2020年9月11日配信

こんにちは。

北海道大学調和系工学研究室(川村秀憲教授、山下倫央准教授、横山想一郎助教)です。

今週の札幌は真夏並みの気温が続いていましたが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。

北海道では「お盆が過ぎれば秋が来る」とよく言われますが、近年の札幌では9月に暑くなるケースが増えているそうです。

早く涼しくなって欲しい気持ちもありますが、もう少しだけ短い夏を楽しみたいと思います。

では、本日もどうぞよろしくお願いいたします。

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◇ 本日のTopics ◇

【1】SCSウェビナーシリーズ 北海道発「ポストコロナ時代、AI、テクノロジーをどう活かすべきか」 [後編]

【2】調和系工学研究室WHAT’S NEW

【3】こんな本を読んでいます

【4】AI川柳

【5】今週のAI俳句ランキング

【6】ディープラーニング勉強会

【7】人工知能・ディープラーニングNEWS

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【1】SCSウェビナーシリーズ 北海道発「ポストコロナ時代、AI、テクノロジーをどう活かすべきか」 [後編]

7月9日(木)にSTARTUP CITY SAPPORO事務局と経済産業省北海道経済産業局の主催により、「SCSウェビナーシリーズ 北海道発 >> ポストコロナ時代に挑むスタートアップ特集 第1回 ITスタートアップ編」が開催されました。

今回のウェビナーでは、IT領域、バイオヘルスケア領域からコロナに挑む北海道スタートアップが紹介され、本研究室の川村教授によるプレゼンテーション「ポストコロナ時代、AI、テクノロジーをどう活かすべきか」に加え、IT領域でポストコロナ時代に挑戦する3社のサービスが紹介されました。

川村教授が述べた、日本が人口減少社会に打ち勝つために取るべき3つの生産性向上策、無形資産の4つの特徴についてなど、特にスタートアップを新しく作っていくときに考えなければならない点について、前編に続き後編をご紹介したいと思います!

「ポストコロナ時代、AI、テクノロジーをどう活かすべきか」 [後編]

