過去に何をしたかを考えてもしようがない。自分の好きなことを設定して、それを実現するために自分が何をすべきかをいつも考えています。

私の場合、自分が面白いと思うかがすべての原動力です。それが人の役に立てばありがたいし、別にくだらないことでもいい。とにかく自分の人生のなかで、自分の興味があることだけにフォーカスして深掘りしていく。それが結果的に社会課題の解決や、大きなビジョンにつながっていると思います。

「いつもここから」という言葉が私は好きです。過去に起こったことは、常にいま、この瞬間の連続ですからね。過去には戻れないし、過去は変えられない。ここから何をするかということだけが、自分でコントロールできます。目の前の状況には、失敗も成功もありません。だから、99%は未来のことだけを考えています。

例えば、山を登る時に、後ろを見ても意味がないでしょう。目指している山のてっぺんを見ないと頂上にたどり着くことはできません。そう考えると、小さな失敗はどうでもいい。自分のやるべきことをしっかりと考え抜いて、できることを精いっぱいやり切ったと思えば、あとはなるようになる。そう思っているので、私は失敗を恐れることがあまりないのです。うまくいかなかったときも、自分は過去に戻ったら結局、同じ選択をするだろうと思うので気にしない。さっさと損切りして次に進みます。それがはたから見ると、失敗を恐れないでチャレンジをしているように見えるのでしょうね。私は自分に何ができるかをひたすら考えて取り組んでいるだけです。未来はいつもここから始まるのです。(終)

【4】調和系工学研究室関連企業NEWS

INSIGHT LAB、株式会社第四北越銀行とDX推進サービス「KakeDashi」の販売に関する協業契約を締結

KDDI総研ら、世界最速の暗号アルゴリズム開発 6G時代見据え

【5】ディープラーニング勉強会

調和系工学研究室ではディープラーニングの最新の知識共有を目指し、毎週ゼミを実施しています。

担当学生がトップカンファレンスから自分の興味のある論文について発表し、意見交換をしながら進めています。

本研究室HP( http://harmo-lab.jp/?page_id=1194 )には過去の発表に使用したスライドも公開していますので、ご興味のある方はぜひそちらもご覧ください。

[紹介論文その1]

Recursively Summarizing Books with Human Feedback

公開URL:https://arxiv.org/abs/2109.10862

論文紹介スライドURL:https://www.slideshare.net/harmonylab/recursively-summarizing-books-with-human-feedback

出典:Jeff Wu, Long Ouyang, Daniel M. Ziegler, Nisan Stiennon, Ryan Lowe, Jan Leike, Paul Christiano : Recursively Summarizing Books with Human Feedback, arXiv:2109.10862 (2021)

概要:MLモデルの学習のために行動の良し悪しを表すtraining signalを人間がループの中で提供する必要があるタスクが多く存在する。人間による評価に時間や専門的な知識を要するタスクの学習のためには、効果的なtraining signalを生成するためのスケーラブルな手法が必要となる。本論文では書籍全体の要約タスク(abstractive)を対象として、再帰的なタスクの分解と人間のフィードバックからの学習を組み合わせたアプローチを紹介する。モデルによる要約の中には人間が書いた要約の品質に匹敵する要約もあるが、平均するとモデルの要約は人間の要約に著しく劣ることが示された。(博士2年 吉田 拓海)

[紹介論文その2]

Suphx: Mastering Mahjong with Deep Reinforcement Learning

公開URL:https://arxiv.org/abs/2003.13590

論文紹介スライドURL:https://www.slideshare.net/harmonylab/suphx-mastering-mahjong-with-deep-reinforcement-learning-250622731

出典:Junjie Li, Sotetsu Koyamada, Qiwei Ye, Guoqing Liu, Chao Wang, Ruihan Yang, Li Zhao, Tao Qin, Tie-Yan Liu, Hsiao-Wuen Hon

概要:Microsoftが開発した麻雀AI。強化学習で麻雀は非常に難しい-マルチプレイヤーマルチラウンド不完全情報ゲーム-プレイヤーが知れる情報が少ない。天鳳(オンライン麻雀)のtop0.001%に位置・麻雀AIのSOTA。(修士2年 織田 智矢)

【6】人工知能・ディープラーニングNEWS

One giant leap for the mini cheetah

AIが高度化すれば開発コストが増大し、イノヴェイションを阻害する? 表面化した問題と、見えてきた解決策

トライアル、「AI冷蔵ショーケース」などを実装したスマートストア開業

「ヤフコメ」AIで誹謗中傷を非表示 「利便性と安心」どう両立

AIに記者の仕事は奪えるか? ニュース記事を代筆してもらった

Solving Math Word Problems

「熟練社員より効率的に」 配送ルート最適化でトラックの燃料費を年360万円削減、OKIが挑む物流改革

1枚のアノテーションでsemantic part segmentationが可能に!

