2019年11月15日配信
こんにちは。
北海道大学調和系工学研究室(川村秀憲教授、山下倫央准教授、横山想一郎助教)です。
札幌では先週初雪が観測されましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今年は平年より10日遅く、昨年より13日早い観測だったそうですが、初雪が降った7日には調和系工学研究室が設立に携わった2社が大きく新聞に取り上げられ、とてもうれしい日になりました!
WHAT’S NEWで詳細をご紹介していますが、これからも人々の役に立つ製品やサービスの開発に取り組んでいきますので、応援していただけますと大変励みになります。
では、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
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◇ 本日のTopics ◇
【1】調和系工学研究室WHAT’S NEW
【2】調和系工学研究室発ベンチャー企業
【3】AIヨミ子の川柳
【4】今週のAI俳句ランキング
【5】人工知能・ディープラーニングNEWS
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【1】調和系工学研究室WHAT’S NEW
★AWLがWill Smartと業務提携し、AIを利用した画像解析の新サービス提供を目指していきます
多様なAI機能が付加されるAIカメラソリューションを開発し、多店舗(チェーンストア)展開している小売店、飲食店やアパレルなどに提供をしているAWL株式会社と、鉄道・バス事業者及び利用者の課題を解決するハードウエアの企画製造及び、ソフトウエアの開発を提供している株式会社Will Smartは業務提携し、AIを利用した画像解析の新サービス提供を目指していくことを、10月31日に発表いたしました。
AWLは本研究室の川村先生がCo-founder、OBである土田 安紘氏(2001年度修士課程修了)がCTOを務めている、東京、北海道、ハノイ(ベトナム)の3拠点、14カ国以上から集まる多国籍メンバーと共にリテール向けAIソリューションを開発しているベンチャー企業です。
両社の強みを活かし、公共交通事業者を対象としたAIカメラソリューションの新サービスの開発を目的として一緒に取り組んでいきます。
[Will Smart、AIカメラソリューションを提供するAWLと業務提携]https://www.jiji.com/jc/article?k=000000026.000025260&g=prt
[AWL株式会社]★岩波新書「日曜俳句入門」でAI一茶くんが紹介されました
電通でコピーライターをされていた吉竹純氏の著「日曜俳句入門」が岩波新書で発刊されました。
趣味としての投句を「日曜俳句」と名づけた吉竹氏がその楽しさを語っています。
吉竹氏にはAI俳句を取材していただき、本研究室が開発した「AI一茶くん」の経緯を丁寧にご解説いただいています。
「なぜAI俳句を詠もうと考えたのか」から始まり、「AI一茶くん」の初舞台、松山の俳人チームと対決する俳句イベント、初句集、そしてAI俳句協会の設立について。
また、AI俳句と私たち人間がつきあっていくことについてもふれています。
肩肘張った俳句ではなく、日曜にちょっと楽しむ気軽な俳句の本ですので、ご興味のある方はぜひお読みください。
[日曜俳句入門]
https://www.iwanami.co.jp/book/b480365.html
[AI俳句協会]★サンクレエがAI搭載ドローンでヒグマを発見するための実証実験を始めました
株式会社サンクレエが11月5日より、札幌市南区で、AIなどを搭載した小型無人機ドローンを使って市街地近くに潜むヒグマを発見するための実証実験を始めました。
サンクレエは本研究室の川村先生が顧問、横山先生がテクニカルアドバイザーを務める、AI事業としてディープラーニングを活用した中小企業向けのソリューションの開発に取り組み、画像・動画・IoTと融合させて新サービスの創造を進めている企業です。
本研究室も画像認識において技術協力をしており、3年後の実用化を目指し、クマを判別して音や光を発して追い払う技術を検証します。
[AI搭載ドローンでクマ探せ 道、札幌で実験開始]https://www.hokkaido-np.co.jp/article/361919
[株式会社サンクレエ]★日本経済新聞北海道版の記事でTILが開発したシステムについて取り上げていただきました
11月7日の日本経済新聞北海道版で、ティ・アイ・エル株式会社が開発した、音声をその場で文章に変換してチェックするシステムが紹介されました。
TILは本研究室の川村先生がCo-founder、博士2年に在籍する永田 紘也さんがCTOを務める、北大発認定ベンチャー企業です。
消費者や取引先が企業に悪質なクレームや理不尽な要求をする「カスタマーハラスメント」が問題になる中、開発した音声録音サービスは接客中のトラブルが起きるのを防止します。
営業担当者が顧客の許可を得て、開発したボイスレコーダーで録音すると、接客中の音声は即座にサーバに送られ、テキスト化してトラブルが起こっていないかを判定します。
トラブルの際には即座にオペレータが現場に電話をかけ、状況確認を行います。
また、録音された音声データは従業員の教育や顧客データの作成にも使用されます。
将来は映像も一緒に記録できるようにするなど改良を進めていく予定です。
[日本経済新聞北海道版]
「音声データで「カスハラ」対策、北大発スタートアップ」(お読みいただくにはログインが必要となります。)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51816150V01C19A1L41000/