情報化社会を経て、新たな社会、つまりAIやテクノロジーの社会になっていくに伴い、無形資産の重要性が大きくなってきました。

無形資産とは、ソフトウェア、アイディア、知識、デザイン、ビジネスモデル、データベース、社内ノウハウなど、バランスシートに乗ってこない価値のことです。

いわゆる金融資産や設備ではなく、バランスシートに載ってこないようなものでいかに会社の価値を上げていくかが重要となってきます。

無形資産を主とする企業は、無形資産の4つの特徴を理解した上で企業を経営していくことが非常に重要となってきます。それでは、その特徴4つを見てみましょう。

1.スケーラビリティであること。

例えば「AIを使って新しいサービスを作る」これはデジタル財なので、コピーしたり大きくしたりしていくときに、有形資産と比べて容易でコストがかかりません。

有形資産を大きくしようとすると、例えば機械を買って、材料を買って、施設を建てて…とかかるコストが大きいですよね。

このようなスケールしやすい特徴を利用できます。

2.コストのサンク性を理解すること。

サンクコスト(埋没費用)と呼ばれる経済学の考え方です。

例えば、有形資産として工場を作るならば、土地や建物に投資をし、それがバランスシートに載ってきます。

あとで工場を辞めて売ろうとしたときに、資産として価値があります。

それに比べてデジタル財は、例えばサービスを作るために費やした時間や人件費などのお金は、あとで売ろうと思っても、時間やお金は消えてしまって売れませんよね。

無形資産を作ってスケールさせようとするときは、サンクコストをいかに許容していくかが大事になってきます。

きちんと理解してやってビジネスをやっていかないと後でニッチもサッチもいかなくなってしまいます。

3.スピルオーバーを上手く使うこと。

スピルオーバーとは、技術が漏れ出てしまうことをいいます。

例えばスタートアップが新しいビジネスをやろうとして大手と交渉した際、アイディアが大手に盗まれることもあり得ます。

知財戦略特許で守ることもありますが、スピード勝負でアイディア自体をどこまで守れるかを考えると難しいのです。

つまり、スピルオーバー前提でビジネスを作らなければなりません。

そのときに大事なのが、スピルオーバーで利益を失う側ではなく、「世界中の、周りから漏れ出るような研究やアイディアを上手く利用する側になる」と意識することです。

それを上手に立ち振る舞う方法として、産学連携やオープンイノベーションの利用が挙げられます。

大学は、目の前のビジネスのためではなく少し遠い未来の研究をしています。

更にそこで生まれた技術や知識は学会で発表したり、企業と共同研究をしたり、世の中に役立てています。

スタートアップの方は産学連携や大学の知識知恵などを利用し、スピルオーバーから利益を得る側にまわってください。

4.シナジーを意識する。

仲間のスタートアップをネットワーク化し、情報交換し互いに協力し合っていることが、無形資産を扱う際の起業では重要となってきます。

ネットワーク化され仲間がいる状況と、単独で起業するのとを比べると、例えば大きな仕事が舞い込んで他人の力が必要になった場合、全く知らない会社に発注すると外から来たお金が外に逃げていくことになります。

しかし、ネットワーク化されている中で発注すると、外から来たお金がネットワークの中に留まります。

仲間の技術や実力を理解できていて信頼関係が確立されている中で仕事を頼むと、お金も技術もぐるぐるまわり蓄積されていきます。

単独のスタートアップではなかなか受けられない仕事も、ネットワーク化されると受けられることができるのです。

【2】調和系工学研究室WHAT’S NEW

★調和系工学研究室へ奨学寄附をいただきました

ゼロスペック株式会社様より本研究室へ奨学寄附をいただきました。

ゼロスペック株式会社様はデータから新たな価値を社会に提供する、インターネットなどを利用した情報提供及び情報処理サービスを行う企業です。

大学での研究活動には学会への参加一つとっても研究費がかかせません。

頂いた寄附は、本研究室の人工知能に関する研究活動に有意義に活用させていただきます。

ゼロスペック株式会社様にはこの場を借りてお礼申し上げます。

調和系工学研究室教授 川村 秀憲

[北海道大学奨学寄附金制度について]

★ベンチャー系ニュースサイトTECHABLEでAILLのサービスについて取り上げていただきました

海外・国内のベンチャー系ニュースサイトTECHABLEで、株式会社AILLが開発したAI恋愛ナビゲーションアプリ「Aill (エール)」について取り上げていただきました。

AILLは本研究室の川村教授がCo-founderを務めている、人と人をつなぐコミュニケーションをサポートできるAIを開発しているベンチャー企業です。

代表の豊嶋氏がインタビュー形式で、既存のマッチングアプリとAillとの違いや、従業員の幸福度と企業の利益との関連性についてなど分かりやすく説明しています。

これからの企業にはこれまで以上に個人の幸せに貢献する姿勢が求められると思います。

Aillはそのようなサービスの実現を目指して頑張っていますので、応援をどうぞよろしくお願いいたします。

TECHABLE

[AI恋愛ナビゲーションアプリ「Aill 」は、恋愛の課題を解決できるか] [株式会社AILL]

★日本経済新聞でAWLのカタギリ・コーポレーションとの業務資本提携契約締結について取り上げていただきました

9月1日(火)の日本経済新聞で、AWL株式会社とカタギリ・コーポレーション株式会社との業務資本提携契約締結について取り上げていただきました

AWLは本研究室の川村教授がCo-founder、研究室OB(2001年度修士課程修了)の土田 安紘氏がCTOを務める、リテール店舗の課題解決、価値向上を実現するためのAIカメラソリューションを開発、提供するベンチャー企業です。

