洋服の画像から、それがTシャツなのかジーンズなのかを判断することは画像認識でできるのではと想像がつくと思いますが、この服が「かわいい」のか「甘い」のかといった「感性」を分析可能にしたのが本共同研究です。
アパレルショップの店頭では、店員さんがお客さんに商品を説明する際には服の素材感やシルエット、イメージなどを形状的な用語だけでなく、明確な定義がない印象的な用語でも説明しています。
アパレル会社は商品をたくさん扱っているので、データベースで商品管理を行っていますが、データベースを見てみるとSKU単位で、この商品はいつ何着作った、どこの店舗に在庫がいくつあるのか、いつ売れたなどといったデータはありますが、その商品がどういったものだったかというのはデータベースには全く入っていないという現状がありました。
経営するための数値の基になるものと、店頭や雑誌など実際のファッションの現場とでは乖離があるので、「感性」といった定性的なものを構造化し数値化するAIを構築しました。
まず初めに、ファッションの専門学校に通う学生に商品を見せて、これは「秋らしい」「とろみがある」「キレイ目である」といったタグを一つ一つにつけてもらい、数万点の教師データを作成し、それをディープラーニングにかけてみるということを行いました。
イメージとしては、100人に聞いたら何人が「可愛い」と思うかを度合いで出すというような学習をさせてみたところ、学生と同じくらいの精度でAIが判断できるようになりました。
この研究の場合は精度が何%まで上がるということではなく、AIが画像からタグをつけることが重要なため、100万点、200万点のデータベースに対してこのAIを適用していくと、全ての商品に対して成分をあらわすタグが付けられます。
商品にタグを付けることによって、売れた商品と売れなかった商品とでタグの統計をとることができ、これによりアパレルの商品作りや経営戦略において今まで感覚的にしかできなかったことに、他の製品を作るのと同じように科学的、工業的な商品の品質管理というものができるのではないかと考えます。
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2020-07-29 | AIと私たちの暮らし【後編】 分析! 「かわいい」を数値化して売れ筋を読む |
2020-04-23 | テレビ北海道「ゆうがたサテライト道新ニュース」内のコーナー「暮らしのAI」 |
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