[ティ・アイ・エル株式会社]★北海道新聞の特集記事でAWLの取り組みが紹介されました
11月6日から8日に掲載された北海道新聞特集記事「迫るAI時代 最先端では」で、AWL株式会社のグローバルなAI人材採用活動が紹介されました。
AWLは本研究室の川村先生がCo-founder、OBの土田 安紘氏(2001年度修士課程修了)がCTOを務めるベンチャー企業です。
AIを使いこなす優秀な人材の確保が難しい中、大手と比べて社員が研究開発で大きな裁量権を持つというベンチャー企業ならではの特色を前面に出して、AWLは採用を海外に求めています。
現在は技術者約40人の内4割が外国籍と、グローバルな環境でAIの開発を進めています。
また記事の中で川村先生が、AIと人間の能力についてふれています。
AIは世の中の無駄を減らすために使い、大事なのは人間の独創性やアイデアであり、AIを使いこなす人間の発想力が今後問われていくと考えます。
[北海道新聞]「迫るAI時代 最先端では」(お読みいただくにはログインが必要となります。)
上:最新技術 マチ救うか ウニ養殖、健康調査…旗振る国、補助頼み課題
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/361871?rct=n_society&fbclid
中:優秀な技術者、海外頼み 競争激化、人材育成が鍵
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/362339?rct=n_it
下:判断、発想 試される人間 進化加速 作り手超える
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/362749?rct=n_it
[AWL株式会社]★日本経済新聞にAI俳句のインタビュー記事が掲載されました
11月11日の日本経済新聞夕刊に、AI俳句のインタビュー記事が掲載されました。
AI俳句が生成されるプロセスを本研究室の山下先生が説明し、「一茶くん」が今年の9月に一般の愛好家に交じって参加した、石川県加賀市で開催された俳句大会で詠んだ句についても紹介されています。
また、今年の夏に設立された「AI俳句協会」についてもふれ、詠んだ句を多くの人に評価してもらうことでAIが良しあしの判断ができるようにしたいと述べています。
[日本経済新聞]「AI俳人・歌人 人の感性を詠む」(お読みいただくにはログインが必要となります。)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51953840Y9A101C1BE0P00/
★第6回はこだてAIサロンに山下先生が参加します
2019年12月4日(水)に開催される、第6回はこだてAIサロンに本研究室の山下先生が参加します。
AIサロンは、はこだて未来大学の松原仁教授、鈴木恵二教授とAIを中心に、ITについてなど気軽にコミュニケーションできる場です。
今回は、「社会と調和する人工知能 -AI俳句とAI競輪-」のテーマで山下先生もお話します。
年齢、職業などに関係なくどなたでもご参加いただけますので、ご興味のある方は詳細をご確認の上、ぜひご参加ください。
[第6回はこだてAIサロン]開催日時:2019年12月4日(水)19:00~20:00
開催会場:MIRAI BASE asoviva
(北海道函館市 美原2丁目7-21 万勝ビル1F)
主催:はこだて未来大学/函館市IoT推進ラボ/はこだてIKA
定員:25名(参加無料)
※AIサロン終了後に懇親会(有料)も予定されております。
詳細につきましては下記のURLをご覧ください。
https://www.kokuchpro.com/event/d2ee155539db54599d9fab608beea06e/
【2】調和系工学研究室発ベンチャー企業
調和系工学研究室では、人工知能を理論的に研究しているだけでなく、様々な民間の方々と共同研究を行い、実際にシステムやサービスをつくり、その技術を社会応用し、いろいろな企業といろいろな仕組みをつくって、世の中を変えるお手伝いをしています。
私たちの研究が日々社会の中で評価され、様々なニーズや課題がダイレクトにフィードバックされる環境におかれることが重要であるとの想いから、研究室のスタッフ、学生、OBが中心となって様々なベンチャー企業を設立しています。
本日ご紹介するのは、本研究室の川村先生がCo-founder、OBである土田 安紘氏(2001年度修士課程修了)がCTOを務めているAWL株式会社です。
AI TOKYO LAB(株)から2019年2月に商号が変更となったAWLは、企業の生産性向上・業務効率化を実現するAIソリューション開発・コンサルティングを行っており、AWLとは「AI(人工知能)+OWL(フクロウ)」を足した造語で、企業のロゴにもフクロウが使われています。
本社は東京ですが、開発拠点が北大北キャンパス「北大ビジネススプリング」にあり、ベトナム・ハノイには100%子会社の「AWL VIETNAM CO., LTD」があります。
優秀なAI人材を国内だけでなく海外にも積極的に求めており、現在はインド、メキシコ、中国、ロシア、チュニジアなど日本を含む14か国の技術者が日々、英語で議論しながらグローバルな環境で研究開発を進めています。
ディープラーニングによるソフトウエア開発だけでなく、AWLボックスと呼ばれるハード開発、さらにはNASAが主催する世界最大のグローバルハッカソンである“NASA 2019 International Space Apps Challenge”にエントリーして、AWL PLANETチームが最優秀賞を受賞しました!