建設、介護、物流、イベント、ITなど幅広い業界を手掛ける北海道の老舗BtoB総合レンタルサービス企業グループであるカタギリ・コーポレーションと、建設現場やイベント会場向けの三密対策ソリューションを共同開発していきます。

AWLからはエッジAI技術及びAWL BOX、AWL Lite等のソリューションを提供、カタギリ・コーポレーションの各事業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進をサポートし、加えて両者が有するノウハウ、人材その他のリソースを相互に提供し合い、それぞれの企業価値の最大化と更なる拡販・事業拡大に向けたさまざまな取り組みを行ってまいりますので、応援をどうぞよろしくお願いいたします。

日本経済新聞

[アウルとカタギリ・コーポレーションが資本業務提携] (お読みいただくにはログインが必要となります。)

[エッジAIカメラソリューションのAWL、カタギリ・コーポレーションと業務資本提携契約を締結] [AWL株式会社]

★日本経済新聞道内版で札幌のAIベンチャーでの積極的な海外人材採用について取り上げていただきました

9月1日(火)の日本経済新聞道内版で、札幌のAIベンチャーである株式会社調和技研や株式会社サンクレエの積極的な海外人材採用について取り上げていただきました。

調和技研は本研究室の川村教授がCo-founder及び社外取締役を務める、北大発認定ベンチャー企業です。

また、サンクレエは本研究室の川村教授が顧問、横山助教がテクニカルアドバイザーを務める、販売管理システムの提供などを展開するIT企業で、本研究室と連携してさまざまな分野でAI技術の研究・開発を進めています。

バングラデシュ、インドからの海外人材を採用している背景や、札幌で働く社員へのインタビューが紹介されています。

日本経済新聞

[札幌に「リトルダッカ」爆誕?IT技術者は北を目指す] (お読みいただくにはログインが必要となります。)

[株式会社調和技研] [株式会社サンクレエ]

★三菱地所が丸の内で開業したオフィス「Shin Tokyo 4TH」においてAWLがコロナ対策のAI実証実験を開始しました

8月3日(月)に丸の内で開業したオフィス「Shin Tokyo 4TH」において、AWL株式会社がコロナ対策のAI実証実験を開始しました。

AWLは本研究室の川村教授がCo-founder、研究室OB(2001年度修士課程修了)の土田 安紘氏がCTOを務める、リテール店舗の課題解決、価値向上を実現するためのAIカメラソリューションを開発、提供するベンチャー企業です。

三菱地所が開業した「Shin Tokyo 4TH」は、各入居テナントの社員がそれぞれ交流しやすい多目的スペースなどを設けたオフィスとなっており、AWLも入居しています。

実証試験では、入り口に置いたAIサーモカメラで、入店する前に利用者を撮影し、一定温度以上の体温がある人を検知した場合は、店舗のPCなどに専用システムでアラートを発信し、感染の疑いがある人が入店するのを事前に防げるか確かめています。

また、2020年9月からはビル内にある喫煙室の混雑状況を見える化するAIカメラソリューションの実験を予定しています。

[入居企業が交流する三菱地所のオフィスが「有楽町」駅チカに開業、コロナ対策のAI実証も] [AWL株式会社]

★JICA北海道主催「バングラデシュICT人材採用・活用フォーラム」において川村教授がモデレーターを務めます

10月2日(金)にJICA北海道が主催するオンライン「バングラデシュICT人材採用・活用フォーラム」において、本研究室の川村教授がモデレーターを務めます。

JICAはバングラデシュで日本市場をターゲットとしたICT人材育成のためのB-JET(Bangladesh-Japan ICT Engineers’ Training)プログラムを実施しています。

本フォーラムでは、B-JETプログラムをご紹介するとともに、札幌市内のIT企業に就職したB-JET修了生や採用企業の関係者による座談会を行います。

パネリストとして、川村教授がCo-founder及び社外取締役を務める、北大発認定ベンチャー企業の株式会社調和技研 代表取締役 中村拓哉氏や、本研究室と連携してさまざまな分野でAI技術の研究・開発を進めている株式会社サンクレエ 代表取締役 森正人氏も参加します。

