調和系工学研究室で行われる、主に研究生活について紹介します。

研究室では、学部3年生から博士課程までがともに学び、研究を行っていきます。研究室の特徴として、先輩と後輩の交流が盛んで、時には一緒に遊び、時には一緒に徹夜で研究を行っていきます。困ったことがあったり、手伝ってほしいことがあったりしたら、研究室が一丸となってバックアップするのが調和系工学研究室の特徴です。



学部生

3年次の後期に研究室に配属されたら、英語のゼミを行います。主に、英語で書かれた専門書、論文を対象に、英語を用いて専門知識を得る訓練を行います。これは、今後研究を進めるうえで必須のスキルとなります。また、研究室で行われている様々なゼミに参加します。ゼミでの先輩方の発表の仕方、研究の進め方などを見学し、今後の参考とします。さらに、プログラミングゼミなどではシステム開発に関するスキルアップを目指します。

3年次の終わりにかけて、研究テーマを相談します。自分の興味があることをベースに、最新の世界の研究動向を参考にしながらやりがいのあるテーマを決定します。また、そのころに学部で就職する人は就職活動を開始します。また、修士課程に進学を希望する人は8月の大学院入試へ向けて、勉強を開始します。

8月の大学院入試を終えたのち、いよいよ本格的に研究を開始します。週2回程度開催されるゼミにて自分の研究の進捗状況、抱えている課題などについて発表し、先生や先輩のアドバイスを受けます。

12月あたりから2月の卒業論発表会に向けて研究活動が山場を迎えます。自分の抱えている課題をきちんとロジカルにプレゼンし、どんどん研究を進めていくためのスキルを学びます。このあたりが一番研究スキルの伸びる時期です。

卒業発表会を終えたのち、卒業式、そして短い春休みを迎えます。卒業研究でよい成果がでた人は早速学会デビューし、発表なども行っていきます。研究室配属されたときには研究をどう行ったらよいか全くわからなかった人も、卒業論文を経験し、見違えるようにたくましくなります。


修士課程

研究活動を基本として学会など様々な活動に参加していきます。研究テーマは卒業論文をさらに発展させたり、新たなテーマで研究を進めたりと様々です。1年次の前期には授業を受け、自分の研究テーマや知識をさらに深めていきます。さらに企業主催のインターンシップやセミナーなどにも参加していきます。

後期にはこれらを材料として、修士課程を修了後、博士課程への進学か、就職かを決定していきます。就職する場合は就職活動を開始します。また、学会での研究発表参加などを行い、修了までに論文投稿を目指します。

博士課程へ進学する場合は、日本学術振興会の特別研究員に採択されることをひとつのターゲットに研究計画をたて、論文投稿や学会での研究発表を目指します。

2年次前期には就職を考える人は就職活動を引き続き行います。博士課程への進学を考える人は8月の博士課程の入学審査へ向けて準備を行います。後期には修士論文にむけて研究を進めていきます。


博士課程

修士課程での生活は、大学院の講義や就職活動など研究以外に費やす時間も多いですが、博士課程に進学後は、一人の研究者としてより専門的にじっくりと研究を進めていくことになります。

博士課程での最大の目標は学位(博士)の取得ですが、そのために雑誌論文への採録や国内外の学会及びシンポジウムなどへの参加を重ね、自分の研究テーマに取り組み研究業績をあげることが必要になります。その中で同じ研究分野で活躍する国内外の研究者と交流する機会も数多くあります。

また、博士課程の在学期間は標準で3年間という目安がありますが、博士の学位を得るために必ず3年間在学しなければならないということではありません。研究テーマについて十分な業績を出し、博士として充分な能力が身についたと評価されれば、短縮で修了することも可能です。調和系工学研究室では過去に何人もの先輩方が博士の学位を短縮で取得しているという実績もあります。

博士の学位を取得した後は、その専門性や研究遂行能力を生かし、研究者または技術者として様々なフィールドでの活躍が期待されます。大学の先生として研究者の道を歩む先輩方もいれば、博士取得後にメーカーやIT通信関係の企業に就職して第一線で活躍されている先輩方も数多くいらっしゃいます。

博士課程で学んだ論理的思考力や問題解決力は、企業に就職した後も高く評価され、その専門性を生かすことができます。また、博士の学位は、日本はもとより、特に欧米において研究者であることを証明する資格として高く評価されるため、将来のキャリアとして海外で活躍できる可能性も格段に広がります。