これはNASAが無償のオープンデータとして公開する宇宙・地球環境・衛星関連データを活用し、地球・宇宙が直面する課題の解決を競うハッカソンで、本年度は10月19・20・21日の三日間に渡って世界80カ国以上・230都市で同時開催され、約29,000人が参加しました。
AWL PLANETチームは今後国際大会に札幌代表として参加し、グローバルアワード受賞を目指します!
設立3年目でここまで育ってくれてとても嬉しく思う一方で、これからの大きな展開を控えて身が引き締まる思いでもあります。
どうぞ引き続き応援をよろしくお願いいたします。
[AWL株式会社]【3】AIヨミ子の川柳
本日のヨミ子の川柳は、10月25日のNHK総合「ニュース シブ5時」(https://www4.nhk.or.jp/shibu5/) で放送されたものになります。
その週の話題のニュースをお題に川柳を詠むヨミ子ですが、このAIシステムを開発しているのが本研究室です!
ご紹介するのは注目ニュース「ラグビーW杯ベスト8」から、お題「試合」で詠んだ句になります。
ドラマだと 言われることが 出る試合
「確かにドラマがたくさんありました!」
「数々の名場面、名勝負のドラマが生まれたということだと思います!」
皆さんに共感してもらえる良い句を詠んだヨミ子ですが、
「でも、ヨミ子っぽくなくなってきちゃいましたね・・・」との感想も。
「もうちょっとオリジナル感を出してヨミ子頑張って!」とエールを送っていただきましたが、日々学んでAIとは分からない普通の句が詠めるほど川柳が上手になっていると思うと嬉しいです!
また次回も褒められるよう、ぜひ頑張ってほしいと思います。
【4】今週のAI俳句ランキング
AIが俳句を作る「AI俳句」の普及を目指して、本研究室を事務局として2019年7月に設立されたAI俳句協会のウェブサイトでは、AIが生成した俳句を人が評価して、評価結果を集約したAI俳句ランキング(月間・週間)の集計を行っています。
今週のランキングをご紹介したいと思います。
1位 さりげなく 屈みをりたる 残暑かな
2位 鳴き出づる 人の如くに 初明り
3位 枝箱を 締めれば釣瓶 落しかな
すべて、本研究室が開発した「AI一茶くん」が詠んだ句になります。
「AI一茶くん」は1日1句投稿していますので、ぜひ俳句協会ウェブサイト(https://aihaiku.org) もご覧ください!
【5】人工知能・ディープラーニングNEWS
★ガートナー、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2019年」を発表 – デジタル・ビジネスを推進する上で特に注目すべきテクノロジと そのトレンドを明らかに
https://www.gartner.com/jp/newsroom/press-releases/pr-20191031
★ガートナー、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2018年」を発表 – デジタル・ビジネスの推進に当たり注目すべき40のキーワードを抽出
https://www.gartner.com/jp/newsroom/press-releases/pr-20181011
★ガートナー、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2017年」を発表
https://www.gartner.com/jp/newsroom/press-releases/pr-20171003
★音楽を視覚化する「生きた絵画」をAIと人間が協力して作成
https://gigazine.net/news/20191101-living-painting-neural-synesthesia/
★マスコミの味方!? 音声・映像をAIで「自動文字起こし」 手作業の時間を3分の1以下に
https://www.itmedia.co.jp/news/spv/1910/28/news101.html
★F1:人工知能を使ったタイヤパフォーマンス分析が国際映像に登場、その仕組みとは?
★AlphaStock: A Buying-Winners-and-Selling-Losers Investment Strategy using Interpretable Deep Reinforcement Attention Networks
★あなたの犬、違う犬種だったらこんな感じ。Nvidiaの新しいAI「GANimals」
https://www.gizmodo.jp/2019/11/ganimals.html
★プロゲーマーに大勝したAI「AlphaStar」が「スタークラフト2」で人類の上位0.2%となるグランドマスターに昇格
https://gigazine.net/news/20191031-alphastar-grandmaster-starcraft-ii/
★「危険すぎる」と話題の文章生成AI「GPT-2」の最新版がリリース、実際に使えるデモサイトも登場
https://gigazine.net/news/20191106-gpt-2-final-model-release/
★Dynamic Pricing for Airline Ancillaries with Customer Context
https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3330746
★機械が「におい」を覚える日がやってくる? グーグルのAI研究チームが取り組むプロジェクトの価値
https://wired.jp/2019/11/11/now-machines-learning-smell/
★孫正義氏が絶賛した「AI査定」の中古車業者 すごさはどこに
https://globe.asahi.com/article/12853568
★学習をせずにCNNの精度がわかる?データセットの複雑度を測る新たな指標CSGの登場!
https://ai-scholar.tech/others/csg-ai-337/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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調和系工学研究室教員
川村 秀憲教授
山下 倫央准教授
横山 想一郎助教
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調和系工学研究室FB
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