調和技研やサンクレエで採用している、実際に日本で働いているバングラデシュ人社員の本音なども聞いていきますので、バングラデシュ人材の採用にご興味がある方はぜひご参加ください。

[バングラデシュICT人材採用・活用フォーラム]

日時:2020年10月2日(金曜日)14:00~16:20

会場:オンライン開催(Zoom)

主催:JICA北海道

お申込み方法:「お申込みフォーム」(https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScyee0mRQ04BLOBu0wXyRnUzE8m5-N_iRBUsefhqUYBEM94og/viewform )に必要事項を記入のうえ、お申込みください。後日、Zoomの参加用URLをメールでお送りします(9月30日(水)午後5時締切)。

※詳細についてはJICAのHPをご参照ください。

[株式会社調和技研] [株式会社サンクレエ]

★日本経済新聞で川村教授のスタートアップ支援に関するコメントが紹介されました

9月8日(火)の日本経済新聞道内版で、本研究室の川村教授のスタートアップ支援に関するコメントが紹介されました。

また、スタートアップの成功例として、川村教授がCo-founderを務め北大発認定ベンチャー企業であるAWL株式会社とサツドラの取り組みについてや、株式会社調和技研のコメントも紹介されています。

北海道大学は旧帝大の中でもスタートアップ振興に出遅れており、まだまだ頑張りが必要です。

道内大手との連携などをもっと促進して、エコシステム整備が必要だと考えます。

日本経済新聞

[北大発スタートアップ全国13位、新支援体制で巻き返し] (お読みいただくにはログインが必要となります。)

[AWL株式会社] [株式会社調和技研]

【3】こんな本を読んでいます

★勝ち続ける会社をつくる 起業の教科書 資金30万円から100億円企業をつくった社長が教える

野坂 英吾 (著)

本日ご紹介するのは、創業以来、21期連続で増収を続けるリユースショップチェーン「トレジャー・ファクトリー」の代表取締役である著者が初めて明かす、とことんシンプルな成功のための行動原則です。

 [感想]

リサイクルショップを学生起業し、マザーズまで上場させた野坂さんの成長ストーリー。

学生時代にリサイクルビジネスを起こすことを志し、同業他社の綿密なリサーチのもとに競争的優位のポイントを見出して実際に倉庫一つで起業した著者。

その後、日本一のリサイクルショップチェーンを実現するために戦略的に2店舗目、POSシステムの導入、3店舗目と展開。

経験がない中での起業にも関わらず、将来への布石を打って一つずつ戦略的にビジネスを拡大する発想力はとても感心させられます。

また、50人、100人、300人と企業規模が成長するにつれて段階的に起きる問題や悩み、解決策についてもなるほどと思います。

リサイクルショップ拡大のストーリーですが、AIやITでの起業も成長の段階に合わせて同じような悩みが現れると思います。

これから起業を目指す人や、現在スタートアップに取り組んでいる人に読んでほしい本です。(川村 秀憲)

【4】AI川柳

調和系工学研究室では、毎日新聞社「仲畑流万能川柳」や第一生命保険「サラリーマン川柳」を学習用の教師データとした「AI川柳」に取り組んでいます。

2020年3月までの1年間「NHK総合 ニュースシブ5時」で、その週の話題のニュースのキーワードをお題にバーチャルアナウンサー「ニュースのヨミ子」さんが詠んでいたAI川柳も、本研究室が開発した人工知能システムです。

多くの皆さんに楽しんでいただけるよう、2020年6月にAI川柳のTwitterアカウント( https://twitter.com/ai_senryu )を開設いたしました。

AIの中には詠んだ句の良し悪しはないためそれを良いと思うのは人間の側で、そう思うことで初めてAIの詠んだ句が意味を持つのではないでしょうか。

AIが詠んだ句に共感していただけましたら大変嬉しく思います!