Microsoft、GPT-3をAzureで使える「Azure OpenAI Service」を招待制で開始

バス車内の転倒防止へ AIで着席状況把握する実証実験

JR東日本、AIを活用して架線設備状態の良否を自動判定

不鮮明な映像から人物の身長を推定し、同一人物を特定可能な技術を開発

【7】今週のAI俳句ランキング

AIが俳句を作る「AI俳句」の普及を目指して、本研究室を事務局として2019年7月に設立されたAI俳句協会のウェブサイトでは、AIが生成した俳句を人が評価して、評価結果を集約したAI俳句ランキング(月間・週間)の集計を行っています。

今週のランキングをご紹介したいと思います。

1位 初恋の焚火の跡を通りけり

2位 炎天のからつぽの目を伴へり

3位 嘘すこし祈りのごとく雲雀鳴く

すべて、本研究室が開発した「AI一茶くん」が詠んだ句になります。

「AI一茶くん」は1日1句投稿していますので、ぜひ俳句協会ウェブサイト( https://aihaiku.org ) もご覧ください!

【8】AI川柳

調和系工学研究室では、毎日新聞社「仲畑流万能川柳」や第一生命保険「サラリーマン川柳」を学習用の教師データとした「AI川柳」に取り組んでいます。

2020年3月までの1年間「NHK総合 ニュースシブ5時」にて、その週の話題のニュースのキーワードをお題に、バーチャルアナウンサー「ニュースのヨミ子」さんが詠んでいたAI川柳も、本研究室が開発した人工知能システムです。

多くの皆さんに楽しんでいただけるよう、2020年6月にAI川柳のTwitterアカウント( https://twitter.com/ai_senryu )を開設いたしました。

AIの中には詠んだ句の良し悪しはないためそれを良いと思うのは人間の側で、そう思うことで初めてAIの詠んだ句が意味を持つのではないでしょうか。

AIが詠んだ句に共感していただけましたら大変うれしく思います!

★お題「恋愛」(10月29日投稿)

恋愛が合理化されることもあり

合理化という表現はちょっとアレですが・・・

恋愛ナビゲーションアプリ「Aill」は、AIがチャットを使った会話をアシストして恋愛の進展を手助けします!

★お題「うたた寝」(11月1日投稿)

うたた寝の枕で孫と語る猫

人を枕にして微睡むネコ

枕になることに喜びを感じる飼い主

今日も平和です・笑

★お題「心地いい」(11月2日投稿)

4度目の寝息いよいよ

眠れない夜に聞こえてくる愛犬の寝息

ピーピーだったり、フゴフゴだったり

あ、また音が変わったと思いながら眠りにつく瞬間が心地いいんです!

★お題「酒」(11月4日投稿)

愛犬と酒を飲みたい時がある

ちょっと落ち込む夜は

誰かのアドバイスよりも愛犬のつぶらな瞳に癒されたい・・・

おつまみちゃんと買ってきたよ!笑

★お題「人見知り」(11月5日投稿)

人見知り派手な服着てひとりぼち

ドッグランでたくさんの子たちに混じっても、すぐに見つけられるように派手な服を着せてきたけれど・・・

うちの犬は人(犬)見知りだから、そんな心配いらなかった・笑

★お題「夢の中」(11月8日投稿)

楽しげに会話はするが夢の中

今は翻訳アプリなどもあるようですが

ペットと会話できたらなと、多くの飼い主が夢想するのでは?

夢の中でもいいからおしゃべりしたい!

★お題「同情」(11月9日投稿)

飼い主に同情してた頃もあり

雨が激しい日の散歩は、飼い主も大変だなと思っていましたが・・・

犬を飼い始めて分かったことが

愛犬のためなら全く苦ではなかった!笑

★お題「スーパー」(11月10日投稿)

スーパーで泣いているうち寝てしまう

これは経験ある人も多いはず・・・

自分の子供が大きくなった今は、泣いてる赤ちゃんを見かけると心の中で親御さんにエールを送っています!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

****************************************

調和系工学研究室教員

川村 秀憲教授

山下 倫央准教授

横山 想一郎助教

調和系工学研究室HP

調和系工学研究室FB

川村 秀憲教授FB

Twitter 調和系工学研究室AI川柳

****************************************

★ご意見・ご感想はこちらからお願いいたします

★新規登録はこちらからお願いいたします

★配信停止はこちらからお願いいたします

****************************************