★お題「待ちわびる」(8月31日投稿)

家族みな 孫の帰りを 待ちわびる

進学、就職で家を出た家族

コロナでなかなか帰省できない状況って、人間は分かっているけどペットは分かるはずもなく・・・

きっと毎日帰りを待ちわびていますね

★お題「マイナンバー」(9月1日投稿)

この頃は マイナンバーも 役に立ち

いよいよマイナポイント還元開始

マイナンバーのメリットですぐ思いつくのは身分証明くらいだったけど、いよいよ「持っていたら便利」になる!?

★お題「宝くじ」(9月2日投稿)

宝くじ 当たってみたら 驚いた

当たることを夢見て買うけど、いざ高額当選したら驚いて本当なのかどうか固まると思う・・・

夢じゃないか、つねってみたりきっとする・笑

★お題「ドラえもん」(9月3日投稿)

ドラえもん 書いてた頃の 指定席

子供ってよくドラえもんの似顔絵をかきますよね

家でもだけど授業中にも・笑

下手でも誰が見てもすぐドラえもんだとわかるのが凄い

ドラえもん、お誕生日おめでとう!

★お題「靴」(9月4日投稿)

笑い声 猫の巣になる 孫の靴

猫って狭いところが好きって言うけど、靴の中も落ち着く・・・の?

そんなところで寛ぐ姿を目にしたら、思わず笑顔になりますね!

★お題「カップ麺」(9月7日投稿)

少年の 記憶に残る カップ麺

子供の頃に食べ慣れた味って、大人になっても忘れないですよね

なので、道民の僕はカップ麺と言えばやきそば弁当!

関東人だとそれがペヤング・・・なのかな?

★お題「猛暑」(9月8日投稿)

最後まで 猛暑の暑さ 思い知る

今日の札幌は34℃まで気温があがるみたいです

北海道はお盆過ぎたら秋がくるって言うけれど、今年は暑い!

でも、もうすぐ長い冬が始まることを思ったらこの暑さをもう少し楽しみたいような気も・・・

★お題「留守番」(9月9日投稿)

留守番の 猫が首だけ 振り返り

飼い主が帰宅して嬉しいけど、留守番させたことには怒っている

駆け寄ってきてくれないのは寂しいけど、このツンデレなところも可愛い・笑

★お題「ドーナツ」(9月10日投稿)

定年後 ドーナツを見て 泣きました

アメリカの警察官はよくドーナツ食べていますよね(映画やドラマの中でよくみます・笑)

日本人にはピンとこないけど、活躍していた若かりし頃を思い出して、感傷的になったりする??

★お題「あきらめ」(9月11日投稿)

あきらめて 猫と一緒に  食べる犬

一つのお皿から一緒にご飯を食べているのは仲良しで可愛いと思ってたけど、あきらめだったとは!笑

【5】今週のAI俳句ランキング

AIが俳句を作る「AI俳句」の普及を目指して、本研究室を事務局として2019年7月に設立されたAI俳句協会のウェブサイトでは、AIが生成した俳句を人が評価して、評価結果を集約したAI俳句ランキング(月間・週間)の集計を行っています。

今週のランキングをご紹介したいと思います。

1位 大澤や かき消えてくる 夕ざくら

2位 逆さまに 大廻りして 無月かな

3位 落ちそめし 葉の動きけり 葛の花

すべて、本研究室が開発した「AI一茶くん」が詠んだ句になります。

「AI一茶くん」は1日1句投稿していますので、ぜひ俳句協会ウェブサイト(https://aihaiku.org) もご覧ください!

【6】ディープラーニング勉強会

調和系工学研究室ではディープラーニングの最新の知識共有を目指し、毎週ゼミを実施しています。

担当学生がトップカンファレンスから自分の興味のある論文について発表し、意見交換をしながら進めています。

本研究室HP( http://harmo-lab.jp/?page_id=1194 )には過去の発表に使用したスライドも公開していますので、ご興味のある方はぜひそちらもご覧ください。

[紹介論文その1]

End-to-End Object Detection with Transformers

公開URL:https://arxiv.org/abs/2005.12872

論文紹介スライドURL:https://www.slideshare.net/harmonylab/2020-08-05dldetr

出典:Nicolas Carion, Francisco Massa, Gabriel Synnaeve, Nicolas Usunier, Alexander Kirillov, Sergey Zagoruyko Facebook AI : “End-to-End Object Detection with Transformers”, 2020

概要 : Detection Transformer(DETRという)という新しいフレームワークによって、non-maximum-supressionやアンカー生成のような人手で設計する必要なく、End-to-Endで画像から物体検出を行う手法を提案しています。物体検出を直接集合予測問題として解くためのtransformerアーキテクチャとハンガリアン法を用いて二部マッチングを行い正解と予測の組み合わせを探索しています。Attentionを物体検出に応用しただけでなく、競合手法であるFaster R-CNNと同等の精度を達成しています。(修士2年 久保田 遼裕)

[紹介論文その2]

Deep uncertainty quantification a machine learning approach for weather forecasting

公開URL:https://dl.acm.org/doi/10.1145/3292500.3330704

論文紹介スライドURL:https://www.slideshare.net/harmonylab/deep-uncertainty-quantification-a-machine-learning-approach-for-weather-forecasting-238388833

出典:Bin Wang, Jie Lu, Zheng Yan, Huaishao Luo, Tianrui Li, Yu Zheng, Guangquan Zhang : Deep Uncertainty Quantification: A Machine Learning Approach for Weather Forecasting: Concerns and ways forward, KDD 2019

概要 : 天気予報はNWP(数値気象予測)によって行われていますが、初期状態によって満足な予測ができない場合があります。本論文ではNWP予測と過去のデータを融合した手法を設計し、天気予報問題をend-to-endの深層学習問題とし、NLE(負の対数尤度誤差関数)を提案しています。点推定予測と不確実性定量化を同時に実行するのがポイントで、精度向上のためにディープアンサンブル戦略も検討しています。NWPと比較して47.76%の精度向上が見られ、今回のデータセットではベストスコアを叩き出しました。(学部4年 椿 康平)

[紹介論文その3]

Deep Understanding of Cooking Procedure for Cross-modal Recipe Retrieval

公開URL:https://www.nextcenter.org/wp-content/uploads/2020/04/Deep-Undestanding-of-Cooking.pdf

論文紹介スライドURL:https://www.slideshare.net/harmonylab/deep-understanding-of-cooking-procedure-for-crossmodal-recipe-retrieval

出典:Jing-Jing Chen, Chong-Wah Ngo, Fu-Li Feng, Tat-Seng Chua: Deep Understanding of Cooking Procedure for Cross-modal Recipe Retrieval, MM’18, October 22-26, 2018, Seoul, Republic of Korea

概要 : Attention機構を用いて、料理のレシピ→画像、画像→料理のレシピ検索を行うクロスモーダルなシステムを開発しました。レシピのデータセットであるRecipe1Mを用いて学習を行い、そのテストデータを用いて成果を検証することで、精度の向上にAttentionが有用であることや、レシピの調理手順を学習の対象とすることの重要性を示しました。(学部4年 小林 直也)

【7】人工知能・ディープラーニングNEWS

Wi-Fiの電波で壁の向こうにいる人の姿勢や動きを3Dモデル化する新技術「WiPose」が登場

大日本印刷とNHK、AIで感情にあわせたフォントに変える字幕システム

「飲食店の電話予約を受けるAI」登場 客の話を音声認識、日時と人数をシステム入力

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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調和系工学研究室教員

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Twitter 調和系工学研究室AI川柳

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